汚泥に関する用語
原泥 げんでい
原泥とは、工場や下水処理場などの水処理プロセスにおいて、一次沈殿や凝集凝縮といった初期工程で発生する未処理の汚泥を指します。「原料汚泥」という意味合いを持ち、汚泥処理における最初の入力物としての位置付けがなされており、汚泥処理の原料としての性質が強いことからこの名が付いています。
原泥の大きな特徴は極めて高い含水率にあります。70%から99%の範囲内で推移しするのが一般的です。この超高含水率ゆえ、原泥の輸送・処理には多大なコストとエネルギーを要します。また、有機物やリンといった栄養分を多く含みます。BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)の指標で見ても、未処理汚泥特有の高い値を示します。このため原泥は生物的処理に優れており、汚泥処理の第一段階として好気性処理が適用されるケースが多くみられます。管内嫌気性消化、水熱消化、メタン発酵など、原泥を前処理することで消化効果やガス化の向上が期待できます
先進的な原泥処理技術としては、脱水装置を利用した機械的脱水が挙げられます。遠心力を応用した遠心分離機やデカンタ型遠心分離機で汚泥の含水率を低下させることが可能です。これにより輸送効率が格段に向上するだけでなく、消化効果の改善も期待できます。
一方で有害物質の混入も懸念されることから、適正な前処理と安全性確保が欠かせません。
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