汚泥 おでい

汚泥とは、下水処理施設や浄水場、工場排水などの事業活動における処理過程で発生する、水分を含んだ泥状の物質の総称です。汚泥は主に沈殿やろ過によって除去された微粒子の固形物と、処理工程で原水から分離・除去された生物体（スラッジ）で構成されており、その種類は多岐にわたります。汚泥は廃棄物処理法に基づき産業廃棄物の一つとして分類され、特に重金属や放射性物質を含んだり、有毒性が強いものは特別管理産業廃棄物として扱われ、その処理には特別な注意が必要です。

汚泥の主成分は有機物と灰分で、さらに微生物、大腸菌、重金属、放射性物質などの有害物質が含まれることがあります。下水汚泥は、BOD（生物化学的酸素要求量）やCOD（化学的酸素要求量）が高いため、適切に処理しないと土壌汚染や水質汚濁の原因となるリスクがあります。

汚泥の処理方法には、脱水、焼却、メタン発酵、堆肥化などがあり、これらによって汚泥の体積を減らし、最終的に埋立処分が行われます。また、セメントや土砂と混合して再利用されることもあり、資源としてリサイクルされるケースが増えています。堆肥化による農業利用や、メタン発酵によるエネルギー回収も、汚泥の再利用の一環として注目されています。

汚泥処理の過程では、まずタンクに汚泥を一時的に貯蔵し、その後、適切な処理が施されます。汚泥のリサイクルや再利用を通じて、環境保護と資源の有効活用が進められています。脱水ケーキの乾燥やリン回収などの技術を活用し、持続可能な社会への貢献が求められています。