増産で排水処理が限界に!食品工場の課題をHabukiで解決、工期・コストが1/2以下!

キムチ工場の生産ライン増設により排水量が増加し、既存の曝気槽では処理が追いつかず対応が困難に。そんな時に、省スペースかつ短工期で導入可能な前処理装置「Habuki(工場排水用AT-BC装置)」を提案。既存設備を活用しながら処理能力を大幅に強化し、設置スペース・工期・建設コストすべてを削減しました。
処理ポイント
課題
生産ライン増設により排水量が増加し水質悪化を懸念、設置スペース・工期・建設コスト的にも新たな曝気槽の設置が難しく困っている
提案
前処理でHabukiを2台導入し、水質改善することで排水処理能力が増強する方法を提案
結果
BOD・CODを大幅に削減し、処理能力は1.7倍、工期は1/2、建設コストは約1/3に削減
目次
ご相談内容
2017年のキムチ生産ライン増設により、排水量が420㎥/日から700㎥/日に増加。既存の曝気槽では処理が追いつかず、水質悪化が懸念。新たな曝気槽の設置には125㎡の敷地、6カ月の工期、約8,000万円の建設コストが必要だが、いずれも確保が難しく、対応に困っている。

Habukiを使ったご提案
Habukiを2台導入し、曝気槽の前処理でBODを60%以上除去することで、既存の曝気槽をそのまま活用しつつ、700㎥/日の処理を可能にする計画をご提案しました。

既存設備をそのまま活用!前処理にHabukiを導入し、排水量増加に柔軟対応
Habukiを2台導入し、曝気槽の前処理でBODを60%以上除去することで、既存の曝気槽(420㎥)をそのまま活用しつつ、700㎥/日の処理を可能にする計画をご提案しました。設置面積は約40㎡、工期は約3ヶ月、建設コストは約3,000万円で、ブロワーの増設も不要な省エネ型の構成です。
排水処理設備の立ち上げも、通常2カ月かかる微生物処理が約3週間で稼働。従来の方法に比べ、設置スペース・工期・建設コストのいずれも大幅に抑えられ、ブロワーの増設も不要になり、人的・経済的負担の軽減にもつながりました。
セイスイ工業は、長年の現場経験を活かし、Habukiを活用した多様な処理をご提案いたします。無料の現地調査や打ち合わせを通じて、迅速に汚泥処理や機材レンタルを開始できる体制を整えています。さらに、セイスイ工業の仮設水処理プラントの導入により、処理が難しい汚泥にも柔軟に対応でき、コストを抑えた効率的な対応が可能です。
効果
処理能力
420㎥/日
700㎥/日
約1.7倍に増強
設置面積
125㎡
40㎡
約1/3に縮小
工期
6カ月
3カ月
1/2に短縮
建設コスト
8,000万円
3,000万円
約1/3にコストダウン
水質(原水➡Habuki処理水➡放流水)
BOD
739mg/L
207mg/L
➡4.2mg/L
COD
877mg/L
323mg/L
➡12mg/L
SS(懸濁固形物)
2,130mg/L
35mg/L
➡5mg/L未満
T-N(総窒素)
140mg/L
2.2mg/L
➡1.6mg/L
従来技術との比較
従来技術(曝気槽増設) | Habuki導入時(既設槽活用) | |
---|---|---|
排水処理立ち上げ期間 | 最低2カ月以上で処理開始 | 約3週間で処理開始 |
電力消費 | ブロワー増設により増加 | 既存ブロワーで対応可能 |
臭気対策 | 脱臭設備など追加対応が必要 | 臭気抑制効果あり |
汚泥処理コスト | 汚泥量増加により処分コストも増加 | 汚泥量抑制でコスト削減 |
生産スケジュール | 増設完了まで稼働できず遅延 | 増産計画と並行して稼働可能 |
従来の対応策として想定されていたのは、曝気槽の増設による処理能力の強化でした。しかし、125㎡の敷地確保と約8,000万円の建設コスト、工期は約6ヶ月と、設置スペース・工期・建設コストのすべてにおいて大きな負担が課題となっていました。
そこでご提案したのが、既存の曝気槽を活用しつつ「Habuki」を前処理として導入する排水処理設備です。省スペース設計で敷地内に設置でき、BODを60%以上削減。既存設備のまま増加した排水量にも対応可能となりました。
さらに、通常2カ月かかる生物処理の立ち上げも約3週間で完了。Habukiで使用するバチルス菌の効果で余剰汚泥も抑制され、脱臭・電力・汚泥処分などの運用コストも削減。設置スペース・工期・建設コスト・処理性能のすべてで、曝気槽増設に比べて大きな優位性を発揮しました。
増産による排水負荷を、Habuki前処理で解決!
Habukiを2台導入し、曝気槽の前処理でBODを60%以上除去することで、既存の曝気槽をそのまま活用しつつ、700㎥/日の処理を可能にする計画をご提案しました。
①
キムチ製造工場から出た排水は、既設の原水槽 → 微細目スクリーン → 調整槽を順に通過します。
②
その後、排水は、曝気槽の前段に設置されたHabuki2台に並列で連続流入されます。
③
Habuki内部の回転繊維ユニットに形成された微生物膜が有機物を分解。BOD・SSを短時間で大幅に低減させます。
④
Habukiで処理された排水は、既設の曝気槽に移送され、生物処理されます。前処理済みのため、曝気槽の負荷が軽減され、電力消費も抑制されます。
⑤
生物処理後の排水は沈殿槽に送られ、重力による固液分離が行われます。上澄み水は放流前に塩素消毒されます。
⑥
沈殿した汚泥はHabukiに返送、一部の余剰汚泥は脱水処理後、場外で適切に処分されます。
限られた敷地と短い準備期間の中で、確実かつ効率的な排水処理を実現。Habukiは「回転生物接触法」を利用しており、直径2mの繊維体円盤30枚で構成されたユニットが1分間に約3回転することで、効率的に微生物処理を行います。
キムチ製造工場から発生した有機排水の処理方法詳細
排水処理設備概略フロー図

Habuki増設前の様子

【写真①】原水

【写真②】曝気槽

【写真③】沈殿槽
キムチ工場の排水は原水槽・微細目スクリーン・調整槽を通過後、Habuki(2台)に連続流入されます。Habuki内の微生物膜がBOD・SSを短時間で大幅に低減し、後段の曝気槽の負荷を軽減。処理水は沈殿槽で固液分離されます。
Habuki導入後の様子

【写真①】Habhuki(曝気槽の前処理として設置)

【写真②】沈殿槽(Habuki増設後)

【写真③】処理水
既設設備の曝気槽・沈殿槽を経て処理された処理水のうち、上澄み水は塩素消毒のうえ河川へ放流。沈殿した汚泥の一部はHabukiへ返送され、残りは脱水処理後、場外で適切に処分されます。