ご相談内容
搬出する土壌に重金属が含まれている為、そのまま産業廃棄物として処分すると費用が高額になるので困っている。
効 果
仮設分級減容化プラントを稼動させることにより20μm以下のシルトや粘土を廃棄するだけで済み、そのまま廃棄してしまう方法に比べ廃棄物の量を8,000㎥から3,000㎥まで減容化でき処理費用を大幅に削減出来ました。
仮設分級減容化プラントを導入したことにより、処理の難しい汚泥でも安全かつ最小限のコストでスピーディに問題解決させることができました。



ご提案内容
土壌洗浄後の重金属を含んだ泥水を一次処理として遠心脱水機を使い無薬中で20μm以上の固形物を分級します。ここで分級された20μm以上の固形物は汚染基準値以下の為、埋め戻し材として使用します。2次処理では薬品を使い1次処理で分級された20μm以下の固形物を含む泥水に重金属吸着材と凝集剤を添加し水に溶出した重金属も除去しながら遠心脱水機で処理する事により水と固形物に分離していきます。固形物は産業廃棄物として処分し分離した水は土壌洗浄水として再利用します。
処理能力は土質や泥水濃度により変わりますので過少設備や過剰設備にならないよう常に事前調査を綿密に行いお客様に最適な設備をご提案させて頂いております。
他の事例も沢山ございますのでご参考にして下さい。
汚染土壌分級処理について
概要
汚染土壌は土壌洗浄機で75μm以上を分級し全量廃棄されていますが、75μm以下の粘土やシルト分を短時間で20μm以上のものと分離し、今まで廃棄していた20~75μmを廃棄せず再利用が可能になります。よって、20μm以下のシルトや粘土分の廃棄で済むため廃棄物の総量削減、経済性や施工性の向上、有害物の不溶化など、従来には無かった画期的な工法です。また、遠心力による物理的な分級方法のため、1回の処理では汚染度を下げられない場合でも薬品を使用せず何度でも洗浄が可能です。
従来技術との比較
従来工法では砂分(75μm以上)が多い場合に土壌洗浄が行われてきましたが、シルト、粘土(75μm以下)が多い場合にサイクロン付き振動フルイ等では75μm以下のシルト、粘土分について土粒子の大きさで分級することができず全量産廃として廃棄されていました。また、湿式サイクロンで20μmでの分級を行った場合、有機物の微粒子を含んでいる場合には、分級する事が難しく汚染度が下がらない事もあります。遠心分級機は薬剤を使用せずに20μm以上のシルト分や粘土、有機物でも分離する事が可能であり、薬品を添加する事で汚染物質が一番付着している20μm以下の微粒子も水と固形物に分離する事が可能な事から、油、有害物、有機物を含む排水や汚泥の減容化に幅広く対応出来ます。また、汚泥を固体と液体に分離することで、汚染土の大幅な減容化が出来るため処理量が多くなるほど産廃費用の削減につながります。

上のグラフは泥水に含まれる固形物の粒度分布を表したものです。
下のグラフは遠心分級機で処理された処理水に含まれる固形物の粒度分布を表したものです。
特徴
- 他の脱水機では処理が出来ない含油汚泥や有害物でも処理が可能。
- バキューム処理と比較して大幅に産廃費用を削減できる。
- 従来工法では処理の難しい高濃度の排水でも処理が可能であり、処理能力が格段に優れている。
- 堆積した汚泥を除去することで、放流水が増加した際も放流基準を維持しながら放流できる。
- 工場の生産ラインを止める事もなく、24時間連続運転で処理する事が可能。
- 他の脱水機と比較して、短期間・省スペースでの設置が可能。
弊社では、処理実施までのご提案資料作成・現地確認・薬品テストなどを無料で行っております。
お客様が納得できる処理方法をご提案するため、全国各地訪問させていただきます。
■プラントフロー図

設備運転電力(三相200V)300A
現場内の限られたスペースに機材を設置するため、配置は弊社で提案させて頂いております。(写真1)

重金属を含んだ土砂をベルトコンベアで土壌洗浄プラントへ送っていきます。(写真2)
送られてきた土砂は洗浄機で洗浄されます。(写真3)
写真2 土壌運搬状況 写真3 洗浄機状況
洗浄された土砂は分級機とゴミ取り機で木屑やゴミなどを除去していきます。(写真4)(写真5)
写真4 振動篩機 写真5 ゴミ取り機状況
分級機で分級された75μm以上の土砂をサイクロン分離していきます(写真6)
サイクロンで分離された75μm以上の土砂はサンドクリーンで再度洗浄していきます。(写真7)
写真6 遠心脱水機設置状況 写真7 排出用ベルトコンベア設置状況
サンドクリーンで礫や砂分に付着している75μm以下の粘土やシルト分を洗浄し除去された後の残った礫や砂分が排出されます。(写真8)
洗浄された75μm以下の粘土やシルト分は洗浄水受け槽に貯留していきます。(写真9)
写真8 分級固体状況(含水率83%) 写真9 処理水状況(比重1.06)
今回は遠心脱水機(HS-500MW×2台)を分離機として使用し無薬注で20μm以上の粘土やシルト分を分離します。
(分級した20~75μm以下の分離固体の汚染度が下がらない場でも、洗浄を繰り返す事により下げる事が出来ます。)
処理能力は2台で1時間当たり60㎥の処理を行いました。(写真10)(写真11)
写真10 分級用 遠心脱水機HS-500MW×2台
脱水用 遠心脱水機HS-500MW×1台写真11 分離固形物(含水率35%)
遠心脱水機で分離された20μ以下の重金属を含む分離水に重金属吸着材と凝集剤を添加し反応させます。(写真12)(写真13)
写真12 反応槽状況 写真13 分離水状況(比重1.03)
薬品で反応させた分離水に高分子凝集剤を添加しながら遠心脱水機に送り水と脱水ケーキ(固形物)に分離させます。(写真14)
処理水は再度土壌洗浄プラントへ送り洗浄水として再利用します。(写真15)
写真14 脱水ケーキ(含水率57%) 写真15 処理水状況
サイクロン付き振動篩機で75μm以下に分級した泥水をさらに遠心脱水機を使い重金属を多く含む微粒子を分級し減容化した事で、最小限のコストでスピーディに問題解決をさせることができました。
参考事例:重金属・土壌洗浄処理
1.処理の目的
重金属に汚染された土壌を洗浄し、75μm以下の重金属を含むシルト分を濃縮させて廃棄させることで廃棄物量の削減を目的とする。
2.処理の用途
〇 重金属汚染土壌の洗浄処理。
〇 重金属の不溶化処理。
3.処理の特徴
- 遠心力を利用する為、比重による固液分離が可能。
- バキューム処理と比較して大幅に廃棄物量を削減できる。
- 連続運転で処理する事が可能。
- 従来工法に比べ処理量が格段に多い。
- 他の脱水機と比較して、短期間・省スペースでの設置が可能。
4.処理の効果
- 従来工法では処理の難しい汚泥や高濃度の排水でも処理が可能であり処理能力が格段に優れている。
- バキューム費用と比較し大幅に産廃費用の削減が可能。
- 工場の生産ラインを止める事なく、24時間連続運転で処理する事が可能。
- 従来工法に比べ短期間で処理が可能。また、大規模処理にも対応可能。
- 組合せは自由自在で工場内のある程度の限られたスペースで設置が出来るため、工場の生産ラインに組込み既設脱水機と同様に処理が可能。