水処理に関する用語
ORP(Oxidation Reduction Potential:酸化還元電位) さんかかんげんでんい
ORP(Oxidation-Reduction Potential:酸化還元電位)は、水溶液中の電子の移動度合いを示す指標であり、酸化と還元の度合いを表します。単位はmV(ミリボルト)で示され、値が高いほど酸化力が強く、還元力が弱いことを意味します。ORPは、水質管理や排水処理において、重要なモニタリング指標として広く利用されています。
ORP値は、専用のORP電極を使用して測定されます。この電極は、水溶液中のイオンの動きを検知し、酸化還元反応の程度をリアルタイムで測定することができます。ORP電極はpH電極と共に使用されることが多く、水質の総合的な評価を行うために欠かせないツールとなっています。
上水処理や排水処理のプロセスでは、凝集、消毒、廃水処理、生物的処理などの効率がORP値に大きく影響されます。例えば、凝集沈殿法によるSS(懸濁固形物)の除去では、ORP値を100-300mVの範囲に維持することで、凝集効率が最大化します。また、活性汚泥法などの生物的処理では、ORP値を適切にコントロールすることで、分解能力が向上します。さらに、溶存酸素(DO)やpHと併せてORPを管理することで、水質の最適な状態を維持しやすくなります。
ORPの迅速な測定は、BOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)と比較して大きなメリットがあります。リアルタイムでのモニタリングが可能で、特に活性汚泥法などの生物的処理において、ORP値の変動を監視することで処理状態を即座に判断できるため、効率的な水質管理が実現します。
このように、ORPは水質管理の重要な指標であり、電極やpH、溶存酸素などの測定と組み合わせて使用することで、効率的で精度の高い水処理が可能になります。
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