水処理に関する用語
SS(Suspended Solids:懸濁固形物) けんだくこけいぶつ
SS(Suspended Solids:懸濁固形物)とは、水処理過程において水中に浮遊している微粒子状の固形物質の総称であり、懸濁物質や浮遊物質とも呼ばれます。SSは粒径1マイクロミリのろ過材上に残留する物質と定義されています。粘土鉱物に由来する微粒子や、動植物プランクトンとその死骸、下水、工場 排水等に由来する有機物や金属の沈殿物等が含まれ、水中の濁度を上昇させる主な要因です。
SSは、水質管理における基本的なパラメータの一つで、懸濁物質量として浄水や排水管理の重要な指標となっています。特に河川や湖沼などの自然環境では、SSの量が濁りや水質に大きな影響を与えるため、厳格な管理が求められます。また、SSはダイオキシン類や PCB、重金属や病原性微生物などの汚染物質を吸着しやすく、これがろ過性の低下やさらなる汚染の原因となることから、その除去が必要です。
SSの測定方法には、ろ紙を用いて水中のSSを濾過し、乾燥後に残留物を計量する手法が一般的です。これにより、具体的な懸濁物質量が定量化され、水質管理のための基準値と比較することができます。
SSの除去や低減には、凝集剤を用いた凝集沈殿法、高度凝集・沈殿・高速浮上方式、マイクロろ過、生物学的処理などの技術が利用されます。特に、法規制対象の工場排水では、法定の基準値以下へのSSの低減が義務付けられており、オンライン監視システムによる継続的な監視も求められています。処理過程での連続的なSS監視は、水質保全と環境保護を確保するために極めて重要です。
SSの管理は、水質の維持と法令遵守の両面から非常に重要であり、効果的な除去技術と監視システムの導入が、環境負荷を低減し、持続可能な水処理を実現するために不可欠です。
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