土木工事技術
推進工事 すいしんこうじ
推進工事(非開削工法)とは、下水道・水道・ガス・電力・通信ケーブルといったライフラインを地下に敷設するための工事方法で、道路全体を掘り返す「開削工法」とは異なり、地上への影響を最小限に抑えて施工が可能な非開削工法のひとつです。
推進工事の仕組み
この工法では、推進シールド機やマイクロトンネルボーリングマシン(MTBM)などの掘進機を使って、発進立坑(始点)から到達立坑(終点)までの地中を掘削。掘り進むのと同時に、推進管を後方から順に接続しながら押し込んでいき、地中に管路を構築していきます。
推進工事が使われる場面
推進工事は、以下のような都市インフラ整備や更新工事で広く利用されています。
- 下水道管や上水道管の埋設工事
- 都市ガス・電力・通信回線用の管路構築
- 道路や鉄道下に多目的トンネル(共同溝)を通す工事
- 函渠(かんきょ)※ボックス型管路の非開削敷設
推進工法のメリットと特徴
- 非開削:地表面を大きく掘削しないため、交通規制や騒音・振動などの環境負荷が軽減
- 高度施工:掘進機の導入により、既存インフラとの干渉を避けながら、正確に管路敷設が可能
- 都市部に最適:狭隘地や市街地など、掘削が困難な場所でも対応
- 工期短縮・効率化:掘削と推進が一体化した作業により、迅速な施工が可能
推進工事は、地表への影響を最小限に抑えつつ、精度の高いライフライン埋設が可能な非開削工法として、都市インフラ整備や更新事業の要となっています。特に、交通量が多く、施工制限の多い都市部においては、環境配慮・安全性・効率性を両立する有力な工法です。
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