水処理機器・装置に関する用語
シックナー(沈降濃縮装置) しっくなー(ちんこうのうしゅくそうち)
シックナー(沈降濃縮装置)は、液体中の固形物を効率よく濃縮するための装置で、鉱業、化学工業、製紙業、下水処理場などで広く使われています。シックナーは円筒形の大きなタンクで、底が円錐形になっており、液体と固形物の混合物をタンクに入れると、固形物が重力によって底にゆっくり沈んでいきます。底部にはかき取り羽(レーキ)がついており、沈んだ固形物を集めて排泥口から排出します。
このプロセスは「沈降濃縮(シックニング)」と呼ばれ、固体と液体を分けるのに広く使われます。上澄み液(水分)を回収する場合は「クラリファイヤー」とも呼ばれ、鉱業では鉱物の抽出、化学工業では生成物の濃縮、製紙業ではパルプの処理に活用されています。下水処理場では、シックナーで汚泥を濃縮することで体積を減らし、後の脱水処理が楽になるため、廃棄物管理の効率が上がります。
さらに、シックナーで処理した水は再利用や次の浄化工程に使うことができ、持続可能な水管理にも貢献します。設置スペースを抑える多段式や、処理効率を高める傾斜板付きタイプもあり、連続洗浄が可能なシックナーもあります。こうした特性により、シックナーは上下水処理、排水処理、化学工業、鉱業など多くの分野で重要な役割を担っています。
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