下水処理場の消化槽を人が入らず浚渫!5,964㎥の消化汚泥を約3カ月で処理

下水処理場で、老朽化した消化槽の解体に伴い、槽内に残る消化汚泥の処理が課題に。消化槽は内槽・外槽からなる二層構造で、し渣や砂分を含む汚泥が堆積し、さらに消化ガスも残留していたため、安全な浚渫方法が求められていました。そこで、特殊ポンプによる汚泥の引き抜きと、し渣・砂分の前処理、デカンタ型遠心分離機2台による脱水処理を組み合わせた仮設水処理プラントを導入。槽内への人の立ち入りを省略しながら、5,964㎥の消化汚泥を約3カ月で処理しました。
処理ポイント
課題
消化ガスが残る二層構造の消化槽から、し渣・砂分を含む消化汚泥を安全に全量引き抜きたい
提案
特殊ポンプによる非入槽浚渫と、し渣除去・砂分除去・遠心分離機による脱水を組み合わせた仮設水処理プラントを提案
結果
槽内への人の立ち入りを省略し、5,964㎥の消化汚泥を約3カ月で処理。最大40㎥/hの脱水処理体制を構築
ご相談内容
下水処理場では、老朽化した消化槽の解体・撤去に伴い、槽内に残る消化汚泥をすべて引き抜く必要がある。対象は内槽・外槽からなる二層構造で、槽内にはし渣や砂分を含む汚泥が堆積し、消化ガスも残留。人が槽内に入らず、安全に汚泥を引き抜き・処理する方法を探している。

セイスイからのご提案
特殊ポンプで消化汚泥を引き抜き、し渣除去機、サイクロン付振動フルイ、デカンタ型遠心分離機を組み合わせた仮設水処理プラントをご提案しました。し渣・砂分を段階的に除去した後、高分子凝集剤を添加し、「PTM-500」2台で脱水処理。さらに、脱水後の処理水を消化槽へ戻し、引き抜き時の希釈水として再利用する処理フローとしました。

消化槽5,964㎥の汚泥を約3カ月で処理!槽内に人が入らない浚渫を実現
特殊ポンプと仮設水処理プラントを組み合わせることで、約3カ月で5,964㎥の消化汚泥を処理しました。
施工では、1基目の外槽・内槽、続いて隣接する槽の外槽・内槽と、二層構造の消化槽を計4回に分けて順番に浚渫。施工箇所に合わせて配管や機材を切り替えながら処理を進めました。
また、特殊ポンプを槽内に投入して汚泥を引き抜くことで、槽内に人が立ち入る浚渫工程を省略。窒素置換や作業中のガス濃度測定を行いながら施工し、消化ガスが残る現場での安全性にも配慮しました。
効果
総処理量
5,964㎥
約3か月で処理
大量汚泥を計画的に処理
脱水処理
PTM-500 × 2台
40㎥/h
2台並列で脱水
消化汚泥
消化汚泥
含水率 約60〜75%
場内で脱水・減容化
浚渫方法
槽内での人力作業
立ち入りを省略
特殊ポンプで引き抜き
今回の処理方法のポイント
消化槽に堆積した汚泥には、し渣や砂分などの夾雑物が含まれており、そのまま脱水機へ送ると安定した処理が難しくなります。
今回の現場では、特殊ポンプによる引き抜き後に、し渣除去機とサイクロン付振動フルイを使用して夾雑物を段階的に除去。その後、遠心分離機による脱水処理につなげました。
また、消化ガスが残留する槽内へ人が入る工程を省略するため、特殊ポンプによる浚渫を採用。「安全な引き抜き」「前処理」「脱水処理」を一つの処理フローとして組み合わせたことが、この現場のポイントです。
セイスイ工業はこんな方法で解決!
①
消化槽内に特殊ポンプを投入し、処理水で希釈しながら消化汚泥を槽外へ引き抜きます。
②
引き抜いた汚泥をし渣除去機へ送り、髪の毛や繊維、紙、プラスチックなどのし渣・粗大物を分離します。除去したし渣はフレコンに詰めて搬出します。
③
し渣を除去した汚泥を原泥槽へ送り、サイクロン付振動フルイで後段の脱水処理を妨げる砂分を除去します。
④
高分子凝集剤を添加し、デカンタ型遠心分離機「PTM-500」2台で固液分離します。脱水汚泥は搬出し、処理水は消化槽へ戻して引き抜き時の希釈水として再利用します。必要に応じて既設の水処理設備へ移送します。
下水処理場の消化槽に堆積した消化汚泥の処理方法詳細
仮設水処理プラント概要図

処理前の様子

【写真①】現場全景

【写真②】消化槽
老朽化した消化槽の解体に先立ち、槽内に残る消化汚泥を全量引き抜く必要がありました。対象となる消化槽は内槽・外槽からなる二層構造で、槽内にはし渣や砂分を含む汚泥が堆積。また、消化ガスも残留していたため、人が槽内に入らない施工方法を検討しました。
処理中の様子

【写真①】特殊ポンプで汚泥引き抜き

【写真②】しさ除去機

【写真③】サイクロン付き振動フルイ

【写真④】脱水機(遠心分離機)設置状況 PTM-500×2
まず、特殊ポンプを使用して消化槽から汚泥を引き抜きます。その後、し渣除去機で粗大物を分離し、さらにサイクロン付振動フルイで砂分を除去します。前処理した汚泥に高分子凝集剤を添加し、デカンタ型遠心分離機「PTM-500」2台で脱水。最大40㎥/hの処理体制で固形分と処理水に分離しました。施工は、1槽目の外槽・内槽、隣接槽の外槽・内槽の順に、計4回に分けて実施しました。
処理後の様子

【写真①】脱水ケーキ(分離された固形物)

【写真②】フレコン搬出
遠心分離機で脱水した汚泥は、含水率約60~75%の脱水ケーキとして搬出しました。一方、分離された処理水は消化槽へ戻しました。現場条件に応じて既設の水処理設備へ移送できる処理経路も設けました。


