食品工場の既設ラグーン槽の閉鎖に伴い溜まった汚泥を引抜いて現場で脱水処理を実施!
ご相談内容
老朽化した食品工場の排水処理設備を改修。今後使用しない既設のラグーン槽を閉鎖するために、溜まった汚泥を効率的に処理したい。
セイスイからのご提案
ラグーン槽に堆積した汚泥を引抜いて(浚渫汚泥)、現場に仮設水処理プラントを設置して、処理水と脱水ケーキに分離する方法を提案しました。
デカンタ型遠心分離機を使用した仮設水処理プラントで浚渫汚泥を処理して、スムーズにラグーン槽の閉鎖を実現!
食品工場の排水処理設備が改修され、最新の膜処理技術を採用した設備に更新されました。
これに伴い、従来使用していたラグーン槽の閉鎖が決定しましたが、槽底に堆積した汚泥の処理が課題となりました。
バキュームによる汚泥除去では、コストと工期が膨大になるため、現場で汚泥処理が可能な仮設水処理プラントが採用されました。
処理効果
汚泥量
7,200㎥
343㎥
1/21減容化
汚泥濃度
0.8%
-%
含水率83%
汚泥引き抜きと浚渫汚泥処理の方法
浚渫汚泥には、砂やゴミなどの異物が混入していたため、サイクロン付き振動ふるいで前処理を実施。その後、処理された汚泥はデカンタ型遠心分離機にかけられました。
処理水は、新設された排水処理設備で膜処理がおこなわれました。
1次処理
既存のラグーン槽から汚泥を新設の原水槽へ移送する際、ポンプを使用して砂分除去機(サイクロン付き振動篩機)に接続。これにより、5mm以上の砂やゴミを除去し、汚泥は一時処理水受槽①に貯留されます。
2次処理
5mm以下の固形物を含む泥水を一時処理水受槽①から脱水機(遠心分離機)PTM-500へ送水し、1時間あたり15㎥の固液分離を実施します。
近年、食品工場の曝気式ラグーン法は、処理能力の不足や設置に必要な敷地面積の確保が困難、周辺環境への配慮の必要性などの理由により、新たな排水処理設備への移行が進んでいます。
セイスイ工業は、曝気式ラグーン法の汚泥引き抜きや、現場での浚渫汚泥処理について多くの実績がございます。
仮設水処理システム概要図
処理前の様子
【写真①】現場全景
【写真②】処理前のラグーン槽 濃度0.8%
食品工場内の限られたスペースに機材を設置するため、配置はセイスイ工業で提案させて頂いております。
処理中の様子
【写真③】砂分除去機(サイクロン付き振動ふるい)
【写真④】砂分除去機(サイクロン付き振動ふるい)で除去されたゴミ
【写真⑤】汚泥受槽内の処理水
【写真⑥】脱水機(デカンタ型遠心分離機 PTM-500)
まず、既設排水処理設備のラグーン槽と砂分除去機(サイクロン付き振動篩機)をポンプで接続し砂分を除去します。その後、除去された泥水を脱水機(遠心分離機)へ送水します。使用した脱水機(遠心分離機)はPTM-500です。
処理後の様子
【写真⑦】脱水ケーキ(分離された固形物)
【写真⑧】処理水(分離された水)
処理後の脱水ケーキ(分離された固形物)の含水率は約83%です。一方、処理水(分離された水)は、新設の排水処理設備へ送水します。