水処理機器・装置に関する用語
高分子凝集剤薬注装置 こうぶんしぎょうしゅうざいやくちゅうそうち
高分子凝集剤薬注装置は、排水処理プロセスにおいて、高分子凝集剤を正確な量で排水処理ラインに供給するための装置です。適切な注入により、凝集・沈殿の効率を向上させ、処理水の水質を安定させます。特に、汚泥処理施設、下水処理場、産業排水処理設備などで使用され、SS(浮遊物質)除去、BOD・COD削減、脱水処理の効率化に貢献します。
この装置は「高分子凝集剤自動溶解装置」と異なり、凝集剤の溶解機能を持たず、計量と注入のみを行うのが特徴です。事前に溶解槽や薬剤溶解装置で準備された希釈液を、ポンプや流量制御装置を用いて正確に排水処理ラインに供給します。
構造がシンプルで管理が容易なため、排水処理施設の新設・改修・運用時の調整にも適しており、適切な凝集剤の供給を通じて、安定した排水処理を実現します。この装置の特徴としては、以下の要素が含まれます。
- 流量比例注入機能:処理水量の変動に柔軟に対応し、リアルタイムで凝集剤の注入量を調整できるため、凝集剤の効果が安定的に発揮されます。
- 複数の薬品対応:装置はさまざまな高分子凝集剤に対応できる設計となっており、薬品の種類に応じて最適な注入が可能です。これにより、処理工程における凝集効果が安定的に発現します。
- 迅速な分散混合:薬品注入後、処理水内で迅速に分散し、均一に混合されるため、凝集効率が高まり、効果的な水処理が実現します。
- 事前のスラリー希釈:凝集剤が事前にスラリー状に希釈されるプロセスも応用されており、凝集剤の溶解性を向上させ、効率的な注入が可能です。
このように、高分子凝集剤薬注装置は、精密な薬品注入を通じて排水処理プロセスの効率を高めるだけでなく、運用コストの削減やメンテナンス負担の軽減にも貢献します。
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