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水処理コラム

COLUMN

下水処理

下水処理、4つの処理プロセス

下水処理4つの処理プロセス

前回のコラムでは、下水処理の基礎についてお話ししましたが、今回はその技術をさらに掘り下げて、具体的な4つの処理プロセスを詳しく解説します。予備処理から三次処理まで、各段階でどのように水がきれいに処理されていくのか、その流れをわかりやすく説明します。

この記事を通して、普段何気なく使っている水がどのように浄化されているか、その全容を理解できるだけでなく、環境保護や水資源の大切さについて新たな視点を得られるでしょう。

さらに、下水処理に関する知識を深めることで、今後の技術選定や運用にも役立つ情報をお届けします。

下水処理のプロセス

下水処理は、私たちの生活を支える重要なインフラの一つです。 下水処理は、いくつかの段階に分かれた処理プロセスを経て、下水を浄化します。それぞれの段階で異なる汚れや不純物が取り除かれ、最終的に清浄な水として環境へ戻されます。ここでは、4つの処理プロセスをステージごとに役割と具体的なプロセスについて詳しく見ていきましょう。

下水処理プロセス

予備処理:大型ごみと砂の除去

予備処理では、まず大型ごみや砂などの物理的な不純物を効果的に除去することが重要です。この初期段階での処理により、後続の工程がスムーズに進み、機器の故障や処理効率の低下を防ぐことができます。

具体的には、スクリーンやグリット除去装置を使用してごみや砂を捕捉します。スクリーンは大型のごみや浮遊物を、グリット除去装置は水流を減速させて重い砂や砕石を除去します。これにより、下水処理施設の効率と耐久性が向上し、処理全体が円滑に進行します。

この予備処理工程は、下水処理全体の基盤となる重要なステップです。

一次処理:固形物の沈殿

一次処理は下水処理の初期ステップであり、固形物を沈殿させて除去することで水質を改善する重要な工程です。この段階で固形物を効果的に取り除くことで、後続の処理が円滑に進み、全体の処理効率が向上します。

一次処理は、沈殿池というタンクで行われ、下水の流れを遅くすることで、重い固形物が重力で沈殿します。このプロセスにより、懸濁固形物(SS)や生物化学的酸素要求量(BOD)が大幅に減少します。沈殿した固形物は一次汚泥として回収され、その後の処理工程で適切に処理されます。

沈殿池は、長方形や円形の形状が一般的で、それぞれの設計により効率的に汚泥を集める仕組みが備わっています。一次処理はシンプルなプロセスですが、後続の生物的処理の負荷を軽減し、下水処理全体を効率的に進めるための重要な役割を果たしています。

沈殿

二次処理:微生物による有機物の分解

二次処理は、下水処理の中核を担う重要な段階であり、微生物を利用して下水中の有機物を分解する工程です。この処理により、水質が大幅に改善され、公衆衛生の向上や環境保全に寄与します。

代表的な方法には、活性汚泥法とバイオフィルターがあります。活性汚泥法では、反応タンク内で微生物が有機物を分解し、その後沈殿池で汚泥を分離します。これにより、処理水の水質が大きく向上します。バイオフィルターは、固定された微生物が有機物を分解する方式で、都市部で広く利用されています。

さらに、近年では、従来の活性汚泥法を改良したAO法A2O法膜分離活性汚泥法(MBR)などの技術が発展し、処理効率の向上や施設のコンパクト化が進んでいます。これらの技術により、下水処理全体の持続可能性が高まり、環境への負荷を大幅に減らすことが可能になっています。

有機物 分解

三次処理:窒素・リンの除去と殺菌

三次処理は、下水処理プロセスの最終段階で、主に窒素やリンの除去と病原性微生物の殺菌を行います。これにより、水質がさらに向上し、環境保護と公衆衛生の向上が実現されます。

窒素除去は、生物学的硝化・脱窒法により、まずアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化し、その後、無酸素条件下で窒素ガスに還元して行われます。一方、リン除去は、生物的または化学的手法で行われ、生物学的リン除去法ではリン蓄積細菌を用いてリンを除去し、化学的リン除去法では凝集剤を使ってリンを沈殿させます。

また、病原性微生物の殺菌は、塩素消毒や紫外線消毒によって行われます。塩素消毒は一般的ですが、消毒副生成物が問題となることがあります。紫外線消毒は、化学物質を使用しないため、環境に優しい方法として広く採用されています。

三次処理により、下水処理水は安全な状態で環境に放流され、富栄養化や病原菌の拡散を防ぐことで、生態系の保護と人々の健康を守ることができます。

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