水処理とは?基礎知識から技術・設備・プロセスまで徹底解説|基礎編

「水処理」と聞くと、なんとなく専門的で難しそうなイメージがあるかもしれません。しかし、私たちが普段使っている水道水や、産業で利用される工業用水、さらには排水処理まで、すべてが水処理の技術によって支えられています。
現代社会において、水は単なる「資源」ではなく、「どう管理し、活用するか」が企業の生産性や環境負荷に直結する時代になっています。では、水処理とは具体的にどんなものなのか? 基本の水処理の仕組みや技術、水処理設備・水処理装置について、初心者にもわかりやすく解説していきます。
目次
水の中に含まれる「見えない不純物」
一見きれいに見える水でも、実際にはさまざまな不純物が含まれています。これらは自然由来のものから人工的な汚染物質まで多岐にわたり、水処理ではそれぞれに応じた除去・分解が必要です。主な不純物の種類と処理方法は以下の通りです。
- 夾雑物(ごみ・砂・金属粒子など)
→ ろ過・沈殿などの物理的処理で除去 - 水生生物(細菌・藻類など)
→ 塩素・紫外線などで殺菌、場合によっては生物処理 - 有機物質(洗剤・油・BOD成分など)
→ 生物的処理や化学酸化で分解・除去 - 無機塩類(カルシウム・鉄分など)
→ イオン交換やRO膜で除去 - 気体(硫化水素・アンモニアなど)
→ 曝気や脱ガス装置で調整
水処理とは?基本概念と必要性
水処理とは、水に含まれる不純物や細菌、有害物質などを取り除き、目的に応じた水質に調整する技術です。飲料水の浄化、工業用水の調整、排水の浄化など、生活や産業活動のあらゆる場面で必要とされています。
処理方法には、ろ過や沈殿などの物理的処理、薬品を使った化学処理、微生物の力を活用する生物処理などがあり、それらを組み合わせることで効率的かつ的確な処理が可能になります。
また、水処理設備は使用を続けることで性能が低下するため、定期的な点検やメンテナンスも欠かせません。水処理は、単なる水の浄化にとどまらず、安全な水の確保、設備の保全、さらには環境保護にまでつながる、現代社会にとって不可欠な技術です。
水処理の定義
水処理とは、水に含まれる不純物や細菌を取り除き、用途に応じた水質へ調整する技術・プロセスのことです。ろ過、沈殿、化学処理、生物分解などの方法を組み合わせて処理が行われます。
飲料水では安全性を重視して細菌やウイルスを除去し、工場排水では環境基準を満たす水質管理が求められます。主な水処理には、浄水処理・排水処理・産業用水処理があります。
浄水処理とは?(飲料水の確保)
浄水処理は、河川水や地下水を飲める状態にするための処理です。濁りや細菌、有機物、重金属などをろ過や消毒で除去し、衛生的で飲みやすい水質に整えます。従来の塩素消毒に加え、膜ろ過(MF、UF、RO)やオゾン処理、活性炭、紫外線などの高度処理も導入が進んでいます。

排水処理とは?(使用後の水を環境基準に適合)

家庭や工場で使われた水は、放流前に適切な処理が必要です。排水処理では、汚れや有害物質を除去し、環境基準を満たす水質に整えます。特に工場排水では、MBRや嫌気性処理などの高度技術が活用され、再利用や水資源の持続的な管理にも貢献しています。
産業用水処理とは?(工場・製造業向けの水処理)
工場では冷却や洗浄などに大量の水が使われ、用途に応じた水質管理が欠かせません。特に半導体製造には高純度の純水が不可欠で、食品・医薬品分野でも厳しい水質基準が求められます。近年は排水の再利用も進み、コスト削減や環境負荷の低減に寄与しています。

水処理の重要性
水処理は、単に水をきれいにするだけでなく、私たちの暮らしや産業、環境保全を支える重要な役割を果たしています。
- 安全な飲料水の供給
→ 感染症の予防や公衆衛生の向上に直結。 - 環境保護と水質維持
→ 排水処理や再利用により、汚染の抑制と資源の有効活用が可能。 - 産業の品質と効率を支える
→ 適切な水質管理により、製品の品質向上や設備保護、コスト削減につながります。
水処理は、社会・環境・経済を支える“見えないインフラ”といえる存在です。
水処理の主な分類
水処理は、大きく「浄水処理」、「排水処理」、「産業用水処理」の3つ方法に分けられます。それぞれ目的や対象とする水質が異なり、最適な処理技術が選ばれます。ここでは、それぞれの特徴や重要性について詳しく解説します。
浄水処理(飲料水の確保)
河川水や地下水をろ過・消毒し、飲料や生活用に適した安全な水を供給する処理です。家庭用の水道水や、食品・医薬品の製造に使われる水も含まれます。
- 目的:飲料水や生活用水を確保する
- 処理方法の種類:ろ過、塩素消毒、逆浸透膜(RO膜)
- 特徴:微生物や有害物質を除去し、透明度や味・においを調整
安全な水を供給するために、多段階の処理が行われます。近年では、オゾンや紫外線を活用した高度な殺菌技術も普及し、より安全でおいしい水の供給が求められています。
排水処理(使用後の水を環境基準に適合)
家庭や工場から出る排水を適切に処理し、環境に悪影響を与えない形で放流する処理です。未処理のまま放流すると水質汚染の原因となるため、汚れや有害物質を除去することが重要です。
- 目的:使用後の水を浄化し、環境基準を満たす
- 処理方法の種類:沈殿処理、生物処理、膜処理
- 特徴:水質汚染を防ぎ、河川や海の生態系を保護
家庭排水と比べ、工場排水は汚染物質の濃度が高く、法律で厳しい基準が設けられています。高度な処理技術を用いることで、有害成分の分解や再利用が進められ、環境負荷を低減する取り組みが強化されています。
産業用水処理(工場・製造業向けの水処理)
工場や発電所で使用する水を、設備や製品の品質維持のために適した状態にする処理です。冷却や洗浄に使う水だけでなく、製造工程で必要とされる高純度水の供給も含まれます。
- 目的:製造工程や設備に必要な水を確保
- 処理方法の種類:イオン交換、蒸発濃縮
- 特徴:設備の腐食防止、高純度水の供給、コスト削減
半導体製造には不純物を極限まで取り除いた 超純水、食品・医薬品業界では衛生管理基準を満たした水が求められます。また、排水を再利用する水のリサイクル技術も進化し、工場のコスト削減や環境負荷の低減に貢献しています。
セイスイ工業が担う水処理の役割
水処理には「浄水処理」「排水処理」「産業用水処理」の3つの主要な処理があります。セイスイ工業では仮設水処理プラントを活用し、これらに柔軟かつ迅速に対応。既設設備の補完や緊急時の対応をはじめ、幅広い現場で実績を積み重ねています。
浄水処理の一部を担う『Habuki』
セイスイ工業の仮設水処理プラントだけで浄水処理を完結させることはできませんが、新たに導入した『Habuki』を組み合わせることで、浄水処理の一部を担うことが可能です。特にBOD・CODの大幅な削減に強みを持ち、既設設備の処理負荷を軽減。汚泥の分離・減容化による運用コストの最適化にも貢献します。

仮設水処理プラントで対応可能な排水処理
仮設水処理プラントは、下水処理場や食品・繊維工場、発電所などでの排水処理にも対応可能。処理後の水は既設設備へ返送するほか、河川放流が可能な水質にまで浄化した実績もあります。短期間での設置・運用ができるため、設備改修やトラブル時のバックアップにも最適です。

産業用水処理にも対応
食品や繊維工場、発電所といった産業分野でも、仮設水処理プラントは既設設備と同等の処理能力を発揮。水質基準に応じた処理の実績もあり、増産時や緊急対応にも柔軟に対応します。処理の最適化により、コスト削減や環境負荷の低減にもつながります。
水処理の再利用でコスト削減と効率化
工場や工事現場で発生する汚水や泥水は、外部に委託して処理すると高額な輸送費・産廃費用がかかることがあります。
仮設水処理プラントを導入すれば、現場で水質を基準まで改善して放流可能に。処理した水を冷却水や洗浄水として再利用することで、水道代や取水コストの削減にもつながります。
「コスト削減」「環境配慮」「作業効率向上」——この3つを実現できるのが、セイスイ工業の水処理です。
連続処理で、施工のスピードと効率が格段に向上
従来は水を沈殿槽に貯めて沈降させる方法が一般的でしたが、処理時間がかかり作業効率が落ちるという課題がありました。そこで、リアルタイムで処理を進められる「連続処理型」の仮設水処理プラントが注目されています。汚水・泥水を即時処理できるため、作業の停滞を防ぎ、土木工事や大規模な工場設備の現場でも高い施工性を実現。
結果として、工期短縮・人件費削減・作業効率の改善といった大きなメリットが得られます。
まとめ:水処理は生活と産業を支える重要な技術
水処理は、安全な飲料水の確保や環境保全、産業活動の維持に欠かせない技術です。水はそのままでは利用できないことが多く、浄水処理・排水処理・産業用水処理を通じて適切に管理されています。近年では、限りある水資源を有効活用するための再利用技術も発展しています。
セイスイ工業は、仮設水処理プラントを活用し、既存設備の補完や緊急対応に貢献しています。排水処理では、既設設備と同等の処理を行い、河川放流の実績もあります。また、Habukiを活用し、BOD・CODを削減することで、浄水処理の一部を担うことも可能です。
次回は、水処理の「プロセス」に注目し、水がどのように浄化・再生されるのかを詳しく解説します。