港湾・ダムの浚渫で発生する大量の泥水を仮設処理|大規模排水処理システムがNETIS登録
~最大800m³/hの処理実績、廃棄物の削減と処分・運搬コストの低減を目指す~
セイスイ工業株式会社(本社:千葉県千葉市若葉区、代表取締役:井本 謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com)の「大規模排水処理システム」が、2026年10月29日付で国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されたことをお知らせします。登録番号は「KT-260042-A」です。

大規模な港湾や河川、ダムの浚渫工事では、水底の土砂を取り除く際に大量の泥水が発生します。処理する量が多いと、搬出先の確保や運搬・処分費用が工事計画の課題になります。
今回登録された「大規模排水処理システム」は、工事期間に合わせて現場に処理設備を設け、大量の泥水を連続的に処理し、水と固形物に分離する技術です。泥水を濃縮・脱水して搬出量を減らすことで、廃棄物の運搬・処分負担の軽減につなげます。
セイスイ工業では、これまでにも漁港の浚渫汚泥の現場処理や、ため池の汚泥処理にかかる作業時間の短縮など、現場条件に応じた仮設水処理に取り組んできました。
この記事の要点
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01
大量の泥水を現場で処理 浚渫で発生する泥水を、工事期間中に設置する仮設設備で水と固形物に分離し、運搬・処分する汚泥の量を減らします。
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漁港で産業廃棄物量を約16分の1に削減 1時間あたり800m³の泥水を処理し、産業廃棄物の搬出量と運搬・処分費用を削減しました。
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ため池で脱水時間と作業負担を削減 既存の浚渫機に処理設備を組み合わせ、脱水時間を短縮するとともに、必要な作業員数や設備台数を削減しました。
※処理能力や削減効果は個別の施工条件に基づく実績であり、すべての現場で同じ効果を保証するものではありません。
大量の泥水を現場で水と固形物に分ける仕組み
大規模排水処理システムは、浚渫などで発生する大量の泥水を処理するために、複数の設備を組み合わせた仮設水処理システムです。処理する水の量や水質、設置スペースなどの条件に応じて設備を選び、一連の処理を連続して行える点が特徴です。
例えば漁港の浚渫汚泥処理では、次の3段階で泥水を処理しました。
① 砂やゴミなどの除去
泥水に含まれる大きなゴミや砂分を、砂分除去機などで取り除き、次の工程で処理しやすい状態にします。
② 泥水の濃縮
凝集剤などを使って水中に分散した細かな粒子を集め、沈殿させることで泥水を濃縮します。
③ 遠心分離機による脱水
濃縮した泥水を遠心分離機で水と固形物に分離し、廃棄物として運搬・処分する量を減らします。
分離した水は、必要な水処理を行い、水質基準への適合を確認したうえで放流・再利用します。泥水をそのまま運び出すのではなく、現場で水と固形物に分けることで、廃棄物の搬出量と運搬・処分費用の負担軽減を図ります。
処理設備は常設せず、工事・復旧に必要な期間、現場に設置します。現場によっては、既存の設備と組み合わせて処理することもあり、港湾・河川・ため池などの浚渫工事をはじめ、土壌洗浄工事やトンネル工事、災害復旧工事など、さまざまな現場での活用が可能です。
これまでの大規模排水・汚泥処理の施工事例
セイスイ工業では、港湾・漁港やため池などの浚渫工事に加え、災害復旧に伴う排水処理にも対応してきました。
以下では、大量の浚渫汚泥を処理した漁港の事例、脱水工程を効率化したため池の事例、災害時に発生した含油排水を処理した水力発電ダムの事例を紹介します。
事例① 漁港の浚渫:1時間あたり800m³を処理し、産業廃棄物量を約16分の1に
漁港の浚渫工事では、発生する汚泥の量が多く、対応できる処理業者の確保が課題となっていました。また、バキューム車による場外搬出では運搬・処分費用が高額になるため、コストを抑えた処理方法が求められていました。
セイスイ工業は、砂やゴミの除去、泥水の濃縮、遠心分離機による脱水を行う仮設水処理プラントを現場に設置しました。1時間あたり800m³の泥水処理に対応し、約3カ月間の稼働で産業廃棄物量を約16分の1に減容しました。大量の浚渫汚泥を現場で処理し、廃棄物の搬出量と運搬・処分費用の削減につなげた事例です。
事例② ため池の浚渫:脱水時間を短縮し、作業員数と設備台数を削減
ため池にたまった放射性物質を含む汚泥の処理では、ろ布やフィルタープレスを使った脱水に時間がかかり、工期内に作業を終えるための人員や設置スペースの確保が課題となっていました。
そこで、お客様が用意した浚渫機に、砂分除去機と遠心分離機を組み合わせた仮設水処理プラントを導入しました。5トンの汚泥処理に3日かかっていた脱水工程を、1時間あたり1トンの処理ができる方法に変更。処理時間を短縮するとともに、必要な作業員数や設備台数、凝集剤の使用量を削減しました。分離した水は、お客様側の水処理装置でさらに処理しました。
既存の設備を活用しながら必要な処理設備を追加することで、脱水にかかる時間や作業負担を減らした事例です。
事例③ ダムの災害復旧:約10,000m³の含油排水を現場で処理
台風による河川の氾濫で水力発電ダムが浸水し、設備内に保管されていた潤滑油などが流出。約10,000m³の油を含む排水が発生し、処理先を確保できないことが課題となっていました。
セイスイ工業は、油分と固形物を凝集沈殿によって集め、遠心分離機で水と分離する2段階処理の仮設水処理プラントを導入しました。その結果、廃棄物量を約150分の1に減容し、処理水の99%以上を回収。必要な水処理を行ったうえで河川へ放流し、被災施設の復旧に貢献しました。大量の含油排水を現場で処理し、廃棄物量の削減と被災施設の早期復旧につなげた事例です。
NETIS登録情報
NETIS(New Technology Information System)は、国土交通省が運用する「新技術情報提供システム」です。民間企業などが開発した新技術を広く共有し、公共工事等での技術活用や、導入効果の検証・評価につなげることを目的としています。
| 技術名称 | 大規模排水処理システム |
|---|---|
| NETIS登録番号 | KT-260042-A |
| 登録年月日 | 2026年10月29日 |
| 開発会社 | セイスイ工業株式会社 |
| 技術区分 | システム |
| 主な適用分野 | 港湾・河川・ため池等の浚渫工事、 土壌洗浄工事、トンネル工事、 災害復旧工事 |
※今回の登録はNETIS申請情報(-A)としての掲載であり、事後評価は未実施です。
処理計画の検討に向けて
港湾や河川などの浚渫工事をはじめ、大量の泥水が発生する現場では、処理する水の量や泥の性状、工事期間、設置スペースなどによって適した設備構成が異なります。
仮設水処理では、必要な設備を現場条件に応じて組み合わせ、工事・復旧の期間に合わせて設置します。既存の水処理設備を活用しながら、一部の処理工程を追加する方法も検討できます。処理方法の検討にあたっては、発生する水や泥の量と汚れの種類、工事の時期と期間、設備を置ける場所、処理後の水と固形物の行き先などを確認することが重要です。
セイスイ工業では、こうした条件を踏まえ、必要な処理設備の選定から配置、運転方法まで、現場に適した仮設水処理システムをご提案しています。大量の泥水処理や廃棄物の搬出量削減、工期に合わせた処理方法をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。


