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水処理コラム

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水処理に関する用語

PFASを含む排水の処理方法と対策技術ー現場で使える実例も紹介

PFAS排水処理

近年、環境や人体への影響が懸念されているPFAS(有機フッ素化合物)は、水や油をはじく性質からさまざまな製品に使われてきましたが、排水中に含まれると分解されにくく、処理が非常に困難です。

本記事では、PFASを含む排水をどのように処理すべきか、その基本的な方法や現場で実際に使われている対策技術を、具体的な実例とともにご紹介します。

PFASとは?排水処理が求められる理由

PFASとは、耐熱性・撥水性・耐薬品性に優れた性質を持つ有機フッ素化合物の総称で、多くの産業や製品に使用されてきました。

しかしその一方で、自然界で分解されにくく、排水を通じて環境や人体への影響が懸念されています。

ここでは、PFASの基本的な性質や用途、排水中に含まれることで生じる問題点について見ていきます。

PFAS(有機フッ素化合物)の特徴

PFASは、水や油をはじく性質や高い耐熱性・耐薬品性を持つことから、調理器具や防水製品など多くの製品に利用されてきた物質群です。構造が非常に安定しているため、環境中で分解されにくいのが大きな特徴です。

排水中に含まれるPFASが引き起こす環境・健康リスク

PFASは自然環境中で分解されにくく、水源や土壌に蓄積されることで、生態系や人体への悪影響が懸念されています。一部のPFASは発がん性や免疫系への影響も指摘されており、国内外で規制が進んでいます。

PFOS・PFOAの用途と問題点

PFOSやPFOAは、撥水加工された衣類や調理器具、消火剤などに幅広く使用されてきた代表的なPFASです。

しかし、長期的に環境や人体へ悪影響を及ぼすことが明らかになり、国内外で製造・使用が厳しく制限されています。

PFASを含む排水処理の難しさと技術的課題

PFASを含む排水の処理は、従来の方法では対応が難しく、今なお多くの現場で課題となっています。その理由は、PFASの構造的な特徴にあり、水中で分解されにくく、処理後も環境中に残留・蓄積しやすいためです。

ここでは、PFASがなぜ一般的な処理技術で除去できないのか、その難しさの本質と技術的な課題について見ていきます。

なぜPFASは一般的な処理では除去できないのか?


PFASが除去しにくい最大の理由は、壊れにくい性質にあります。PFASの分子は炭素とフッ素が強く結びついたC–F結合でできており、自然界でもほとんど分解されません。

水に溶けやすく、ごく微量でも長く水や土に残るため、沈殿・ろ過・微生物分解などの一般的な排水処理だけでは取り除けず、処理には特別な技術が必要です。

フッ素化合物

分解されにくく、蓄積しやすいPFASの性質

永遠の化学物質

PFASは分解されにくいだけでなく、環境や生き物の体内に蓄積しやすい性質を持ちます。一度流れ出ると自然の力では分解されにくく、長期間残留。魚や人間の体にも少しずつ取り込まれ、排出されにくいため蓄積していきます。

このような特性から「永遠の化学物質」とも呼ばれ、微量でも排水や飲み水に含まれることが問題視され、世界中で対策が進められています。

PFAS処理技術の代表例と特徴

PFASを含む排水は一般的な処理では除去が難しく、専用の高度な技術が求められます。現在、現場や実証実験で使われている主な処理法には、活性炭吸着、膜処理、イオン交換、さらに熱や薬品による分解処理などがあります。ここでは、それぞれの技術の仕組みや特徴をわかりやすく紹介します。

  • 活性炭吸着法(GAC・PAC)
    PFASを活性炭に吸着させて除去する方法
    GAC(粒状)はろ過装置に、PAC(粉末)は水に混ぜて使用、導入しやすく実績も多いが、吸着性能が飽和すると交換が必要
  • 膜処理(ナノ濾過・逆浸透膜)
    微細な膜でPFASをこし取る物理的な方法
    ナノ濾過(NF)は一部PFASに、逆浸透膜(RO)は広範囲のPFASに対応、高精度だが、コストや設備管理が課題
  • イオン交換法
    PFASの電気的な性質を利用して、専用の樹脂に吸着させる方法
    樹脂は再生して再利用も可能だが、排水の成分によって処理効果が変動する
PFAS 処理技術

  • 熱分解・酸化分解技術
    高温や酸化剤を使ってPFASを分解・無害化する方法、処理後にPFASを残さないことが大きなメリットだが、大規模な設備が必要でコストも高め

現場対応で活用される仮設水処理の実例

セイスイ工業の仮設水処理プラントは、これまで原発由来を含む汚染土壌の洗浄・分級にも活用された実績があり、PFAS処理にも応用可能な技術を備えています。微細粒子の分級に対応し、廃棄物量を削減できるのが特長です。ここでは、実際の洗浄・分級事例をもとに、PFAS含有排水への活用可能性を紹介します。

まとめ:PFAS排水処理の課題と処理技術

PFASは自然界で分解されにくく、水や土壌に蓄積しやすいため、通常の排水処理では除去が難しい物質です。活性炭吸着や膜処理、イオン交換、分解処理などの専門技術が必要とされています。セイスイ工業では、これまでに汚染土壌の洗浄・分級などに対応してきた仮設水処理プラントの技術をベースに、PFASを含む排水処理への応用も可能です。PFAS含有排水でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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