セイスイ工業株式会社

水処理コラム

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脱水機

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機の比較

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機の比較

フィルタープレスデカンタ型遠心分離機は、水処理技術の中でも重要な役割を果たす二つの機器で、産業排水や汚染された水の浄化において広く利用されています。セイスイ工業では、仮設水処理プラントにデカンタ型遠心分離機を採用し、効率的な汚泥処理を実現しています。前回の記事では、フィルタープレスの基本的な特徴デカンタ型遠心分離機の基本的な特徴について解説しましたが、今回はフィルタープレスとデカンタ型遠心分離機を比較し、それぞれの長所や短所、性能やコスト、環境への影響など、多角的な観点から分析していきます。これにより、各技術の適用範囲や選択基準について理解を深めていきます。

処理能力と処理速度

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機には、処理能力と処理速度に大きな違いがあります。これは、両者が異なる技術と運用方法を使用しているためです。

フィルタープレスは固形物の除去に優れており、大量の汚泥を効率的に脱水して固液分離を行います。しかし、フィルターが目詰まりするため、洗浄や脱水ケーキの剥離工程が必要となり、処理には時間がかかります。また、有機汚泥を処理することはできず、無機汚泥のみの処理に適しています。さらに、デカンタ型遠心分離機と比較して同一処理量あたりの設置面積が大きくなる傾向があります。

一方、デカンタ型遠心分離機は、迅速に設置・稼働できるのが特徴で、緊急時や短期間の施工現場で活躍します。コンパクトなサイズのものもあるため設置場所が限定されません。また、汚泥量や汚泥の種類に合わせて複数台使用する場合もあり、その場で連続的に汚泥を処理することが可能です。これにより、短時間で様々な種類の大量汚泥を処理することができます。

用途や状況に応じて最適な水処理機器を選択することが重要です。長期的に高効率な汚泥処理を目指す場合はフィルタープレスが適していますが、臨時対応や設置が容易な装置が必要な場合にはデカンタ型遠心分離機が有効です。

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機の比較

水質改善効果の違い

水質改善

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機の水質改善には、大きな違いがあります。

フィルタープレスは固形分の除去に優れた装置であり、特に産業廃水からの固体と液体の分離において高い効率を発揮します。ただし、化学的な汚染物質や微細な粒子の除去には限界があります。また、無機汚泥を処理することは可能ですが、有機汚泥の処理には適していません。

これに対し、デカンタ型遠心分離機は様々な水処理機器と組みあわせて使用することで、汚染物質を効果的に除去することができます。例えば、予備処理、ろ過、吸着、化学処理などの工程を通じて、広範囲にわたる汚染物質を効果的に除去できます。

このように、水質改善効果を最大限に追求するためには、処理対象の汚染物質特性と水質目標に応じて適切な水処理機器を選定することが重要となります。

運転管理の難易度、設置面積

フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機の運転管理の難易度や設置に必要な面積は異なります。各プラントは構造や作業フローが異なるため、その管理の複雑さや物理的なスペースの必要性も変わります。

フィルタープレスは定期的にフィルターの清掃や交換が必要となりますが、操作は比較的簡単で、メンテナンスが容易です。シンプルな構造をしており、必要な操作や日常のメンテナンスが容易に行えるため、専門的な知識がなくても扱いやすいです。また、フィルタープレスは一般的に大型で、固定場所が必要です。

一方で、デカンタ型遠心分離機は、セイスイ工業の場合、セイスイ工業にて機械整備、プラント設置から利用方法のレクチャーまでを行い、貸し出します。実際の操作は、現場にて皆さんに操作していただきます。そのため、比較的簡易なメンテナンスで済み、緊急時にもセイスイ工業の担当が対応するため安心して利用することができます。また、デカンタ型遠心分離機の多くは運搬可能な設計をされており、狭小なスペースにも設置が可能です。これにより、小規模な工事現場や応急処置が必要な状況でも対応可能で、迅速に設置や移動ができます。

コスト面での比較分析

コスト 比較

初期投資費用の違い

フィルタープレスの初期投資費用は、装置の規模や性能によって大きく変わりますが、一般的に高額になる傾向があります。高圧に耐える構造や精密な部品が必要なため、製造コストが高くなるためです。また、レンタルする場合でも、長期の利用を想定しての金額設定の場合が多く、比較的高額になりがちです。

一方で、デカンタ型遠心分離機はレンタル時にも比較的低コストで導入できるため、小規模なプロジェクトや一時的な利用に適しています。セイスイ工業が提供するデカンタ型遠心分離機は、短期間での設置が可能なレンタル機器のため、初期投資を抑えながらも十分な水処理性能を発揮します。

そのため、プロジェクトの規模や予算に応じて、フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機のどちらを選ぶかを慎重に判断することが重要です。大規模で長期的なプロジェクトには、高性能で耐久性のあるフィルタープレスが適している一方で、予算が限られている場合や短期的な使用が前提の場合、セイスイ工業が提供するデカンタ型遠心分離機がより適した選択となります。

運転・維持管理コストの比較

フィルタープレスは長期で利用することが想定されているため、その分メンテナンスや運転にかかるコストが高くなります。たとえば、フィルタープレスのメンテナンスには定期的な部品交換や専門技術者の手配が必要です。このため、年間の維持管理費用が高額になる傾向があります。さらに、故障時には特定の部品を交換するために高額な技術料や部品代がかかることが少なくありません。

一方、セイスイ工業が提供するデカンタ型遠心分離機は、運転や維持にかかる費用が比較的低いです。プラントの作業方法も、セイスイ工業の担当から指示を受けることができ、特別な技術者を雇う必要がなく、一般的な作業員でも対応可能です。また、故障が発生してもセイスイ工業でメンテナンスして貸し出しを行っているため、コストも低く抑えることができます。したがって、セイスイ工業が提供するデカンタ型遠心分離機はフィルタープレスに比べて維持管理コストが抑えられるため、経済的な選択肢となります。

このように、フィルタープレスはその高度な機械設備およびメンテナンス要件からくる高コストが大きな特徴ですが、デカンタ型遠心分離機はセイスイ工業で機械のメンテナンスを行い、それを一時的に利用するため、低コストとなります。運転・維持管理コストの面ではデカンタ型遠心分離機の方がフィルタープレスよりも経済的です。

いかがでしたでしょうか?「フィルタープレスとは?特徴と他方式との比較」「デカンタ型遠心分離機とは?基礎原理と特徴」に引き続き、フィルタープレスとデカンタ型遠心分離機を比較してみてきました。このように、それぞれのメリットデメリットを把握して、実際の処理に適用するにはどちらが適しているのか、参考にしてみてください。

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