セイスイ工業株式会社

水処理コラム

COLUMN

水処理に関する用語

規制強化でも失敗しないCOD処理とは?ー凝集沈殿・活性炭・生物処理・仮設水処理を比較

COD処理

工場や下水処理場の排水管理において、COD(化学的酸素要求量)の基準は年々厳しくなっています。現在進行中の第9次水質総量規制や自治体独自の上乗せ基準により、「これまで問題なかった処理方法では基準を超えてしまう」というケースも増えています。違反が発覚すれば罰則や操業停止に直結し、取引先からの信頼を失うリスクも避けられません。

では、CODを安定して削減するためには、どの処理方法を選べばよいのでしょうか。本記事では、一般的な凝集沈殿処理・活性炭吸着・生物処理に加え、緊急時や負荷増大時に有効な仮設水処理を比較し、それぞれの特徴と導入メリットをわかりやすく解説します。

COD処理の基本

排水処理において「CODをどう減らすか」は、企業や自治体にとって最も重要な課題のひとつです。ここでは、まずCODの意味と、なぜ処理が必要なのかを整理します。

CODとは?なぜ排水で重要なのか

COD


COD(化学的酸素要求量)は、水に含まれる汚れ(有機物など)を化学的に分解する際に必要な酸素の量を示す指標です。数値が高いほど「水が汚れている」ことを意味します。

工場排水や下水処理場で重視されるのは、短時間で水質を評価できるからです。河川や湖、湾の環境を守るためにも、CODの管理は欠かせません。

COD処理の必要性(規制・事業リスク・環境影響)

近年、水質汚濁防止法の改正や水質総量規制の継続的な強化自治体の上乗せ基準によって、COD規制は一層厳しくなっています。これまで問題なかった排水でも、追加の処理が必要になるケースが増えています。

もし基準を超えて排水すれば、罰則や操業停止といったリスクに直結します。さらに、取引先からの信用失墜や地域環境への悪影響にもつながります。逆に、適切なCOD処理を行えば、法令遵守と環境保全を両立でき、企業の信頼性や持続可能な経営にもプラスになります。

COD処理の代表的な方法

排水のCODを下げる方法はいくつもあります。代表的な4つの手法について、その仕組みやメリット・デメリットを整理してみましょう。

凝集沈殿処理

凝集剤(ポリ塩化アルミニウムや硫酸鉄など)を加えると、水中の微細な有機物やSS(浮遊物質)がくっつき合い、大きなフロック(粒)を形成します。これを沈殿槽で沈めて除去するのが凝集沈殿処理です。


  • メリット:短時間で処理でき、即効性が高い。導入コストも比較的安価で、既存の施設に後付けすることも容易。
  • デメリット:薬剤費がランニングコストとなるほか、大量のスラッジ(汚泥)が発生し、その処理・処分が必要。
凝集

活性炭吸着

活性炭は表面に無数の細孔を持ち、そこに有機物を吸着させます。特に「難分解性COD」の処理に強みを発揮します。


  • メリット:処理性能が高く、安定して効果が得られる。BOD処理では分解できない成分にも対応できる。
  • デメリット:活性炭自体の交換や廃棄にコストがかかり、長期運用ではランニングコストが高くなりがち。
45_活性炭処理

生物処理(活性汚泥法・MBRなど)

曝気槽に微生物を培養し、有機物を分解させる方法です。古くから使われる活性汚泥法のほか、膜分離を組み合わせたMBR(膜分離活性汚泥法)など高度処理技術も普及しています。


  • メリット:ランニングコストが低く、長期的に安定稼働が可能。環境にやさしい持続可能な処理方法。
  • デメリット:水質や気温に左右されやすく、処理安定に時間がかかる。運転管理には専門知識が必要。突発的な負荷増大には弱い。
14_生物処理技術

仮設水処理

一方、上記の常設処理とは異なり、災害・事故・設備更新・能力不足といった緊急時に有効なのが仮設水処理です。セイスイ工業が提供するプラントは、現場に短期間で搬入し、既存設備の処理を一時的に代替できます。

  • メリット
    ・最短数日で現場に導入可能
    ・既存設備を止めず並行稼働できるため、生産や処理を継続できる
    ・必要な期間だけ利用でき、柔軟に対応可能
    ・災害時や突発的な排水増加でも即応できる
  • デメリット:常設利用にはコスト課題があるが、短期・中期の補完には最適
仮設水処理

セイスイ工業では、下水処理場の更新時や、水没事故による緊急対応、食品工場の増産対応などで仮設水処理プラントを活用し、排水処理を止めることなくCOD削減と安定稼働を実現しています。

COD処理方法の比較

CODを下げる方法はいくつもありますが、それぞれに強みと弱みがあります。ここでは「導入スピード」「コスト」「処理性能」「緊急対応力」の4つの視点で整理しました。

処理方法

導入スピード

コスト

処理性能

緊急対応力

凝集沈殿

早い

薬剤費が必要

中~高

活性炭吸着

中程度

高い(交換費用)

高い

生物処理

時間が必要

ランニング低め

安定・持続

×

仮設水処理

非常に早い

利用期間で変動

中~高

ケース別おすすめシーン

  • 短期対策
    突発的な排水増加や一時的な基準超過 → 凝集沈殿・仮設水処理
  • 長期安定
    継続的な操業や既存設備の基盤強化 → 生物処理
  • 高精度・追加処理
    難分解性CODや高水準の排水基準クリア → 活性炭吸着
  • 災害・緊急対応
    設備停止や事故・災害で処理が困難なとき → 仮設水処理

特に、災害時やメンテナンス時でも「事業を止めない」ためには、仮設水処理が他の方法にはない即応力を発揮します。

セイスイ工業の事例紹介

セイスイ工業では、現場ごとの課題に応じて仮設水処理プラントを柔軟に導入し、コスト削減と事業継続を両立しています。ここでは2つの事例をご紹介します。

設備更新中の下水処理場で代替処理

食品工場の増産対応

まとめ:規制強化でも失敗しないCOD処理を選ぶには

排水のCOD管理は、環境保全だけでなく、企業の信頼や事業継続に直結する重要課題です。

凝集沈殿・活性炭・生物処理といった従来手法にはそれぞれの強みがありますが、災害や突発的な排水増加など「想定外の事態」には即応できないケースもあります。

セイスイ工業の仮設水処理プラントは、そうした緊急時や能力不足に柔軟に対応できる実績を持ち、既存設備を止めることなく安定したCOD削減を可能にします。

規制強化の流れが進む今こそ、自社に合った処理方法を見直し、「長期安定」と「緊急対応力」を両立することが不可欠です。

「設備更新中でも処理を止めたくない」「増産で排水が増えて困っている」などのお悩みがあれば、ぜひセイスイ工業へご相談ください。

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