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水処理コラム

COLUMN

凝集沈殿

凝集がうまくいかない…そんな時こそ「凝集助剤」!汚泥処理・排水処理の効果が変わる使い方とは?

凝集助剤

「フロックが小さくて沈まない」「脱水がうまくいかない」――

そんな凝集処理のトラブルに頭を悩ませたことはありませんか?

実は、そんな時に効果を発揮するのが“凝集助剤”です。主薬となる凝集剤(高分子凝集剤や無機凝集剤)だけでは対応しきれないケースでも、凝集助剤を上手に使うことで、フロック形成の安定化や脱水効率の改善など、目に見える効果が得られます。

この記事では、凝集助剤の基本的な役割や種類、導入するメリットをわかりやすく解説。現場でよくある「うまくいかない」ケースに対して、どう活用すれば改善できるのかも具体的にご紹介します。

凝集助剤とは?

凝集助剤とは、主薬として使用される高分子凝集剤や無機凝集剤の働きを補助し、凝集の効果を高める薬剤です。単独ではフロック形成が不十分な場合や、水質の変化により凝集反応が不安定な場合に使われ、フロックの成長促進、沈降性の向上、処理水の安定化などに貢献します。凝結や凝集といった反応を安定化させることで、処理の効率が大きく改善されます。

「凝集剤=主役」とすれば、「凝集助剤=名脇役」。決して目立つ存在ではありませんが、処理効率に大きな違いを生むことがあります。

凝集助剤

凝集助剤の種類とそれぞれの特徴

凝集助剤には、無機系や有機系(高分子系)などさまざまな種類があり、それぞれ特性と用途が異なります。無機系はアルミニウムや鉄を主成分とし、コスト面に優れ扱いやすいのが特長です。一方、有機系は分子鎖の架橋作用で大きく安定したフロックを形成し、脱水効率の向上に効果的です。

また、天然鉱物系は、重金属や油分の吸着に優れ、環境負荷を抑えた処理が可能です。

処理対象の水質(pHやSS濃度など)や設備に応じて適切な助剤を選び、現場でのジャーテストなどによる適合確認が重要です。

無機系凝集助剤

  • ポリ塩化アルミニウム(PAC)
    無機系の代表格で、安定した凝集性能を持ち、低温下でも効果を発揮、処理コストも比較的安価で、沈降性の良いフロックを形成
  • 天然鉱物系(Minelcoなど)
    CaOやMgOなどの鉱物成分を含み、重金属や油分などを吸着。自然由来で環境負荷が少なく、幅広い汚染物質に対応可能

有機系凝集助剤

  • 高分子補助剤(ノニオン系など)
    主剤の橋架けを補助し、フロックを安定化、分子鎖によって大きなフロックを形成しやすくなる
    液体タイプと粉末タイプがあり、現場の取り扱い性や保存条件に応じて選択
  • 凝集促進剤(EC-100など)
    主剤との相乗効果でフロック形成を加速し、特に難処理性排水や低温環境で有効

凝集助剤が効果を発揮する具体的な場面

凝集助剤は、フロックの成長や沈降を補助することで、主剤だけでは不十分な処理をサポートする役割を担います。さらに吸着性資材と組み合わせれば、重金属や油分など難処理物質の除去にも対応可能です。以下では、実際の現場でよく見られる課題と、それに対して凝集助剤がどのように効果を発揮するかを紹介します。

  • フロックが小さく崩れやすいとき:高分子凝集剤だけでは結合力が弱く、フロック形成が不安定な場合に助剤を併用
  • 微細粒子が沈降しにくいとき:凝集助剤が粒子間の引力を高め、沈降性を向上させるとともに、固液分離(液分離)の効率も改善
  • 水質の変動が大きいとき:pH変動や負荷変動が激しい現場で処理の安定化に貢献
  • 重金属や油分を含む排水:天然鉱物系や吸着剤と組み合わせ、汚染物質の選択的除去が可能
凝集剤場面

凝集助剤の使い方と注意点

添加のタイミングと手順

凝集助剤の添加タイミングは、その種類や目的により異なります。一般的には主剤の前段階で投入され、粒子表面の性質を整えることで、主剤の効果を最大限に引き出します。一方、凝集促進剤のように、主剤と同時あるいは後に添加することで相乗効果を高めるケースもあります。

撹拌と混合条件

撹拌は凝集反応において重要な工程ですが、過剰になると形成されたフロックが壊れてしまう原因になります。特にMinelcoなどの鉱物系凝集助剤は、比較的短時間の撹拌でもしっかりと吸着が行えるため、強い攪拌を避け、軽めに混合することで十分な効果が得られます。

投入とモニタリング

ジャーテストなどの事前試験で適正な添加量を確認し、過剰投与を避けることが大切です。また、凝集効率はpHや水温といった処理条件によっても変動するため、処理の安定性を保つには継続的なモニタリングが欠かせません。

セイスイ工業での実際の改善事例・導入の効果

湾港部における処理水対策(PAC+高分子凝集剤の併用)

重金属を含む排水への対応(凝集剤+吸着材の組み合わせ)

狭小現場での排水処理(省スペース設置+仮設対応)

まとめ:凝集助剤で“もう一歩上”の処理へ

凝集助剤は、単なる補助ではなく、処理の安定性や効率を高める実力派の薬剤です。排水や汚泥処理の品質向上、コスト削減、環境負荷の軽減にも貢献します。

処理トラブルや性能に伸び悩む現場では、主剤の見直しと併せて凝集助剤を導入することで、大きな改善が期待できます。凝集沈殿などの基本処理から高度処理まで、薬剤選定と運用がカギを握ります。

セイスイ工業でも、現場ごとの水質や課題に応じて凝集助剤を活用した実績があり、処理の安定化に貢献しています。水処理に関するご相談があれば、お気軽にご連絡ください。


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