活性汚泥法をわかりやすく解説!仕組み・工程・用語・メリットまで一気に理解
「活性汚泥法って、結局なにをしているの?」
この疑問は、水処理に関わる人なら一度は必ずつまずくポイントです。
結論から言うと、活性汚泥法とは「微生物に汚れを食べてもらい、その微生物を沈めて水と分ける」排水処理方法です。
この記事では、全体の流れ→各工程の意味→用語→メリット・注意点までを、図解イメージで一気につなげて解説します。読み終えるころには、図を見なくても処理フローを説明できる、「返送汚泥」「余剰汚泥」が混ざらない、上司・取引先・レポートで困らない、そんな状態になるはずです。
👉 この記事でわかること
- 活性汚泥法の仕組みを「一言+流れ」でわかりやすく理解できる
- 処理フロー・用語(曝気・返送汚泥・余剰汚泥・BOD等)が整理できる
- 活性汚泥法が向いているケースと、短期間でBODを下げる実例がわかる
目次
活性汚泥法とは?一言でわかる本質
活性汚泥法とは、排水中の有機物(汚れ)を微生物に分解させ、その微生物を沈殿させて水と分離する排水処理方法です。
難しそうに聞こえますが、やっていることはとてもシンプルで、「微生物に汚れを食べてもらい、増えた微生物ごと取り除く」という仕組みです。
この考え方を押さえるだけで、後の工程や専門用語が一気につながります。
微生物が主役の処理方法

活性汚泥法では、薬品やフィルターが主役ではありません。主役は目に見えない微生物です。排水に含まれる有機物は、微生物にとってのエサになります。微生物はそれを取り込みながら増殖し、結果として水中の汚れが減っていきます。
空気を与えて分解を進める

多くの活性汚泥法では、酸素を使って活動する微生物が働いています。そのため、処理槽では空気を送り込み、微生物が活発に動ける環境をつくります。この「空気を与える工程」があることで、有機物は効率よく分解され、水質が大きく改善されます。
増えた微生物を沈めて分離する

汚れを食べた微生物は増え、かたまり(フロック)になります。このフロックは水より重いため、流れを止めると底に沈みます。 こうして、上澄み(きれいになった水)、底部(汚れを取り込んだ微生物・汚泥)に分けることで、処理が完了します。
全体像を先に掴む:活性汚泥法の処理フロー
活性汚泥法は、排水をきれいにするまでの流れが明確に決まっている処理方法です。基本となる流れは、次の5つのステップで構成されています。全体像を先に押さえておくことで、「なぜこの工程が必要なのか」「どこでトラブルが起きやすいのか」が理解しやすくなります。
①流入・前処理|大きな異物を取り除く
排水はまず処理施設に流入します。この段階では、スクリーンや沈砂設備などを使い、ゴミ・砂・繊維くずといった大きな異物を除去します。
ここでの目的は、水をきれいにすることではなく、後段の設備(曝気槽やポンプ)を守ることです。

②曝気槽(ばっきそう)|微生物が汚れを食べる中心工程

曝気槽は、活性汚泥法の中核となる工程です。この槽の中では、次のことが同時に行われています。
- 排水に空気を送り込む
- 微生物が酸素を使って有機物を分解する
- 微生物同士が集まり、フロック(かたまり)をつくる
このとき働いている微生物の集団そのものを、「活性汚泥」と呼びます。つまり活性汚泥法とは、曝気槽で微生物を育て、汚れを食べさせる処理です。
③最終沈殿池|水と汚泥を分ける
曝気槽で処理された水は、次に最終沈殿池へ送られます。ここでは水の流れをゆっくりにし、自然に沈殿させます。すると、重くなった活性汚泥は底に沈み、上部には透明度の高い処理水が残る状態になります。
この工程によって、「きれいになった水」と「汚れを取り込んだ微生物」を分離できます。

④返送汚泥|微生物を曝気槽へ戻す

沈殿池の底にたまった汚泥の大部分は曝気槽へ戻されます。これが「返送汚泥」です。返送汚泥の役割は、微生物の量を維持する、処理能力を安定させることです。
そのもととなる微生物の「種菌」を戻して、処理を続けます。返送が不足すると、微生物が減り、処理性能が一気に低下します。
⑤余剰汚泥|増えすぎた分を引き抜く
なぜ汚れが減る?微生物の働きを超シンプルに解説
排水の汚れ(有機物)は、微生物にとってのエサです。活性汚泥法では、この性質を利用して汚れを除去しています。流れはとても単純です。
- 有機物→微生物が食べる
- 食べた分→微生物が増える
- 増えた微生物→かたまり(フロック)になって沈む
つまり、汚れを「微生物の体」に変えて、沈めて取り除く、これが活性汚泥法の正体です。水から汚れそのものを直接取り除くのではなく、汚れを別の形(汚泥)に変換して分離する点が最大の特徴です。
よく出る用語をここで整理(超入門)
ここで最低限押さえておきたい用語だけ整理します。
👉 ポイント
- BODが下がる=微生物がしっかり汚れを分解できている
- CODも下がる場合が多いが、BODほど直接的ではない
ここで混乱しやすい!返送汚泥と余剰汚泥の違い
結論から言うと、同じ汚泥でも役割が真逆です。
返送汚泥は、沈殿池で分離された汚泥のうち、曝気槽へ戻すものです。目的は、微生物の量を保ち、処理能力を維持すること。イメージとしては、微生物の“種”を戻している状態です。
一方、余剰汚泥は、増えすぎた微生物を系外へ出すもの。汚泥を引き抜かないと、濃くなりすぎて処理が不安定になります。
- 返送汚泥=戻すための汚泥
- 余剰汚泥=捨てるための汚泥

活性汚泥法のメリット・デメリット
活性汚泥法の強みは、処理水質を高いレベルで安定させやすい点です。実績が非常に多く、運転条件を調整することで幅広い排水に対応できます。
一方で、運転管理が欠かせないという弱点もあります。微生物を使うため、放置すると性能が落ち、処理の結果として必ず汚泥が発生します。活性汚泥法は「放置型」ではなく「育てる処理」だと考えると理解しやすいです。
活性汚泥法が向いているケース
- 水質をしっかり下げたい
- 日常的な管理ができる
- 実績のある処理方法を選びたい
この条件に当てはまる場合、活性汚泥法は非常に有力な選択肢になります。
よくあるトラブルの入口を知っておこう
症状 | まず疑うこと |
|---|---|
泡立つ | 空気過多・微生物バランスの乱れ |
沈まない | バルキング(膨化)・過負荷 |
臭う | 酸素不足(DO低下) |
※断定せず、「原因を絞るヒント」として使ってください。
【事例紹介】仮設でもBODを大幅削減
活性汚泥法というと、「立ち上げに時間がかかる」「安定まで待たされる」というイメージを持たれです。
しかし、セイスイ工業の事例では、活性汚泥の立ち上げ期間の短縮、迅速設置を実現することで、短期間でもBODを大きく削減できたケースがあります。
たとえば、セイスイ工業では、既設設備では対応できない、短期間でBODを下げる必要がある、恒久設備を入れる前のつなぎ対策をしたいといったケースに対し、仮設水処理プラントを用いて、短期間でBODを大幅に削減した実績があります。
具体的には、
- 仮設設備を用いた迅速な設置対応
- 既存条件(水質・水量)に合わせた初期汚泥・運転条件の最適化
- 立ち上げ初期から処理が効く状態を作る運転ノウハウ
により、「活性汚泥は時間がかかる」という弱点をカバーしています。そのため、急な排水基準強化への対応、トラブル復旧までの暫定対策、恒久設備導入までのつなぎ処理といった場面でも、立ち上げ待ちのロスを抑えながら水質改善を実現できます。
理解度チェック!説明できればOK
- 活性汚泥法を説明できる
- 処理フローを順番に説明できる
- 返送汚泥と余剰汚泥の違いが言える
これができれば、基礎理解は完了です。
まとめ:活性汚泥法は「微生物をうまく働かせる仕組み」
活性汚泥法の本質は、次の通りです。
- 微生物+曝気+沈殿+循環で成り立つ処理方法
- 汚れは微生物の体に変わって除去される
- フローで理解すれば、用語やトラブルも整理できる
もし現場や設備で、「うちの場合はどうなの?」「今の処理で本当に足りている?」と感じたら、条件を整理したうえでセイスイ工業までご相談ください。最適な解決策をご提案致します。







