水の都ベネチアの下水道事情とは?セイスイスタッフが見た優雅な景観の秘密
「水の都」として世界中から愛されるベネチア。その美しい運河に秘められた下水道の仕組みをご存じですか?一般的な都市のような下水道管がないにもかかわらず、あの美しさと清潔さを保っているのはなぜなのでしょう。今回、セイスイスタッフが実際にベネチアを訪れ、その独特なシステムを目の当たりにしてきました。
実際の風景や体験を交えながら、ベネチアならではの下水道事情の秘密に迫ります!あなたも一緒に「水と都市の調和」を探る旅に出かけませんか?
生活排水はあの有名な運河に流している!?運河と共存するベネチアの下水道の秘密
ベネチアはイタリア北東部のラグーンに浮かぶ118の小島から成り立っています。それぞれの島は運河や橋で結ばれており、都市全体が潮の満ち引きの影響を強く受ける特殊な地形を持っています。この地形に適応するため、下水道システムも独自の進化を遂げました。
一般的な都市とは異なり、ベネチアには地中深く掘られた近代的な下水道管が存在しません。代わりに、ベネチアの古くからの下水システムは以下の要素を基盤としています。
- 建物の基礎構造:建物の下に設けられた排水口が、下水を直接運河に流す仕組みになっています。
- 自然の浄化作用:運河の潮流と満ち引きが、排水を自然に拡散し浄化する役割を果たします。
- 雨水利用:雨水と生活排水が一緒に流されることで、水の流動性が高まり、運河内の水質が一定に保たれています。
排水管①
排水管②
排水管③
排水管④
排水溝 蓋
雨どい
観光地ベネチアが選んだ持続可能な下水処理!環境保護のために進化するベネチアの下水処理と水質を守る取り組み
伝統的には、建物からの排水は直接運河に放流されていましたが、近年、環境保護の観点から、現在では以下のような取り組みが進められています。
- 浄化槽の設置義務:ホテル、レストラン、美術館、病院、オフィスなどの全ての事業者には、浄化槽の設置が義務付けられています。これにより、排水を浄化してから運河に放流する仕組みが整えられています。
- 観光客増加への対応:観光客の増加に伴い、運河の水質悪化が懸念されています。そのため、ベネチア市は観光公害の解消に向けた取り組みを進めています。
セイスイスタッフが見た「水の都」ベネチアの運河
「水の都」として有名なこの街、運河を見てきた感想を一言で言うなら…まさに優雅そのもの!本当に生活排水が流れているの?と思うほどでした。
運河沿いを歩いていると、建物の下には排水溝がしっかりと整備されていて、「あ、ここを通って排水が流れているんだな」と感じる場面もありました。でも、運河の水は見た目がきれいで匂いもほとんど気にならないんです。潮の満ち引きがうまく利用されているのでしょうか?それとも浄化槽などの工夫が効いているのかもしれません。どちらにしても、あの美しい景観を見ていると、自然と都市機能のバランスが絶妙なんだなと感心してしまいました。
運河に向かって伸びる排水溝①
運河に向かって伸びる排水溝②
運河のそばを行き交うゴンドラや建物の歴史的な趣も、街全体の雰囲気をさらに魅力的にしてくれて、思わず時間を忘れるほどでした。そんな中で、「どうやってこの環境が保たれているんだろう?」という視点で見ると、私たちが日々取り組んでいる水処理の分野と通じるものが多いなと感じることも。
ベネチアのように、環境に優しく、かつ効率的な仕組みをどう作るか。そのヒントを運河から学べた気がします。この体験を通じて、セイスイ工業としても、新たな発想やシステムづくりに役立てていけたらと思います。
水と共に生きる街、ベネチア。その奥深さを少しでもお伝えできたら嬉しいです!
ゴンドラ