セイスイ工業株式会社

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第5回「どうなれば大成功ですか?」セイスイの水処理提案の秘密

いつも水や土と格闘しているセイスイ工業社員。その毎日を現場の厳しさそのままのハードボイルド・タッチでまとめました。この記事は外部取材チームが現場担当者に取材して作成したものです。第5回は「あなたにとっての大成功とは?」がテーマです。

どうなれば大成功ですか?

あなたの会社では「5000万円の仕事を300万円にして大成功」と言えるだろうか?きっと、大失敗と言われるのが落ちだろう。だがセイスイ工業ではそれを讃える理念がある。今日はその実例を挙げてみることにする。

時は某年某月某日の月曜日、朝一番に電話で「来てほしい」と連絡があった。行先は地方都市の某工場だ。私は新幹線に飛び乗った。前日の日曜日、工場火災があり、停電して操業が停止。復旧には10日かかると見込まれた。その工場の施設管理担当者からの連絡であった。

到着すると巨大な工場はひっそりとしていた。人影はまばらだ。この工場では生産工程から時間当たり1,000m3、1日にすると数千m3の排水が発生する。排水は通常、膜処理や化学処理によって汚濁が取り除かれ、残滓を沈殿させて、浄化水を河川に放水する。担当者は私を構内に案内して言った。

「ここに貯留しています」

巨大な水の貯留槽は、かつて首都圏にあった“流れるプール”のようだ。流れは止まっていたが、浄化水は綺麗だ。水面には生産設備が「逆さ富士」のように静かに映っていた。担当者は言った。

「1万数千トンから2万トン近くあります」

溜まっているのは数日分だ。1週間もしないうちに水は腐り出し、降雨があれば水は溢れ、側溝から地域に流れて環境汚染につながりかねない。だが電源の復旧が早期に見込めない。そこで発電機付きの仮設水処理設備を導入したいという。担当者は言った。

「できるだけ早く、1時間当たり100トンか200トンの水処理ができる仮設設備を入れてほしい」

私はこの貯留槽でその機能であれば、排水には10日かかると見積もった。しかし、果たしてそれがお客様にとっての正解なのだろうか。私は担当者に問いかけた。

「どうなればお客様は大成功だとみなしますか?」

面食らったのは担当者だ。大成功とは何なのか?一体この男は何を言っているのか?と顔に書いてあった。

提案が本質的なものになる瞬間

面食らっている担当者に私はたたみかけた。

「この水が腐る前に放流できれば、お客様は大成功だと言えるのではないのでしょうか?」

途端に担当者は膝を打った。

「それはそうだ!まったく気づかなかったよ!私は機械を稼働させることばかり考えていました」

お客様は、電気がない、設備が停止して水が流せない、代替設備を入れなければならない −−− という思考のトラップにハマっていた。だが必要なのは機械の稼働ではなく「問題の解決」である。人は往々にして問題の表面しか見ないものだ。

例えば、ある現場に処理すべき水があるとする。顧客には次の3つの選択肢がある。

  • A工法:バキューム排水
  • B工法:既存設備の増強や改良
  • C工法:セイスイ工業に依頼

このときC工法への期待は何か?お客様は我々の設備を使いたいわけではない。AでもなくBでもないことを期待しているのだ。

その解決策は、既にお客様自身が示していたり、口にしているものだ。だから耳を澄ませて聞けばいい。目を開いて見ればいいのだ。ここではプールのような綺麗な浄化水がそれであったように、お客様の望む「大成功」が分かれば、提案は本質的なものになる。

この工場では排水の貯留槽から放流地点までは400mの距離があった。よって、両地点をつなげばいい。

「400m分のホース、ポンプ、発電機を用意しましょう」

火曜日に準備出荷の段取りを終え、水曜日の午後に資材到着、夜を徹しての設置作業で木曜日の朝、無事に放流ができた。念のため、直径6インチのホースを400m分即日調達できるのは、日本広しと言えども我々セイスイ工業しかないだろう。

自社の大成功とは何か?

本契約の顛末も語っておこう。仮設排水設備のレンタルなら売上は5000万円だったはずが、ホースのレンタルで300万円となった。10分の1以下だ。その結果を私が大成功だと言うと、営業担当はポカンとした顔をした。そこで私は次のように説明した。

「お客様の望む大成功とは何ですか?」の質問の裏には、徹底した顧客視点がある。

第一に「顧客の真の目標を考える」。設備ではなく解決思考を持つことだ。第二に「顧客メリットから考える」。当社の設備やメニューを優先せず、顧客の最適な解決策を示す。第三に「顧客の担当者の評価ポイントから考える」。早期の工場稼働か、設備の増強なのか、排水をなくすことなのか。担当者が高く評価するということは、経営的メリットも最大になるということなのだ。

お客様が大成功すれば、「セイスイに頼めば何とかなる」と、次も呼んでくださる。同時に、それが我々自身の顧客志向を成長させる。それはセイスイ工業の経営理念「日本一の仮設水処理技術で地球環境に貢献する」を極めることだ。つまり、我々にとってこそ大成功じゃないか。だからお客様にとっての大成功について尋ねるのは、自社に対しても同じ問いを発していることになる。

「どうなれば大成功ですか?」

この問いに答えられることが大成功への道なのである。

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