セイスイ工業株式会社

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第3回「水処理のマインドマップを描いて」

いつも水や土と格闘しているセイスイ工業社員。その毎日を、現場の厳しさそのままのハードボイルド・タッチでまとめました。この記事は外部取材チームが現場担当者に取材して作成したものです。第3回のテーマは、セイスイ工業の水処理の可能性について模索した“マインドマップ=心の地図”です。

私はある民間企業の工場の汚泥処理施設で、消化槽に沈殿した汚泥除去作業をしていた。バキューム車による抜き取り運搬にすると、1㎥あたり3万円かかるため、4000㎥の処理に1億2000万円の費用がかかることになる。セイスイ工業は、処理プラントを現場に持ち込み、4000㎥を現場で処理する。汚泥は濃度が濃すぎると移動させることさえ難しい。この4000㎥も元々は2000㎥の汚泥を二倍希釈して扱いやすくしたものだ。最終的に処分が必要な残った汚泥は元の5分の1、砂もゴミも数分の1まで減容して、費用はバキューム車による運搬の約半分の6300万円で可能だ。お客様に見積もりを提出するとその場でゴーサインをもらえた。

声を大にして言いたいのだが、「バキューム車で運ばなくても処理は現場でできる!」のだ。だがそう思い至る担当者はまだ少ない。いかにこの事実を多くの人に知ってもらえるだろうか。

施設の事務室で湯を沸かし、パイプ椅子に腰かけた。白い紙に、ペンで真ん中に「セイスイの仕事」と書いて、丸でくくった。コストダウンができて、安全で環境にも優しい、セイスイのこれからの仕事の可能性について考えてみようと思った。

水処理の仕事は公共と民間のものに二分できる。民間の「水処理」ニーズは「設備更新」と「コスト削減」、いずれも汚泥処理だ。共に重要なので赤丸で囲んだ。民間では、製鉄、化学、食品…水を使う工場はどれも対象となる。

コーヒーを入れようとデミタスカップにごく少量の湯を注ぎ、コーヒーの粉をスプーンでかき混ぜた。粉は黒いペースト状になり、原油貯蔵タンクのある光景を思い出させた。そうだ、巨大な汚泥処理ニーズが石油業界にもある。

貯蔵タンクの底に溜まる「スラッジ」は、原油中に浮遊する水、土砂、鉄錆などが沈降し、石油に含まれるワックスがゲル化して黒い塊となったものだ。硬さによって冷蔵庫に入れた「ピーナツバター」程度のものから「マヨネーズ」ほどのものまで様々ある。このスラッジの処理が非常に厄介で石油業界の関係者が頭を抱える問題なのだ。

石油業界のタンククリーニングにセイスイの技術を

あまり知られていないことだが、全国には「国家備蓄基地」10箇所と民間企業借り上げの「民間備蓄基地」のタンクがあり、合算すると1000基近くある。それもドでかい。

例えば、鹿児島県のJX喜入原油貯蔵基地には直径80〜100mの10〜16万キロリットルのタンク50基以上がずらりと並ぶ。息を飲む規模だ。あまりにも巨大なので、人は蟻にすら匹敵しない。タンクには巨大な“落とし蓋”があり、原油の増減につれて上下する。貯蔵が減るとタンクの底にスラッジが見えてくる。スラッジが1m堆積していると、10万キロリットル級タンクなら約5000キロリットル、タンカー1隻分に相当する。その大量さゆえに処理方法が難問になる。


そして、そのタンクは8年に一度、消防法による立会で定期検査をすることが義務付けられている。3〜4ヶ月をかけて内部を清掃する。クリーニングは作業員が落とし蓋のハッチから内部に降りて、スラッジをはぎとるのだが、非常に危険である。他に原油で原油を洗う作業法もある。しかし、この方法では回収したスラッジの処理に多額の産廃処理費が発生する。そのため産廃処理をせず、ただ隣のタンクへ移すことも多い。

セイスイ工業が開発した新しいクリーニング法は、危険が少なく、コストが安く、環境にもやさしい。それは、タンク内に温水を入れてスラッジを溶かし、ポンプで吸い上げて遠心分離機に送水することで、ゴミを除去、油は回収、水は放流するという方法だ。減容したスラッジのみ産廃処理するので、大幅なコスト削減となる。また、遠心分離機は防爆型なので、安全性が高い。タンククリーニングで頭を悩ませている石油業界の人々にぜひ提案したい。

セイスイ=清い水でお客様に貢献したい

さらにペンを走らせた。公共ではNETISの取得増、上水道や下水道では……と追加していくと、一枚の“マインドマップ”のようになった。これは日本の水処理マップでもある。

様々な可能性があることが見えてきた。だが、ただ単に仕事を広げたいわけではない。汚泥はそのままでは汚泥だが、分離すれば水と土、および廃棄物に分けられ、前者は再利用が可能だ。バキューム車で運ぶコストもエネルギーも節約でき、環境にも優しい。セイスイにしかできない提案をしたい。お客様が喜ぶ新しい提案をしていきたい。我々にしかできない仕事ができるのが楽しい。それを表したのがこの水処理の「マインドマップ=心の地図」だ。

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