ご相談内容
製油所内の最終放流池に含油汚泥が1,800㎥堆積していて、これ以上汚泥が増え続けると放流水の水質が悪化してしまうので困っている。
効 果
台船によるポンプ浚渫と仮設含油汚泥減容化プラントを稼動させることにより、油を含んだ汚泥も問題なく処理し、そのまま廃棄してしまう方法に比べ、廃棄物の量を1,800㎥から300㎥までと1/6にまで減容化できました。また、堆積した汚泥を除去したことにより、放流水が増加した際も放流基準を維持しながら放流できるようになりました。

※脱水ケーキ(分離された固形物)の含水率は土質により変わります。含水率が高い程、廃棄物量も増えてきます。

ご提案内容
今回の汚泥処理は、最終放流池(ガードベースン)に溜まった含油汚泥です。工場は稼働しているので常時排水が流れてくる為、水を抜かずに台船によるポンプ浚渫と仮設脱水減容化プラントでの処理をご提案しました。
まず、最終放流池に台船を浮かべ、ポンプを汚泥が溜まっているところまで沈めてから汚泥を送水します。汚泥は池全体にありますので、台船を少しずつ移動させてはポンプで汚泥を除去していきます。送られてきた汚泥は、汚泥貯留槽に溜めてから一次処理として脱水機(遠心分離機)に送り、水と固形物に分離します。分離された一次処理水に油が混ざる事も想定し、二次処理では凝集剤を使い油分を完全に取り除いた後、最終放流池に戻していきます。
製油所排水処理システムについて
概要
製油所内の水処理設備改修時や更新時をはじめ、長年の水処理により堆積してしまった含油汚泥、何らかの原因でその排水や汚泥に油や有害物、有機物が含まれていた時など、その排水や汚泥を短時間で水と固形物に分離し、廃棄物の総量削減、有害物の不溶化、経済性、施工性の向上など、従来には無かった画期的な工法です。
従来技術との比較
従来工法では、排水や汚泥の処理量が多い場合、バキュームカーでの場外運搬が困難だったり産廃費用が高額になる問題や、高濃度汚泥や有機汚泥、汚泥に含まれる粒子が非常に小さい場合や油を含んでいる場合には、フィルター等を用いる脱水機では処理が不十分になるなどの問題がありました。
弊社の仮設汚泥減容化プラントは、脱水機(遠心分離機)などを使用することで、工場の生産ラインを止める事もなくその場で24時間連続運転で処理する事も可能であり、油、有害物、有機物を含む排水や汚泥、急激に増加してしまった汚泥の減容化など幅広く対応できます。
また、汚泥を固体と液体に分離することで、発生汚泥の大幅な減容化が出来るため処理量が多くなるほど産廃費用の削減につながります。
汚泥減容化について
バキューム処理とのメリット・デメリット比較

- 処理量が少ない場合 → バキューム処理
- 処理量が多い場合 → 仮設含油汚泥減容化システム
(バキューム処理量が300㎥以上だとメリットを出せる可能性大!)
「有機汚泥」を脱水機(遠心分離機)によって脱水する利点
今までバキューム車等により廃棄されていた汚泥には、放流出来る水分が含まれており、脱水する事により今まで廃棄されていた水分を固形物と分離する事で、廃棄物量を減らす事が可能です。


※減容化率はSS濃度と含水率により変わります。

「無機汚泥」を脱水機(遠心分離機)によって脱水する利点
今までバキューム車等により廃棄されていた汚泥には、放流出来る水分が含まれており、脱水する事により今まで廃棄されていた水分を固形物と分離する事で、廃棄物量を減らす事が可能です。


※減容化率はSS濃度と含水率により変わります。



セイスイ工業では、処理実施までのご提案資料作成・現地確認・薬品テストなどを無料で行っております。
お客様が納得できる処理方法をご提案するため、全国各地訪問させていただきます。
■プラントフロー図

現場内の限られたスペースに機材を設置するため、配置はセイスイ工業で提案させて頂いております。(写真1)

最終放流池に台船を浮かべポンプで溜まっている汚泥を取り除いていきます。(写真2)
送られてきた汚泥を汚泥貯留槽に溜めていきます。汚泥の平均濃度は1%でした。(写真3)


一次処理で汚泥貯留槽に送水されてきた汚泥は、時間当たり15㎥を脱水機(遠心分離機)で水と固形物に分離していきます。(写真4)
脱水ケーキ(分離された固形物)の含水率は78%でした。(写真5)


二次処理では 一次処理水に油分を含んでいた場合に、凝集剤で油分を取り除きます。沈殿した油を含んだ固形物は汚泥貯留槽へ戻し再び脱水処理をします。(写真6)
脱水機(遠心分離機)で分離された二次処理水は、最終放流池へ戻していきます。 (写真7)


水処理参考事例
タンク内の含油汚泥減容化処理
1.処理の目的
製油所内の浮き屋根式タンクの点検の際に、底部に堆積した含油汚泥を脱水減容化する事を目的とする。
2.脱水機(遠心分離機)の特徴
- バキューム処理と比較して大幅に産廃費用を削減できる。
- 処理量が多い汚泥でも短期間で連続的に処理できる。
- 他の脱水機と比較して短期間・省スペースでの設置が可能。
3.処理プラントの概要
- 処理条件 汚泥総量14,000㎥ 原水濃度10%
- 処理能力 30㎥/h
- 工事期間 1.5ヵ月(24時間/日稼働)
4.効果
汚泥量14,000㎥から2,800㎥まで脱水減容化でき、タンク内を空にする事ができました。
![]() 現場全景 |
![]() 脱水機(遠心分離機) HS-500MW×3台 |
![]() 油分吸着材添加状況 |
![]() 脱水ケーキ(含水率52%) |
![]() 原水状況(濃度10%) |
![]() 処理水(分離された水)状況 |
最終放流池の含油汚泥減容化処理
1.処理の目的
製油所内の最終放流池に堆積した汚泥が、放流水の増加で巻き上がり放流水質が悪化する為、その汚泥を浚渫し除去することを目的とする。
2.脱水機(遠心分離機)の特徴
- 堆積した汚泥を除去する事で、放流水が増加した際も放流基準を維持し放流できる
- 処理量が多い汚泥でも短期間で連続的に処理できる。
- 処理量が多い汚泥でも短期間で連続的に処理できる。
3.処理プラントの概要
- 処理条件 汚泥総量10,000㎥を3,000㎥まで濃縮
- 処理能力 10㎥/h(汚泥の濃度、性状により変動あり)
- 工事期間 1.5ヵ月(8時間/日稼働)
4.効果
最終放流池に堆積した汚泥を全て取り除き、汚泥量10,000㎥から175㎥まで減容化した事で、水質も良くなり廃棄物量の削減もできました。
![]() 最終放流池浚渫状況 |
![]() 脱水機(遠心分離機) HS-500MW |
![]() 原水(濃度3.5%) |
![]() 脱水ケーキ(含水率70%)/処理水(分離された水) |
曝気槽の含油汚泥減容化処理
1.処理の目的
既設脱水機の更新期間中に代替え処理を行うことを目的とする。
2.脱水機(遠心分離機)の特徴
- 既設水処理設備と同等の処理ができる。
- 処理量が多い汚泥でも短期間で連続的に処理できる。
- 既設設備を稼働しながら汚泥を減容化できる。
3.処理プラントの概要
- 処理条件 汚泥総量1500㎥ 原水濃度1.3%
- 処理能力 5㎥/h(汚泥の濃度、性状により変動あり)
- 工事期間 2ヵ月(8時間/日稼働)
4.効果
工場を稼働させながら問題なく処理を行う事ができました。汚泥量1500㎥から80㎥まで減容化した事で廃棄物量の削減もできました。
![]() 脱水機(遠心分離機) MW-4 |
![]() 自動薬品溶解装置 |
![]() 原水(濃度1.3%) |
![]() 脱水ケーキ(含水率76%)/処理水(分離された水) |
スラップ排水汚泥減容化処理
1.処理の目的
製油所内の最終放流池に堆積した汚泥が、放流水の増加で巻き上がり放流水質が悪化する為、その汚泥を浚渫し除去することを目的とする。
2.脱水機(遠心分離機)の特徴
- 堆積した汚泥を除去する事で、既設水処理設備の負荷を軽減できる。
- 処理量が多い汚泥でも短期間で連続的に処理できる。
- 既設設備を稼働しながら汚泥を減容化できる。
3.処理プラントの概要
- 処理条件 汚泥総量10000㎥ 原水濃度1%
- 処理能力 15㎥/h(汚泥の濃度、性状により変動あり)
- 工事期間 3ヵ月(8時間/日稼働)
4.効果
最終放流池の堆積汚泥を取り除き、汚泥量10,000㎥から350㎥まで減容化した事で、水質も良くなり廃棄物量の削減もできました。
![]() 脱水機(遠心分離機) HS-500MW |
![]() 自動薬品溶解装置 |
![]() 原水(濃度1%) |
![]() 脱水ケーキ(含水率70%)/処理水(分離された水) |