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水処理コラム

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水処理に関する用語

PFAS処理のコストはどれくらい?装置導入から運用までの費用を解説

PFAS処理コスト

PFAS(有機フッ素化合物)の処理が、いまや水処理の現場で喫緊の課題となっています。法規制や社会的関心の高まりにより、対応が急がれる一方で、「いったいいくらかかるのか?」という費用面の不透明さに悩む担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、PFAS処理にかかる初期導入費用から、日々の運用・メンテナンスコストまでをわかりやすく解説。さらに、代表的な処理技術ごとのコスト比較や、コストを抑えるためのポイントも紹介します。

「最適な処理方法を、予算内で導入したい」、そんな現場の声に応える、実務目線のコストガイドです。

PFAS処理がなぜコスト高になるのか

PFAS(有機フッ素化合物)は「永遠の化学物質」とも呼ばれるほど分解されにくい性質を持っています。そのため、従来の排水処理で用いられる微生物処理や薬剤処理ではほとんど効果がありません。この難分解性こそが、PFAS処理に高コストがかかる最大の要因です。

PFASの除去には、活性炭吸着、膜処理、イオン交換樹脂、熱分解・酸分解が効果的です。そんな処理方法の中、コストを押し上げる要因として見落とされがちなのが以下のポイントです。


  • 廃棄処理コスト:PFASを吸着した活性炭や膜は、法的に「特別管理産業廃棄物」とされるケースもあり、処分費が高額
  • 前処理の必要性:他の不純物をあらかじめ除去しないと、PFAS除去効率が低下し、別途ろ過や分級工程が必要になる
  • 定期メンテナンスや監視運転:フィルターの目詰まりや吸着材の飽和状態を見極めるには、モニタリングや技術的知識が必要で、人的・時間的コストが発生
PFASP処理がコスト高になる理由

このように、PFAS処理は装置導入費だけでなく、運用・管理・廃棄までを含めた「総合コスト」が高いのが実情です。正確な見積と運用設計を行うためには、全体構造を理解したうえでの判断が不可欠です。

処理方式別 代表的な技術とコスト比較

処理方式

初期費用

ランニングコスト

廃棄処理の手間

備考

活性炭吸着

中~高

中(再生 or 廃棄)

実績豊富、応急対応にも◎

膜処理(RO/NF)

高(濃縮液処理)

高除去率、ランニング負担大

イオン交換樹脂

中~高

除去性能◎、選定が重要

熱分解・酸化分解

非常に高

低(無害化)

実証段階・高負荷設備向き

コスト最適化のポイント

PFAS処理は高度な技術を要する分、導入や運用のコストが課題になりがちです。ただし、装置選定や運用設計を工夫することで、コストを抑えつつ効果的な処理が可能になります。ここでは、主な最適化の視点を3つにまとめてご紹介します。

処理対象の把握と設計の工夫

    設計

    まず、排水のPFAS濃度・水量・処理期間などの条件を正確に把握することが重要です。無駄なスペックの装置を選ぶと初期投資や維持費が過剰になります。また、油分や懸濁物質を除く前処理や、濃縮液への後処理を組み合わせることで、処理効率が向上し、結果的にコスト削減につながります。

装置の選定と導入方法の工夫

    選定

    小規模・一時的な処理には、可搬型や仮設型の装置を活用することで、初期コストを大きく抑えることができます。レンタルやカスタム設計にも対応可能な装置であれば、必要な期間だけ効率的に運用できる点もメリットです。

維持費・運用管理の見直し

    コスト見直し

    活性炭やイオン交換樹脂などの交換材の選定と運用管理も、コスト最適化の鍵です。材質や交換頻度を把握し、必要なタイミングで交換できるよう濃度監視などの体制を整えることが求められます。また、将来的な規制強化に備えた導入スケールの見直しも重要です。

現場対応に優れたメーカー・導入事例

PFAS処理に対応する各メーカーは、それぞれ得意分野や装置の特性に応じた対策を展開しており、コスト面でもメリットを持つ製品が増えています。以下に、現場対応力と費用対効果の両面で注目される代表的な企業をご紹介します。

  • Calgon Carbon(米国)
    粒状活性炭(GAC)による吸着技術に特化。大規模処理向けに安定した性能を発揮し、交換設計の最適化で長期コストを抑制できます。
  • 栗田工業(日本)
    PFAS除去に対応した家庭用・業務用浄水器を展開、PFASフリー部材も推進しており、継続使用によるコスト削減にも配慮されています。
  • セイスイ工業
    可搬型・仮設型の水処理システムにより、短期・スポット対応が可能。設備導入の柔軟性が高く、無駄な初期投資を回避できるのが特長です。

今後の法規制・技術動向にも備える

PFASに関する規制は世界的に強化されつつあり、米国EPAではPFOS・PFOAの最大濃度基準が大幅に引き下げられる動きも見られます。日本でも同様の厳格化が進む可能性が高く、将来的な対応コストの増加が懸念されています。そのため、現時点での対策としては、以下のような段階的な取り組みが有効です。

  • 小規模な試験運用仮設装置の導入から始め、設備投資リスクを抑える
  • 処理対象水PFAS濃度に応じた技術選定を行い、将来の規制強化にも対応できる柔軟な設計を選ぶ

今後を見据えた「今できる備え」が、中長期的なコスト最適化にもつながります。

まとめ:PFAS処理の費用を抑えるために、今できること

PFAS処理は、単に装置を導入すれば終わりではなく、前処理から運用・廃棄までを見据えた総合的なコスト設計が欠かせません。活性炭・膜・イオン交換などの技術ごとに特性や費用感が異なるため、処理対象の水質に応じた的確な選定と運用の工夫がコスト最適化のカギとなります。

さらに、可搬型・仮設型など柔軟な導入方法の活用や、実績あるメーカーとの連携により、初期費用や維持費を抑えながら、確実な対策を実現できます。

将来の法規制強化を見据え、「今できる備え」から着実にスタートすることが、結果的に中長期のコストメリットにもつながります。PFAS対策は、総合力と判断力が求められる時代に入っています。

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