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下水はどうやってきれいになる?有明水再生センター見学で学んだ水インフラの裏側

家の中で、一番汚い水はどこから出ると思いますか?多くの人は「トイレ」と答えるかもしれません。

しかし実は、下水処理の世界では、台所から出る水のほうが汚れが多いこともあるそうです。食べ残し、油、調味料――毎日何気なく流している水には、たくさんの汚れが含まれています。

では、その水はどこへ行き、どうやってきれいになっているのでしょうか。今回、有明水再生センターを見学し、家庭や街から集まった下水が、約1日で魚が住めるほどきれいな水になる仕組みを学んできました。普段は見えない、“水の裏側の旅”をご紹介します。

有明水再生センター外観

有明水再生センターとは?

有明水再生センターは、有明・お台場エリアにある下水処理施設です。家庭や街から流れてきた下水を処理し、きれいな水にして川や海へ戻す役割を担っています。施設には、下水道の仕組みや水環境について学べる「虹の下水道館」も併設されています。

建物のデザインも印象的でした。水再生センターの上部は宇宙船がモチーフになっており、「水のある珍しい星=地球を宇宙人が見つけて降り立った」という設定があるそうです。

下水処理施設というと無機質なイメージがありますが、こうした遊び心のあるデザインも面白く感じました。

また、施設の上部空間にはスポーツ施設もあり、下水処理施設が地域の中で有効活用されている点も印象に残りました。

宇宙船モチーフ

東京の下水道を支える大きなネットワーク

見学で驚いたことのひとつが、東京の下水道ネットワークの大きさです。東京23区には、約16,000kmもの下水道管が張り巡らされています。これは、東京からシドニーを往復するほどの距離だそうです。普段歩いている道路の下に、それほど長い下水道管が広がっていると考えると、とても驚きです。

東京の下水道を支える大きなネットワーク

下水道は、家庭や学校、会社などから出る水を集め、水再生センターへ運ぶための重要なインフラです。下水道管、ポンプ所、水再生センターが連携することで、都市の水環境は守られています。また、下水道には汚水を流すだけでなく、雨水を処理する役割もあります。豪雨時には雨水を一時的にためる管路もあり、浸水被害を防ぐためにも下水道は重要な役割を果たしています。

下水処理は、単に「汚れた水をきれいにする」だけではなく、使った水を集め、処理し、再び自然へ戻すという水の循環の一部なのだと感じました。

下水はどうやってきれいになるのか?

有明水再生センターでは、下水がいくつもの工程を通ってきれいになります。

まず、家庭や街から流れてきた下水は、下水道管を通って水再生センターに集められます。

最初の工程である沈砂池では、大きなごみや砂を取り除きます。下水には水だけでなく、さまざまな異物が含まれているため、まずは処理の妨げになるものを取り除きます。

次に、第一沈殿池で細かいごみを沈めます。ここでは、下水を2〜3時間ほどかけてゆっくり流し、水の中に含まれる小さな汚れを底に沈めていきます。見学時に聞いた「動いているかわからないくらいゆっくり動かす」という説明が印象的でした。

処理工程

反応槽 微生物

その後、反応槽へ移ります。ここでは、活性汚泥と呼ばれる微生物の力を使って、水の中の汚れを分解します。1cm³の中に5,000〜20,000匹もの微生物がいるそうで、その微生物たちが汚れを食べることで水がきれいになっていきます。

さらに興味深かったのは、下水処理場によって活性汚泥に含まれる微生物の種類や数が異なるという点です。地域によって土壌の性質が違うように、流れてくる下水の性質や環境によって、活性汚泥の中にいる微生物にも違いが出るそうです。同じ「下水処理」でも、場所ごとに微生物の世界が少しずつ違うと知り、見えないところにも地域性があるのだと感じました。

反応槽では、空気を送り込んで水をかき混ぜ、微生物が活発に働ける環境をつくっています。また、東京湾の赤潮の原因にもなるリンや窒素を減らすため、高度処理を行う施設もあるそうです。

次に、第二沈殿池で活性汚泥を沈め、きれいになった上澄みの水を取り出します。沈んだ活性汚泥の一部は、再び反応槽へ戻して再利用されます。

最後に、上澄みの水を塩素消毒し、川や海へ放流します。処理された水は、ゆりかもめの洗浄水やトイレ用水などにも再利用されているそうです。

下水が水再生センターに届いてから約1日で、魚が住めるほどきれいな水になると聞き、下水処理の仕組みのすごさを実感しました。

再生水

第一沈殿池

第一沈殿池

反応槽

反応槽

第二沈殿池

第二沈殿池

見学して印象に残ったこと

今回の見学で特に印象に残ったのは、下水処理がさまざまな工夫の積み重ねで成り立っているということです。

たとえば、反応槽では微生物が大きな役割を担っています。水をきれいにしているのは、大きな機械だけではなく、目に見えないほど小さな微生物たちでもあります。

沈殿池の動きも印象的でした。ごみや汚れを沈めるために、水をとてもゆっくり動かしているそうです。速く処理すればよいというわけではなく、汚れをきちんと沈めるためには、時間をかけることも大切なのだと感じました。

また、処理された水でグッピーが飼育されていたことも印象に残りました。グッピーはきれいな水でないと生きることが難しい生き物だそうで、処理水のきれいさを実際に目で見ることができました。見学では特別に餌やり体験もさせていただき、下水がただ「きれいになった」と説明されるだけでなく、生き物が暮らせる水にまで再生されていることを実感しました。

におい対策にも工夫がされていました。沈砂池から反応槽までの工程では、においが外に漏れないように蓋がされ、活性炭なども活用されています。下水処理施設というと、においが強いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実際には周辺環境に配慮した対策が行われていました。

さらに、処理水や汚泥の再利用も印象的でした。きれいになった水は、トイレや公園、ゆりかもめの洗浄水などに再生水として使われています。また、下水処理の過程で発生する汚泥は、濃縮・脱水されたあと焼却され、その焼却灰は下水道管をつくるコンクリート材料として再利用されることもあるそうです。

下水処理は、水をきれいにするだけでなく、生き物が暮らせる水へ再生し、資源を循環させる仕組みでもあるのだと感じました。

処理場見学①

処理場見学①

処理場見学②

処理場見学②

処理場見学③

処理場見学③

処理水で飼育しているグッピー

処理水で飼育しているグッピー

餌やり

餌やり

水インフラを守り続けるために

今回の見学を通して、下水処理は私たちの生活に欠かせないインフラであることを改めて実感しました。

水道の蛇口をひねれば水が出ること、トイレや台所で使った水が流れていくこと。これらは当たり前のように感じますが、その裏側では、下水道管、ポンプ所、水再生センターなど、多くの施設が日々動き続けています。

一方で、下水道や水処理施設は老朽化、豪雨、災害、設備更新など、さまざまな課題にも直面しています。下水処理が止まると、生活環境や水環境に大きな影響が出る可能性があります。だからこそ、水処理を安定して続けること、そして必要なときに水処理を支える仕組みを整えておくことが重要です。

セイスイ工業では、排水・汚泥の仮設水処理を通じて、現場の状況に応じた水処理を行っています。設備の改修時、トラブル時、災害時など、水処理を止められない場面で、必要な処理を支えることも私たちの大切な役割です。

有明水再生センターの見学を通じて、普段は見えない場所で水インフラが支えられていること、そして水処理を止めずに守り続けることの大切さを改めて学ぶことができました。

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