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【事例31】導入事例-災害時排水処理システム

ご相談内容

台風で川が氾濫した影響で、水力発電ダムが外部、内部共に水没してしまい備蓄してあった潤滑油等の油が流出し、10,000㎥という膨大な含油排水が出てしまいどこにも流す事が出来ないので困っている。

効 果

仮設油分汚泥減容化プラントを稼動させることにより、油を含んだ排水を問題なく処理し、そのまま廃棄してしまう方法に比べ廃棄物量を大幅に減容化できました。
一次処理で含油排水に最適な凝集剤を使い固形物を濃縮する事で、二次処理の脱水機(遠心分離機)で効率よく水と固形物に分離する事が出来ました。
一方、処理水の回収率は99%以上と非常に不純物の少ない水になっており河川放流を行いました。
また、周辺地域が被災しているなかで一番最初に復旧出来たのはこちらの水力発電ダムでした。
仮設油分汚泥減容化プラントを導入したことにより、処理の難しい排水でも最小限のコストでスピーディに問題を解決させることができました。

※脱水ケーキ(分離された固形物)の含水率は性状により変わります。含水率が高い程、廃棄物量は増えます。

※バキュームカーの単価は30,000円/㎥(運搬処分費含む)で試算しています。

紹介動画

ご提案内容

10,000㎥という膨大な含油排水であり、固形物の濃度が2,000mg/Lと低かった為、二段階に分けて処理を行う方法をご提案しました。
まず、一次処理では含油排水用の凝集剤を使い排水に含まれる油と固形物を同時に凝集させ沈殿槽で濃縮します。二次処理では、油と一緒に濃縮された固形物を脱水機(遠心分離機)により水と固形物に分離します。脱水ケーキ(分離された固形物)は廃棄物として処分し、分離した水は水処理後に放流します。
処理能力は汚泥の性状や濃度により変わりますので過少設備や過剰設備にならないよう常に事前調査を綿密に行いお客様に最適な設備をご提案させて頂いております。

発電所排水処理システムについて

概要

水害が発生した現場において、被災して設備が使えなくなった場合や処理量が急激に増加して既設設備では処理が追い付かなくなった場合などをはじめ、その排水や汚泥に油や有害物、有機物が含まれていた時など、そのまま汚泥を短期間で水と固形物に分離し、廃棄物の総量削減、有害物の不溶化、経済性、施工性の向上など、従来には無かった画期的な工法です。災害時排水処理システムは、様々な排水に対応したプラントを組み合わせて一連の処理を連続して行えるようにシステム化した工法です。

従来技術との比較

近年増加傾向にある災害発生時に、設備が被災した時や急遽大量の汚泥が発生した時など、場内で効果的に処理を行う事が難しい場合もあり、従来工法では災害の影響でバキュームカーでの場外運搬が困難だったり、高濃度汚泥の場合に処理が追い付かない等の問題がありました。
弊社の災害時排⽔処理システムは、場内に仮設⽔処理プラントを設置し、脱水機(遠⼼分離機)などを使⽤することで、その 場で短期間に処理する事が可能になり、油、有害物、有機物を含む排⽔や汚泥、急激に増加してしまった汚泥の減 容化など幅広く対応できます。
現場に合わせた災害時排水処理システムを導入する事で、地方で大量の廃棄物の受け入れ先がなく復旧が進められない場合などに現地での処理が可能であり、被災施設、工場の機能停止期間を最小限にとどめます。

汚泥減容化について

バキューム処理とのメリット・デメリット比較

  • 処理量が少ない場合 →  バキューム処理 
  • 処理量が多い場合  →  汚泥減容化処理

(バキューム処理量が300㎥以上だとメリットを出せる可能性大!)


「有機汚泥」を脱水機(遠心分離機)によって脱水する利点

今までバキューム車等により廃棄されていた汚泥には、水分が含まれており、脱水する事により水と固形物に分離する事で廃棄物量を減らす事が可能です。

※減容化率はSS濃度と含水率により変わります。

「無機汚泥」を脱水機(遠心分離機)によって脱水する利点

今までバキューム車等により廃棄されていた汚泥には、水分が含まれており、脱水する事により水と固形物に分離する事で廃棄物量を減らす事が可能です。

※減容化率はSS濃度と含水率により変わります。


弊社では、処理実施までのご提案資料作成・現地確認・薬品テストなどを無料で行っております。
お客様が納得できる処理方法をご提案するため、全国各地訪問させていただきます。

■プラントフロー図

設備運転電力(三相200V) 150A×1セット

写真1 現場全景

災害により被災した水力発電ダム外観と周辺の状況。(写真2)(写真3)

水力発電ダム内部と設備の状況(写真4)(写真5)

一次処理では反応槽で含油排水を攪拌させ、処理に必要な凝集剤を添加しながら反応させます。(写真6)
含油排水に含まれる油、固形物と凝集剤が反応すると、フロック状態(水と固形物に分離した状態)になり固形物を沈殿槽で沈降させ濃縮していきます。きれいな上水は処理水槽へ流れていきます。(写真7)

二次処理では一次処理で濃縮された汚泥(含水率の高い固形物)を脱水機(遠心分離機)で1時間当たり約5㎥を水と固形物(脱水ケーキ)に分離しました。(写真8)(写真9)

脱水ケーキ(分離された固形物)の含水率は平均70%です。(写真10)
処理水(分離された水)はの99%以上は、水処理を行い河川放流できる水質を担保しました。(写真11)

仮設油分汚泥減容化プラントを導入したことにより、その場で処理の難しい含油排水でも二段階に分けて効率よく処理を行うことにより、最小限のコストでスピーディに問題解決をさせることができました。
仮設油分汚泥減容化プラントは、このような緊急時の新たな選択肢としてお考えいただけます。

水処理参考事例

1.処理の目的

水害により被災した施設の復旧や既設設備での処理が追い付かなくなった場合など既設設備と同等以上の代替え処理を行うことを目的とする。

2.処理の用途

  • 水害により堆積した汚泥や泥水処理。
  • 仮設処理プラントによる既設設備の処理能力増強。

3.処理の特徴

  1. 遠心力を利用する為、比重による固液分離が可能。
  2. バキューム処理と比較して大幅に廃棄物量を削減できる。
  3. 連続運転で処理する事が可能。
  4. 従来工法に比べ処理量が格段に多い。
  5. 他の脱水機と比較して、短期間・省スペースでの設置が可能。

4.処理の効果

  1. 従来工法では処理の難しい汚泥や高濃度の排水でも処理が可能であり処理能力が格段に優れている。
  2. バキューム費用と比較し大幅に産廃費用の削減が可能。
  3. 工場の生産ラインを止める事なく、24時間連続運転で処理する事が可能。
  4. 従来工法に比べ短期間で処理が可能。また、大規模処理にも対応可能。
  5. 組合せは自由自在で工場内のある程度の限られたスペースで設置が出来るため、工場の生産ラインに組込み既設脱水機と同様に処理が可能。

水力発電所水害復旧(油排水処理)

台風による川の氾濫で被災した建屋内に溜まった含油排水を仮設油分汚泥減容化プラントで処理を行いました。

  • 汚泥処理量               10,000㎥
  • 施工期間                        2ヵ月
  • 処理後廃棄物量                67㎥

水力発電所建屋内状況

仮設油分汚泥減容化プラント全景/
脱水機(遠心分離機)MW-4 設置状況

被災箇所洗浄状況

処理水状況/脱水ケーキ(分離された固形物)状況

浄水場水害復旧

大雨による水害で浄水場に大量の天日乾燥していた汚泥が流れ込み設備が使えなくなった為、堆積した汚泥を仮設汚泥減容化プラントで減容化を行いました。

  • 汚泥処理量                80,000㎥
  • 施工期間                       10ヵ月
  • 処理後廃棄物量            8,000㎥

脱水機(遠心分離機)設置状況 HS-600MW

原泥汲み上げ状況

処理水状況(濁度21ppm)

脱水ケーキ状況(含水率64%)

下水処理場災害復旧

災害で下水処理場の最終沈殿池が被災した為、既設設備が復旧するまでの期間を仮設汚泥減容化プラントで代替え処理を行いました。

  • 汚泥処理量    120,000㎥
  • 施工期間       10ヵ月
  • 処理後廃棄物量    6,000㎥

最終沈殿池被災状況1

最終沈殿池被災状況2

砂分除去機(サイクロン付き振動篩機)

シックナー(濃縮)

原水状況(濃度4%)

仮設汚泥減容化プラント設置状況

脱水機(遠心分離機) HS-550MW×2台

脱水ケーキ状況(含水率69%)

処理水状況(回収率98%)

第一沈殿池状況(上澄み放流)

水害で漁港にヘドロが堆積し漁船の通行に支障をきたした為、浚渫工事にて仮設汚泥減容化プラントで泥水処理と汚泥の減容化を行いました。(処理量800㎥/h)

  • 汚泥処理量        52,000㎥
  • 施工期間           3ヵ月
  • 処理後廃棄物量        3,100㎥

現場全景1

現場全景2

浚渫船

砂分除去機(サイクロン付き振動篩機)

分級砂

分級ゴミ

濃縮汚泥

脱水機(遠心分離機)設置状況
(HS-500MW7台、HS-600MW2台)

脱水ケーキ(含水率50%)

放流水(濁度10ppm)

固化設備

固化後仮置き場

下水処理場水害復旧

台風による水害で既設設備が被災した為、既設設備が復旧するまでの期間を仮設汚泥減容化プラントで代替え処理を行いました。

  • 処理量             250㎥/日(約31㎥/h×8h)
  • 処理後廃棄物量  16㎥/日(含水率75%)

仮設汚泥減容化プラント全景

原水(濃度16,000ppm)

砂分除去機(サイクロン付き振動篩機)
し渣除去機(ローターマット)

し渣/砂分

脱水機(遠心分離機) HS-600MW

処理水/脱水ケーキ(含水率75%)