豪雨対策の切り札!既存設備のつなぎ役・代替となる仮設水処理という選択肢
近年、激甚化する大雨や台風といった災害のたびに、天気予報を睨みつける現場のご担当者様も多いのではないでしょうか。
昨今では、外水氾濫(河川の氾濫)だけでなく、排水処理が追いつかずにマンホール等から水が溢れる内水氾濫による浸水や冠水のリスクも全国的に高まっています。家庭の浸水対策であれば、ホームセンターで土のうを購入したり、工事不要の簡易止水板を用意したりと、手軽な水害対策グッズで止水を試みることができます。
しかし、工場の建築物や水処理プラントの場合、そうした簡易的な物理防御だけでは設備を守りきれません。想定外の高濁度水が押し寄せるたび、フィルターは詰まり、沈殿池はパンク寸前に陥ります。根本的な解決として、大規模な浸水対策工事や設備の増強が頭をよぎるものの、莫大なコストと数年がかりの工期を考えると、なかなか稟議を通せないのが現実です。
そこで今回は、既存設備を大改修するのではなく、「つなぎ役・代替」として設備の手前に『仮設の前処理』を挿入するという、非常に柔軟で合理的な選択肢を紹介します。
本記事では、数々の現場を救ってきたセイスイ工業の知見をもとに、「前処理を足す」メリットから具体的な運転管理のポイントまで、わかりやすく解説します。
👉この記事でわかること
- 設備改修ではない、「仮設の前処理挿入」のメリットと効果
- 既存設備を守るユニット選びと、スムーズな立ち上げ・撤収のポイント
- フィルター・薬注管理からスラッジ対応まで、豪雨後を乗り切る運転管理術
- 緊急時の頼れるパートナー「セイスイ工業」の強みと活用法
目次
設備改修ではない、「仮設の前処理挿入」のメリットと効果
大雨のたびに設備が悲鳴を上げるなら、設備そのものを大きくすれば良いのでは?と思われがちですが、現実的には多くのハードルがあります。
既設設備の設計限界と「不明水」の脅威
そもそも、汚水処理とは、平常時の汚水(生活排水や産業排水)を処理するためのものです。しかし豪雨時には、大量の雨水や雨水排水が設備に流れ込みます。工場だけでなく、下水道やポンプ場を管理する自治体にとっても、雨水と汚水が合流する管渠はもちろん、分流式であっても管の破損箇所等から流れ込む侵入水の急増は大きな課題です。
これにより、平常時の数十倍に達する高濁度水が押し寄せ、既存設備の濁水処理能力の限界をあっさりと超えてしまいます。無理に処理しようとすれば、設備が物理的に破壊されるリスクが高まります。
圧倒的なコスト削減とスピード感
国土交通省や各自治体も雨水管理総合計画や雨天時浸入水対策計画(雨天時浸入水対策ガイドラインなど)を推進してはいますが、ハード面の浸水対策(国土交通省主導のインフラ整備など)が完了するまでには長い年月がかかります。
そこで有効なのが、「既存設備の手前に、厄介な汚れだけを落とす前処理工程を”仮設”で足す」という発想です。本設設備の改修には多額の投資が必要ですが、セイスイ工業の仮設水処理プラントであれば、汚水・汚泥に合わせてプラントを組み立て、必要な期間だけレンタルすることが可能です。最短3日で稼働した実績もあります。本丸へ濁流が到達する前に「防波堤」を作ることで、初期投資を抑えつつ直近の台風シーズンに間に合わせることができます。

既存設備を守るユニット選びと、スムーズな立ち上げ・撤収
では、実際に仮設水処理プラントを導入する場合、何をどう選び、どのように運用すればよいのでしょうか。豪雨や台風の際は、流入水の濁度上昇や処理水量の増加により、既設の水処理設備だけでは対応が難しくなることがあります。そのような場合に、必要な期間だけ処理能力を補える方法として、セイスイ工業の仮設水処理プラントが活用されています。
流入水に合わせた前処理ユニットの選び方とレイアウト
セイスイ工業の仮設水処理プラントは、駐車場の隅や既存設備の脇など、トラックが横付けできるような省スペースを活用して設置できます。ポンプ、タンク、薬注装置、脱水機などを組み合わせ、現場の水質や処理量、設置スペースに応じた仮設水処理ラインを構築できる点が特徴です。
仮設水処理プラントに使われる機器(一部紹介) | 得意な処理(役割) | どんな現場に向いているか |
スクリーン | 流木、落ち葉、大きなゴミの除去 | 取水口のゴミ詰まりが多い現場 |
デカンタ(遠心分離機) | 大量の土砂、微細な泥の高速分離 | 省スペースで、大量の泥水を処理したい現場 |
加圧浮上装置 | 軽い有機物、油分の分離 | 油・汚水処理や生活排水が混入しやすい現場 |
豪雨予報から立ち上げ・撤収までの運用フロー
セイスイ工業の仮設水処理プラントは、豪雨や台風などで一時的に濁水処理能力が不足する現場に、必要な期間だけ設置・運用できる水処理設備です。常設設備の増設が難しい場合でも、原水の状態や処理量、設置スペースに応じて、ポンプ・タンク・薬注装置・脱水機などを組み合わせた処理ラインを検討できます。
1. 事前準備:豪雨・台風予報時
豪雨や台風の接近が予想される段階で、取水口・排水経路・既設設備の処理能力を確認します。必要に応じて仮設水処理プラントを準備し、電源・配管・バルブ切替位置を確認します。濁水発生時にすぐ仮設ラインへ切り替えられるよう、事前に試運転しておくことが重要です。
2. 立ち上げ:濁度上昇時
取水口や流入水の濁度が上昇したら、既設ラインから仮設水処理プラントへ切り替えます。立ち上げ直後は処理量を絞り、土砂や濁質が適切に分離・処理できているかを確認します。処理水の状態を見ながら、段階的に流量を上げていきます。
3. 運転管理:豪雨対応中
運転中は、流入水の濁度、処理水の状態、薬品注入量、汚泥の発生量などを確認しながら処理条件を調整します。豪雨時は水質が変動しやすいため、必要に応じて薬注量や処理量を見直し、現場状況に合わせて運転条件を調整することが重要です。
4. 撤収・メンテナンス:平常時
豪雨が収まり、流入水の濁度が落ち着いたら通常ラインへ戻します。使用後は、槽内・配管・ポンプ・脱水機などに残った土砂や汚泥を洗浄し、必要なメンテナンスを行います。レンタル設備であれば、必要期間だけ使用して撤収できるため、常設設備を増設せずに豪雨時の処理負荷へ対応できます。
フィルター・薬注からスラッジ対応まで!豪雨後を乗り切る運転管理術
仮設で前処理をしたとはいえ、豪雨後は普段より水質が不安定です。二次被害を防ぎ、既存設備を守り抜くための運転管理の極意を解説します。
フィルターを守る「差圧監視」と「低負荷運転」
ろ材(水処理フィルターなど)の目詰まりを防ぐには、「差圧(入口と出口の圧力差)」の監視が不可欠です。「〇〇kPaに達したら危険」という限界ラインを設け、完全に詰まる前に早めの逆洗(きれいな水を逆流させて汚れを落とすこと)を行います。また、豪雨直後は処理スピードを通常の70〜80%に落とす「低負荷運転」を心がけることで、ダメージを大幅に軽減できます。

水質回復に合わせた「段階的な薬注チューニング」
水が濁っていると不安から凝集剤を多めに入れたくなりますが、薬の入れすぎは配管やフィルターを詰まらせる原因になります。天候が回復し川の濁りが収まってきたら、こまめにジャーテストを行い、薬の注入量を段階的に減らしていく必要があります。
見落としがちな「スラッジ急増」への対応と復旧後点検

濁水を処理すれば、その分だけスラッジ(泥)が大量に発生します。平常時の3〜5倍のスラッジが出るシナリオを想定し、水害シーズン前には産廃業者と「緊急時は回収頻度を増やせるか」といった事前協議を済ませておきましょう。事態が収束した後は、取水ポンプのストレーナーのゴミ詰まりや、沈殿池の過剰な土砂堆積がないかを必ず点検し、次の豪雨に備えます。
まとめ:設備を止めない「現実的な選択」を
自然の猛威は年々激しさを増しており、既存の設備だけで限界まで耐え忍ぶ運用は、いつか大きな操業停止トラブルを招きます。
- 大規模な設備改修(ハードの強化)ではなく、仮設水処理という「柔軟な防波堤」を挿入する。
- 水質変化に合わせた適切な運転管理と、出口の確保を行う。
これこそが、コストを抑えながら確実に設備を守るための選択肢です。
「うちの工場の空きスペースでも設置できる?」「過去に似たような濁水トラブルの解決事例はある?」など、少しでもご不安な点があれば、手遅れになる前にセイスイ工業へご相談ください。豊富な現場経験と確かな技術力で、あなたの現場の「つなぎ役」となる最適なプランをご提案いたします。
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