【点検義務化を前に、自治体下水道の"修繕ギャップ"が表面化】 自治体職員の7割超が「要修繕」判定後も着手できず・先送りを経験 意思決定で最も時間を要する工程は「仮設水処理(バイパス等)の検討」で43.5%
〜「見つける」仕組みに、「直す」体制が追いつくかが問われる〜
2025年1月28日に埼玉県八潮市で発生した、下水道管の破損に起因するとみられる道路陥没事故を受け、下水道管路の老朽化と予防的な修繕の重要性が改めて注目されています。国土交通省によれば、令和5年度末時点で全国の下水道管路は約50万km(都市下水路を除く)あり、標準耐用年数50年を超えた管路は約4万km(約7%)、20年後には約21万km(約42%)に増える見込みです。管路に起因する道路陥没は令和4年度に約2,600件発生しており(※1)、事故後は緊急点検や全国特別重点調査が進められています。一方で、使用料収入の減少、更新費の増加、技術職員の不足が重なり、把握した要対策箇所を計画的かつ速やかに修繕・更新することが課題となっています。
こうした状況を背景に、水処理・汚泥処理のエキスパートである、セイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本 謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com )は、全国の自治体で下水道事業に携わる職員108名を対象に、自治体下水道における点検と修繕のギャップ実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。
※1 国土交通省「上下水道:下水道の維持管理(ストックマネジメントの推進)」、同「令和5年度 下水道管路メンテナンス年報」 https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html

- 01|自治体職員の7割超が、「要修繕」と判定された後も修繕に着手できなかった・先送りした経験あり
- 02|点検義務化に向けた課題、「予算確保」(52.8%)と「人手不足」(50.9%)が上位に
- 03|意思決定プロセスで最も時間を要する工程、「仮設水処理(バイパス等)の検討」が43.5%で最多
調査概要
- 調査名称:自治体下水道における点検と修繕のギャップ実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2026年6月4日〜同年6月5日
- 有効回答:全国の自治体で下水道事業に携わる職員108名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
利用条件
1 情報の出典元として「セイスイ工業株式会社」の名前を明記してください。 2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。 URL:https://seisui-kk.com/
自治体職員の約7割が点検・予防修繕を「計画通り」「概ね計画通り」に進められている一方、2割超は遅れを認識
「Q1. あなたのお勤め先の自治体において、所管する下水道インフラ(管路・処理場等)の「点検・予防修繕」を計画通りに進められていますか。」(n=108)と質問したところ、「計画通りに進められている」が25.0%、「概ね計画通りに進められている」が44.4%という回答となりました。

- 計画通りに進められている:25.0%
- 概ね計画通りに進められている:44.4%
- やや計画通りに進められていない:13.0%
- 全く計画通りに進められていない:8.3%
- わからない/答えられない:9.3%
点検義務化を前にした三大障壁、自治体職員の課題は「予算確保」(52.8%)、「人手不足」(50.9%)、「優先順位付け」(48.1%)
「Q2. 点検義務化に伴い、今後「点検・予防修繕」を進める上で、課題に感じることを全て教えてください。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「予防保全のための予算確保が難しい」が52.8%、「点検や工事を監督する自治体職員(人手)が不足している」が50.9%、「陥没リスクの診断や、修繕の優先順位付けが難しい」が48.1%という回答となりました。

- 予防保全のための予算確保が難しい:52.8%
- 点検や工事を監督する自治体職員(人手)が不足している:50.9%
- 陥没リスクの診断や、修繕の優先順位付けが難しい:48.1%
- 点検・工事中の仮設水処理(バイパス等)の確保が難しい:28.7%
- 委託先となる調査会社や施工業者の確保が難しい:28.7%
- 住民への周知や、下水利用制限の調整が難しい:17.6%
- その他:0.0%
- 特に課題はない:0.0%
- わからない/答えられない:5.6%
半数以上の自治体職員が、点検・予防修繕の年間予算を「必要額の7割未満しか確保できていない」と回答
「Q3. あなたのお勤め先の自治体において、下水道インフラの点検・予防修繕に必要な「年間予算」は、現場として必要と考える額に対してどの程度確保できていますか。」(n=108)と質問したところ、「必要額の半分程度は確保できている(50%以上70%未満)」が38.9%、「必要額の大部分を確保できている(70%以上90%未満)」が23.1%という回答となりました。

- 必要額をほぼ全額確保できている(90%以上):12.0%
- 必要額の大部分を確保できている(70%以上90%未満):23.1%
- 必要額の半分程度は確保できている(50%以上70%未満):38.9%
- 必要額の半分にも満たない(30%以上50%未満):8.3%
- 必要額に対して大幅に不足している(30%未満):6.5%
- 必要額を算定できていない:1.9%
- わからない/答えられない:9.3%
自治体職員の71.3%が、「要修繕」と判定された後も修繕に着手できなかった・大幅に先送りした経験あり
「Q4. あなたのお勤め先の自治体では、過去に点検の結果「要修繕」と判定されたにも関わらず、修繕に着手できなかった(または大幅に先送りした)経験はありますか。」(n=108)と質問したところ、「頻繁にある」が21.3%、「時々ある」が50.0%という回答となりました。

- 頻繁にある:21.3%
- 時々ある:50.0%
- ほとんどない:15.7%
- 全くない:3.7%
- わからない/答えられない:9.3%
自治体職員が「下水を止められない」ことで経験した問題、「住民への利用制限」(38.0%)や「代替水処理の手間とコスト」(35.2%)が上位
「Q5. これまでの下水道インフラの点検・修繕において、「下水を止められない・迂回できない」ことが原因で、どのような問題を経験しましたか。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「住民に下水の利用制限をお願いせざるを得なかった」が38.0%、「代替水処理の設計・手配に、想定以上の手間とコストがかかった」が35.2%、「迂回できず、修繕工事そのものを延期した」が25.9%という回答となりました。

- 住民に下水の利用制限をお願いせざるを得なかった:38.0%
- 代替水処理の設計・手配に、想定以上の手間とコストがかかった:35.2%
- 迂回できず、修繕工事そのものを延期した:25.9%
- 工期が大幅に延びてしまった:24.1%
- 工事中の処理水質の悪化や、越水のリスクが生じた:20.4%
- 施工業者から工事の受注を断られた・難色を示された:11.1%
- その他:0.0%
- 特に経験はない:12.0%
- わからない/答えられない:6.5%
自治体職員の34.1%が「自前のリソースだけでは限界」と実感、「構造的な問題がある」も26.1%
「Q6. Q5で「特に経験はない」「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。その経験を通じて、最も強く感じたことを1つお選びください。」(n=88)と質問したところ、「自前のリソースだけでは限界があると感じた」が34.1%、「修繕を計画通りに進められない構造的な問題があると感じた」が26.1%という回答となりました。

- 自前のリソースだけでは限界があると感じた:34.1%
- 修繕を計画通りに進められない構造的な問題があると感じた:26.1%
- 仮設水処理を担える専門業者がもっと必要だと感じた:13.6%
- 住民や事業者への影響を最小化する技術・体制が必要だと感じた:12.5%
- 緊急時に頼れるパートナーを事前に確保すべきだと感じた:5.7%
- その他:1.1%
- 特に強く感じたことはない:4.5%
- わからない/答えられない:2.3%
予防修繕の意思決定で時間を要する工程、第1位「仮設水処理(バイパス等)の工法・業者の検討」、第2位「予算化・議会への説明資料の作成」
「Q7. あなたのお勤め先の自治体において、点検結果に基づく予防修繕の意思決定プロセスで、特に時間がかかっている、または難しいと感じる工程は何ですか。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「仮設水処理(バイパス等)の工法・業者の検討」が43.5%、「予算化・議会への説明資料の作成」が39.8%、「修繕工法(開削・更生工法等)の選定」が38.0%という回答となりました。

- 仮設水処理(バイパス等)の工法・業者の検討:43.5%
- 予算化・議会への説明資料の作成:39.8%
- 修繕工法(開削・更生工法等)の選定:38.0%
- 修繕の優先順位の判断・合意形成:33.3%
- 委託先の選定・入札手続き:25.9%
- 住民・周辺事業者への影響評価と調整:19.4%
- 国・関係機関との協議・承認手続き:13.0%
- その他:0.0%
- 特に時間がかかっている工程はない:1.9%
- わからない/答えられない:8.3%
自治体職員の7割超が「仮設水処理」を点検義務化の議論以前から認知、「詳しく知っていた」は2割弱にとどまる
「Q8. 『仮設水処理(仮設バイパス処理・バイパス等を含む)』という工法・技術について、点検義務化の議論を聞く前からご存じでしたか。」(n=97)と質問したところ、「詳しく知っていた」が19.6%、「ある程度知っていた」が51.5%という回答となりました。

- 詳しく知っていた:19.6%
- ある程度知っていた:51.5%
- 名前は聞いたことがある程度:21.6%
- 全く知らなかった:6.2%
- わからない/答えられない:1.0%
対応の遅れや修繕の先送りが生じた場合、自治体職員が危惧するリスクは「住民への利用制限」が約半数で最多
「Q9. 法改正に伴う「点検・予防修繕」への対応が遅れたり、代替水処理の制約で修繕が先送りになった場合、地域社会や環境に対してどのようなリスクを危惧していますか。(複数回答)」(n=108)と質問したところ、「下水処理機能の停止に伴う、住民への利用制限」が49.1%、「未処理下水の流出による、河川や海域の環境汚染」が43.5%、「道路陥没による重大な交通事故や、都市インフラの麻痺」が37.0%という回答となりました。

- 下水処理機能の停止に伴う、住民への利用制限:49.1%
- 未処理下水の流出による、河川や海域の環境汚染:43.5%
- 道路陥没による重大な交通事故や、都市インフラの麻痺:37.0%
- 悪臭の発生や公衆衛生の悪化:34.3%
- ゲリラ豪雨や台風などの自然災害発生時における、浸水被害の拡大:34.3%
- 事故発生時の復旧にかかる、莫大な緊急対応コスト:22.2%
- その他:0.0%
- 特に危惧しているリスクはない:1.9%
- わからない/答えられない:3.7%
自治体職員が今後情報を求めるテーマ、「下水を止めずに修繕する工法」「代替水処理の専門業者」がともに36.1%で最上位に
「Q10. 点検義務化に向けた対応を進めるにあたり、今後特に「情報を得たい」「事例を知りたい」と感じるテーマは何ですか。(上位3つまで回答可)」(n=108)と質問したところ、「下水を止めずに修繕する工法・技術の事例」が36.1%、「代替水処理(仮設バイパス処理)を担える専門業者の情報」が36.1%、「他自治体の点検・予防修繕の先進事例」が33.3%という回答となりました。

- 下水を止めずに修繕する工法・技術の事例:36.1%
- 代替水処理(仮設バイパス処理)を担える専門業者の情報:36.1%
- 他自治体の点検・予防修繕の先進事例:33.3%
- 国・自治体間で活用できる補助金・交付金制度:31.5%
- 点検結果に基づく修繕優先順位の判断基準:28.7%
- 住民への周知・利用制限調整のノウハウ:10.2%
- 委託先の選定基準や標準的な仕様書のひな形:9.3%
- 修繕工事のコスト相場や予算化のノウハウ:5.6%
- その他:0.0%
- 特にない:3.7%
- わからない/答えられない:4.6%
まとめ
今回は、全国の自治体で下水道事業に携わる職員108名を対象に、自治体下水道における点検と修繕のギャップ実態調査を実施しました。その結果、点検で「要修繕」と判定されながら修繕に着手できなかった・先送りした経験を持つ職員が71.3%に上ること、点検義務化に向けては「予算確保」「人手不足」がともに半数以上で課題に挙がっていることが明らかになりました。
まず、点検・予防修繕を「計画通り」「概ね計画通り」に進められている職員は69.4%に上りました。一方で、「要修繕」と判定されながら修繕に着手できなかった・先送りした経験が「頻繁にある」「時々ある」との回答は合計71.3%に達しています。また、点検義務化に向けた課題は「予算確保が難しい」(52.8%)、「人手不足」(50.9%)、「優先順位付けが難しい」(48.1%)が上位で、年間予算を必要額の7割未満しか確保できていない自治体も半数以上(53.7%)に上ります。さらに、「下水を止められない」ことに起因する問題では「住民への利用制限」(38.0%)、「代替水処理の手間とコスト」(35.2%)が多く、意思決定で最も時間を要する工程は「仮設水処理の検討」(43.5%)でした。最後に、今後情報を得たいテーマは「下水を止めずに修繕する工法・技術の事例」「代替水処理の専門業者情報」がともに36.1%でトップとなりました。
本調査から、多くの自治体が点検は一定程度進められているものの、その結果を修繕の実行へ結びつける段階で深刻なボトルネックが生じている実態が浮き彫りとなりました。背景には予算・人手・技術的知見の不足があり、なかでも「下水を止められない」という物理的制約が修繕の先送りを構造的に生み出していると考えられます。点検義務化で「見つける」仕組みが整いつつある今、それを「直す」体制と、仮設水処理を含む専門技術・業者との連携をどう構築するかが問われているのではないでしょうか。
セイスイ工業なら、下水処理場や各種工場、土木現場や災害現場などの様々な難しい排水や汚泥を処理可能

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