セイスイ工業株式会社

水処理コラム

COLUMN

レポート

【下水処理場の「し渣処理」に関する実態調査】 導入から15年以上経過の設備が3割強、 故障・不具合の経験「ある」が約9割 し渣処理の負担が「増えている」と感じる担当者は6割を超える

〜老朽化が進む前処理設備の実態が明らかに〜

全国に約2,200箇所ある下水処理場では、機械・電気設備の標準耐用年数(15年)を経過した施設が約2,000箇所と、全体の90%に上ることが国土交通省のデータで明らかになっています(※1)。高度経済成長期に集中整備されたこれらの設備は更新時期を迎えつつある一方、自治体の財政制約や技術職員の減少が維持管理・更新の足かせとなっており、老朽化対策の遅れが全国的な課題となっています。

こうした状況を背景に、水処理・汚泥処理のエキスパートである、セイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本 謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com )は、自治体の下水道・上下水道・環境・施設管理関連部門の担当者 100名を対象に、下水処理場におけるし渣処理の実態と課題に関する調査を実施しましたので、お知らせいたします。

※1 国土交通省「下水道の維持管理|ストックマネジメントの推進」
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html 

【下水処理場の「し渣処理」に関する実態調査】 導入から15年以上経過の設備が3割強、 故障・不具合の経験「ある」が約9割 し渣処理の負担が「増えている」と感じる担当者は6割を超える

  • 01|自治体の下水道関連部門担当者の約9割が、し渣処理設備の故障・不具合・処理能力低下を経験
  • 02|設備導入から「10年以上」が58.0%を占め、うち「20年以上」も24.0%に達する
  • 03|87.0%が、設備更新時に『処理を止められない』制約に直面・直面見込み

調査概要

  • 調査名称:下水処理場におけるし渣処理の実態と課題に関する調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2026年5月14日〜同年5月15日
  • 有効回答:自治体の下水道・上下水道・環境・施設管理関連部門の担当者 100名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

利用条件

1 情報の出典元として「セイスイ工業株式会社」の名前を明記してください。 2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。 URL:https://seisui-kk.com/

担当者が携わる、し渣処理設備の導入年数「10年以上」が58.0%を占める

「Q1. あなたが携わっている下水処理場のし渣処理設備(スクリーン・し渣洗浄機・脱水機など)は、導入からおよそ何年が経過していますか。」(n=100)と質問したところ、「10年以上~15年未満」が24.0%、「20年以上」が24.0%という回答となりました。

担当者が携わるし渣処理設備の導入年数、「10年以上」が58.0%を占める

  • 5年未満:14.0%
  • 5年以上~10年未満:22.0%
  • 10年以上~15年未満:24.0%
  • 15年以上~20年未満:10.0%
  • 20年以上:24.0%
  • わからない/答えられない:6.0%

自治体担当者の約9割が、し渣処理設備の故障・不具合・処理能力低下を経験

「Q2. あなたが携わっている下水処理場で、し渣処理設備の故障や不具合、処理能力の低下を経験したことはありますか。」(n=100)と質問したところ、「何度もある」が32.0%、「数回ある」が43.0%という回答となりました。

自治体担当者の約9割が、し渣処理設備の故障・不具合・処理能力低下を経験

  • 何度もある:32.0%
  • 数回ある:43.0%
  • 一度だけある:10.0%
  • 一度もない:11.0%
  • わからない/答えられない:4.0%

63.0%の担当者が、し渣の処理・運搬・最終処分の負担が「3年前より増えた」と実感

「Q3. あなたは、し渣の処理・運搬・最終処分にかかる負担について、3年前と比べてどのように感じていますか。」(n=100)と質問したところ、「大きく増えていると感じる」が21.0%、「やや増えていると感じる」が42.0%という回答となりました。

63.0%の担当者が、し渣の処理・運搬・最終処分の負担が「3年前より増えた」と実感

  • 大きく増えていると感じる:21.0%
  • やや増えていると感じる:42.0%
  • 変わらないと感じる:23.0%
  • やや減っていると感じる:9.0%
  • 大きく減っていると感じる:1.0%
  • 比較できない:4.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

担当者が感じるし渣処理設備の課題、「設備の老朽化」が53.0%でトップ

「Q4. あなたが携わっている下水処理場のし渣処理において、課題に感じていることを教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「設備の老朽化が進んでいる」が53.0%、「更新や改修の予算を確保しにくい」が47.0%という回答となりました。

担当者が感じるし渣処理設備の課題、「設備の老朽化」が53.0%でトップ

  • 設備の老朽化が進んでいる:53.0%
  • 更新や改修の予算を確保しにくい:47.0%
  • 保守・点検に必要な人手が足りない:32.0%
  • し渣の搬出・運搬の負担が大きい:32.0%
  • 処理や維持管理の負担が増えている:32.0%
  • 技術やノウハウを持つ人が少ない:31.0%
  • 臭気や衛生面の対応に手間がかかる:13.0%
  • その他:1.0%
  • 特に課題はない:2.0%
  • わからない/答えられない:1.0%

最大の課題、「設備の老朽化」が36.1%と突出

「Q5. Q4で「特に課題はない」「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。Q4で選んだもののうち、最も大きい課題を1つ教えてください。」(n=97)と質問したところ、「設備の老朽化が進んでいる」が36.1%、「更新や改修の予算を確保しにくい」が22.7%、という回答となりました。

最大の課題、「設備の老朽化」が36.1%と突出

  • 設備の老朽化が進んでいる:36.1%
  • 更新や改修の予算を確保しにくい:22.7%
  • 保守・点検に必要な人手が足りない:15.5%
  • し渣の搬出・運搬の負担が大きい:14.4%
  • 技術やノウハウを持つ人が少ない:6.2%
  • 処理や維持管理の負担が増えている:5.2%
  • 臭気や衛生面の対応に手間がかかる:0.0%
  • その他:0.0%
  • 特に課題はない:0.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

自治体担当者の8割以上が、し渣処理の効率化・減容化に「関心がある」と回答

「Q6. あなたは、し渣処理の効率化や減容化(廃棄物量を減らす技術)に関心がありますか。」(n=100)と質問したところ、「非常に関心がある」が27.0%、「やや関心がある」が55.0%という回答となりました。

自治体担当者の8割以上が、し渣処理の効率化・減容化に「関心がある」と回答

  • 非常に関心がある:27.0%
  • やや関心がある:55.0%
  • あまり関心がない:16.0%
  • 全く関心がない:2.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

担当者が設備更新で重視する点、「保守・メンテナンスのしやすさ」が60.0%に上る

「Q7. あなたが、し渣処理に関して今後の設備更新や運用改善を検討する際に、重視する点を教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「保守・メンテナンスがしやすいこと」が60.0%、「処理能力が安定していること」が51.0%という回答となりました。

担当者が設備更新で重視する点、「保守・メンテナンスのしやすさ」が60.0%に上る

  • 保守・メンテナンスがしやすいこと:60.0%
  • 処理能力が安定していること:51.0%
  • 導入・運用コストが適正であること:44.0%
  • 更新時も処理を止めずに対応できること:40.0%
  • 省人化・自動化に対応していること:33.0%
  • 廃棄物量を減らせること:31.0%
  • 既存の処理フローに組み込みやすいこと:12.0%
  • その他:0.0%
  • 特に重視していない:1.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

担当者の87.0%が、設備更新時に「処理を止められない」制約に直面済みまたは今後直面見込みと回答

「Q8. あなたは、し渣処理設備の更新や大規模修繕を検討する際に、「処理を止められない」という制約に直面したことはありますか。」(n=100)と質問したところ、「直面したことがある」が43.0%、「直面したことはないが、今後直面すると思う」が44.0%という回答となりました。

担当者の87.0%が、設備更新時に「処理を止められない」制約に直面済みまたは今後直面見込みと回答

  • 直面したことがある:43.0%
  • 直面したことはないが、今後直面すると思う:44.0%
  • 直面したことがない:8.0%
  • わからない/答えられない:5.0%

「処理を止められない」状況で取った対応策、「工程分割・段階施工」が60.5%で最多、「先送り」も約3割

「Q9. Q8で「直面したことがある」と回答した方にお聞きします。処理を止められない状況で、これまでどのように対応してきましたか。(複数回答)」(n=43)と質問したところ、「工程を分割して段階的に施工した」が60.5%、「仮設設備による一時的な処理継続で対応した」が48.8%、「夜間や短時間で工事を行い、処理停止を最小化した」が41.9%という回答となりました。

「処理を止められない」状況で取った対応策、「工程分割・段階施工」が60.5%で最多、「先送り」も約3割

  • 工程を分割して段階的に施工した:60.5%
  • 仮設設備による一時的な処理継続で対応した:48.8%
  • 夜間や短時間で工事を行い、処理停止を最小化した:41.9%
  • 他系列・他施設で処理を補った:27.9%
  • 更新・修繕の実施そのものを先送りした:25.6%
  • 特別な対応はせず、通常運用で対応できた:9.3%
  • その他:0.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

設備更新・大規模修繕の障壁、「仮設対応コストの高さ」(52.0%)を筆頭に、「予算確保の難しさ」「処理継続の困難さ」も上位

「Q10. し渣処理設備の更新や大規模修繕を実施する際に、障壁になると感じるものを教えてください。(複数回答)」(n=100)と質問したところ、「仮設対応のコストが高い」が52.0%、「予算確保が難しい」が42.0%、「工事期間中の処理継続が難しい」が40.0%という回答となりました。

設備更新・大規模修繕の障壁、「仮設対応コストの高さ」(52.0%)を筆頭に、「予算確保の難しさ」「処理継続の困難さ」も上位

  • 仮設対応のコストが高い:52.0%
  • 予算確保が難しい:42.0%
  • 工事期間中の処理継続が難しい:40.0%
  • 仮設対応を行う場所やスペースの確保が難しい:37.0%
  • 仮設対応を依頼できる事業者が見つからない:34.0%
  • 人手・体制が足りない:22.0%
  • その他:0.0%
  • 特に障壁はない:0.0%
  • わからない/答えられない:0.0%

まとめ

今回は、自治体の下水道・上下水道・環境・施設管理関連部門の担当者100名を対象に、下水処理場におけるし渣処理の実態と課題に関する調査を実施しました。その結果、し渣処理設備の故障・不具合を「経験あり」と答えた担当者が85.0%に上ること、設備更新時に「処理を止められない」制約に直面済みまたは今後直面見込みの担当者が87.0%に達することが明らかになりました。


まず、し渣処理設備の導入年数は「10年以上」が58.0%を占め、「20年以上」も24.0%に達しました。課題は「設備の老朽化」(53.0%)が最多で、「予算確保の難しさ」(47.0%)が続き、最大の課題でも「老朽化」が36.1%で首位、「予算確保」(22.7%)、「人手不足」(15.5%)の順。また、し渣処理の負担は63.0%が3年前より増加と回答し、効率化・減容化への関心は82.0%が「ある」と答えました。設備更新時の重視点は「保守・メンテナンスのしやすさ」(60.0%)がトップでした。さらに、「処理を止められない」制約への直面経験は43.0%、今後直面見込みは44.0%で合計87.0%に上り、直面経験者の対応策は「工程分割・段階施工」が60.5%と最多、「更新の先送り」も25.6%にのぼります。最後に、設備更新の障壁では「仮設対応コストの高さ」が52.0%でトップとなり、「予算確保の難しさ」(42.0%)、「工事中の処理継続の困難さ」(40.0%)が挙げられました。


本調査から、下水処理場のし渣処理設備は老朽化・予算制約・人手不足という複合課題を抱えながら、「処理を止められない」というインフラ固有の制約が更新の先送りを促し、リスクをさらに積み重ねる構造が見えてきます。担当者がメンテナンス性・処理の安定性を最優先としている点は、大規模刷新より「止めずに段階的に改善できる」実務的なソリューションへの潜在的な需要を示しているのではないでしょうか。

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