廃棄物量を90%以上削減し、バキューム処理に比較し大幅コストダウン、被災現場の早期復旧に貢献
セイスイ工業は、台風被災や水害発生後、施設や工場内に滞留した大量の排水・汚泥を、現場内に設置した仮設水処理プラントで迅速かつ安全に処理する仕組みをパッケージ化。2020年10月1日より「災害時排水処理システム」として提供開始しました。このシステムを使うことで、排水・汚泥から油分・有害物・有機物を分離しつつ廃棄物量を90%以上削減し、被災現場を早期復旧につなげる効果が見込めます。

■開発背景
近年増加傾向にある災害発生時に、設備が被災した時や急遽、大量の汚泥処理が発生した時など、場内で効果的な処理が行われていません。従来工法では災害の影響でバキュームカーでの場外運搬が困難だったり、高濃度汚泥の場合、処理が追い付かないなどの問題がありました。
弊社の災害時排水処理システムは、場内に仮設水処理プラントを設置し、遠心分離機などを使用することで、その場で短期間に処理する事が可能になり、油、有害物、有機物を含む排水や汚泥、急激に増加してしまった汚泥の減容化など幅広く対応できます。
■災害時排水処理の3大課題を解決
1.処理コスト圧縮
バキュームカーなどで産業廃棄物処理していた汚泥を、災害現場にて水と固形物に分離。産廃費用をコストを50%程度削減できます。
2.早期復旧
現場に合わせた災害時排水処理システムを導入することにより、地方で大量の廃棄物の受け入れ先がなく復旧が進められない場合などに現地で処理が可能。被災施設、工場の機能停止期間を最小限にとどめます。
3.環境保全
排水や汚泥中の油や有害物、有機物を遠心分離機で水と固形物に連続的に分離。有害物の不溶化等により、地域環境を安全に保ちます。
■適用事例「水力発電ダム水没時の含油排水処理」
台風で川が氾濫した影響で、水力発電ダムが外部、内部共に水没してしまい備蓄してあった潤滑油等の油が流出し、10,000立方メートルという膨大な含油排水が発生。そこで、災害時排水処理システムを導入し、その場で処理の難しい含油排水を二段階に分けて効率よく処理することにより、最小限のコストでスピーディに問題解決を図りました。災害時排水処理システムは、このような緊急時の新たな選択肢としてお考えいただけます。

遠心分離機で分離された固形物(脱水ケーキ)の含水率は性状により変わります。含水率が高い程、廃棄物量は増えます。

バキュームカーの単価は30,000円/立方メートル(運搬処分費含む)で試算しています。

遠心分離機で分離された固形物(脱水ケーキ)の含水率は平均70%。処理された水の99%以上を河川放流できる水質を担保しました。
■今後の展開
セイスイ工業では、「災害時排水処理システム」の導入メリットをより広く周知しつつ、全国の被災現場の早期復旧に貢献していきたい考えです。