水処理の新技術「土木泥水再利用システム」がNETISに登録!
従来より処理コスト30%削減、工期12%以上の短縮で排水・汚泥処理にまつわる『3大課題』を解決!
セイスイ工業は、土木現場で発生する大量の泥水を遠心分離機で連続的に処理し、処理コスト圧縮・工期短縮・環境保全につなげる新技術「土木泥水再利用システム」を2000年3月1日に提供開始。同システムが国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」データベースに2020年4月28日に登録されました。このシステムを使うことで、処理コスト30%以上削減、工期を12%以上短縮する効果が見込めます。
NETISとは
NETIS(ネティス:新技術情報提供システム)とは、国土交通省によって運営されている、民間企業等により開発された新技術にかかわる情報を、共有及び提供するためのデータベースです。優れた技術を持つ企業をサポートし、さらなる新技術開発を促進することを目的としています。 新技術にかかわる情報が分類されているため全国の地方整備局や工事事務所で共有しやすく、国や地方自治体が行う公共事業全般にも積極的に利用されています。NETISに登録された技術を使うことで、国や地方自治体が発注元となる公共工事に際し、工事成績評定での加点の対象となります。
開発背景
ウォータージェット工法などを用いて行われる矢板打ち込みの土木工事現場では、工事に伴い大量の泥水が発生します。これまで、泥水は現場内に濁水処理設備を設置し、沈澱させ、上澄みを再利用する方法が多く行われてきました。
しかし、矢板打ち込みに使用する泥水量が非常に多く高濃度のため、沈澱しきれずに工事の施工ロス(沈殿待ち時間)や泥水の産廃費用が高額になるなど課題がありました。
この課題を解決すべく、セイスイ工業では、遠心脱水機を使用し工事用高圧水に再利用可能な水質の水を現場内で短時間で連続的に生み出すシステムを開発しました。
新システムの特長
土木工事における泥水処理課題を解決
1.処理コスト圧縮
従来、産業廃棄物処理していた泥水を、現場にて泥土と水に分離。分離水を連続的に再利用することでコストを30%以上削減。水道費用や泥水の産廃費用削減につながります。
2.工期圧縮
連続的に水を再利用することで、水質改善や沈殿の待ち時間(作業待機時間)が無くなり施工性が向上し、工期を12%以上短縮します。
3.環境保全
産業廃棄物として処分されていた水を再利用することにより、経済性の向上だけではなく地球環境への影響抑制が図れます。
適用事例
泥水再生処理プラントを稼動させることにより、常時1時間当たり約15立方メートルの泥水を再生。泥水再生処理前の泥水と比較して約10分の1の量まで脱水減容化。従来の濁水処理設備による方法に比べ、沈殿待ち時間がなく施工ロスを改善できました。
<適用条件>
- 1時間当りの水使用量(打設30分・熔接25分・段取換え5分)、ジェットカッター吐出量700立方メートル/分と仮定すると30分×700立方メートル/分=21,000立方メートル/分=21立方メートル/h
- 1時間当りの発生泥水量(推定泥水回収率0.7~0.8)と仮定すると21立方メートル/h×0.7~0.8=14.7~16.8立方メートル/h
今後の展開
セイスイ工業では、その導入効果がNETIS登録された「土木泥水再利用システム」を、全国の土木工事現場に展開する体制を整え、あらゆる施工プロジェクトの経済性の向上と、環境保全に貢献してまいります。