セイスイ工業株式会社

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水処理に関する2021年総括及び2022年展望を発表

〜水処理の多様な需要と災害対策、そしてESGの重要性も高まる〜

仮設水処理事業を行う、セイスイ工業株式会社(所在地:千葉県若葉区、代表取締役社長:井本謙一、以下セイスイ工業)は、水処理に関する「2021年の総括および2022年の展望レポート」を発表いたしました。

工場の統廃合の裏側で大きな役割を担う水処理

まず総括として、近年、工場の統廃合や閉鎖が多くなってきています。例えば製鉄工場の閉鎖が挙げられます。中国の製鉄業における過剰生産の影響を受け、日本国内での製鉄工場が縮小しつつあります。その製鉄工場を閉じる際に出る排出物の処理(水処理)の需要が高まり、当社も大手製鉄所が持つ2箇所の工場において、水処理を計画中です。

他にも、乳製品工場の閉鎖にも携わりました。ビジネス環境のグローバル化、日本国内も含めて競争が激化していくなかで、乳製品関連のビジネスも変化を迫られています。今までは数多くの商品を国内に複数ある小さな工場で製造していましたが、現在ではそれら小さな工場を閉鎖し、大きな工場で売れる商品のみを製造する流れに変わりました。

このように、工場の統廃合が進むと工場の処理作業が発生します。これが2021年含めた近年の動向の一つと言えるでしょう。

工場や下水処理場の補修需要の増加も

1950年〜1960年にかけて、日本が高度経済成長期だった頃、多くの工場施設が建てられました。そこに設置される排水処理施設は約30年経過後を目処に建て替えられるのが一般的です。しかし、この建て替えには多額の予算が必要であり、企業にとっては大きな負担です。そのため、建て替えを躊躇し、手がつけられていない現状も存在します。

また下水処理場においては、少子高齢化による自治体予算の問題もあり、工場と同様に手がつけられていない施設もあります。しかし、当社が行う「仮設水処理」というソリューションであれば、大規模な建て替えが不要であり、必要な補修箇所だけ最適な費用で対応できる、ということから、補修を行う需要が増加しました。

世界的な半導体・材料不足による需要増

また、コロナ禍の影響で、工場の操業停止や物流の停滞など、サプライチェーンが混乱しました。その結果引き起こされた世界的な半導体・材料不足により、それら材料等を利用している施設に関していえば、例えばモーターがパンクし水処理ができない状態になったとしても、故障対応ができません。その結果、一時的に仮設水処理施設を利用するケースも発生しました。

近年の気象変化に伴う水害意識について

2021年10月に発表した「水害意識と取組白書」では、79.4%の自治体が水害への意識が高まっていることが明らかになりました。

やはりその契機は2019年、台風19号をはじめ、大規模災害の発生です。これらをきっかけに災害への意識が社会全体として向上したと考えています。では実際に災害が起きた際の水処理はどのようなものがあるのか。一般的に、大規模水害が起きた際に重要視されるものが、下水処理場の復旧工事です。当社でも数多くの対応を行ってきました。

下水処理において、特に仮設水処理というソリューションが喜ばれる一番の理由は、現場で「仮設で水処理」が出来ることです。特に災害時は、現場に合わせた災害時排水処理システムを導入し、スピーディーに現地での処理が可能になり、被災施設、工場の機能停止期間を最小限にとどめる事ができます。従来のバキューム処理との経済性の比較では、コストを80%削減できました。
参照:導入事例29

さらに、今までの常識では「水処理=プラントを作る」でしたが、例えば季節的要因で一時的に排水の処理量が増え、既存のプラントでは処理が追いつかない場合、仮にもう一つプラントを建てるとするとコストも時間も大幅にかかります。現地に仮設プラントを設置し、必要な時に必要な期間だけ設置して処理する事ができる高い需要がありました。

現在のところ、このように仮設で水処理ができる会社は当社が唯一と考えています。特に、大規模災害時は、バキュームカーでは廃棄物の量が多すぎて処理しきれないこと、プラントを建てるには大掛かりでコストも高いこと、そして限られたスペースでスピーディーな対応が求められますが、このような厳しい条件の中でも、水処理の知恵を出すのが当社の役割ということを強く感じました。

2022年以降はESGやSDGsへの取り組みが大きな評価基準に

近年では「ESG投資」(環境:Enviroment, 社会:Social, ガバナンス:Governance,この三つの観点から企業を分析して投資をすること)が注目されています。この点においても、当社の環境に考慮した事業が将来的に評価されると考えています。特に、バキュームカーで運搬した場合のCO2排出量の比較を行うと大きな違いが出ることはわかっています。
参照:水処理の重要性レポート

従来のバキュームカーによる廃棄物を運搬した場合のCO2排出量の結果と比較した際、当社の仮設水処理によってどの程度CO2削減が可能かを上記にまとめています。仮設水処理施設がなかった場合、バキュームカーを何度も往復させ廃棄物運搬をすることになるため、CO2排出量も膨大になっていたというケースも存在します。

現在、日本という海洋国家ならではの立地ポテンシャルを生かした洋上風力発電が有望視され、再生可能エネルギーの利用拡大に向けて政府の研究開発支援も強化されています。これは海底の岩盤上に基礎を設置し、その上に風車を構築する手法です。その堀削作業をする際、必ず発生するのは泥水処理の問題です。環境エコロジーな風力発電に期待が高まる一方で、処理しなくてはならない泥水問題も生まれているのが現状です。こういった状況の中、当社では「再生エネルギーを作る前段階」での取り組みが可能です。具体的には、作業中のゴミが発生する前にゴミの量を減らす”Reduce”の部分を、その施設内で進めることができます。

これからますます重要となるESG・SDGsというテーマに対応したソリューションが世の中として求められていると言えます。

水処理という方法に柔軟性を持たせる

今後は「脱炭素」の流れもあり、「エネルギーを使わずに処理できる方法」へシフトしていくと考えられます。

冒頭で少し述べましたが、従来の方法では、修理できる段階であっても、他に選択肢がなかったため新しく施設を作り直すしかありませんでした。車で例えるなら、エンジンの一部が壊れて修理で済むにも関わらず、高い費用をかけて新車を購入するようなものです。新たに施設を作り直すにはコストがかかり過ぎてしまいかつ環境面からは膨大なCO2排出が行われます。

一方で、仮設水処理というソリューションでは、50年前に建てられた古い施設であっても、建て替えの必要はなく、全体の構造を維持しつつ、部分的に補修やアップデートが可能です。このようなバイパスがあることで、前述したCO2排出削減はもちろんのこと、工場稼働が停止してしまうリスクも減少します。

工場が古くなれば、当然補修が必要になります。しかし、このような補修を行うためには、工場の稼働を止める必要も出てくる場合があり、その状況下では補修は後回しされてしまう現状があります。当然、補修せずに古くなればなるほど、工場の一部の機器や部品が急に壊れるリスクは高まります。そうなれば、生産も全て止める必要があり、大きな損害が発生します。

バイパスがあることで、このような事態を未然に防ぐことが可能です。仮設水処理は、このように柔軟な対応を実現し、「継続性」を高めるソリューションなのです。

PR TIMES掲載のプレスリリースはこちら

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