土木工事監督経験者、約8割が「泥水処理に苦労」 汚泥や泥水、水処理に利用するバキュームカーに「費用が高い上、1回で処理できる量が少ない」など課題の声多数
〜約7割が水処理で「NETISに適合する技術を利用してみたい」と回答〜
日本一の仮設水処理技術を持つ、セイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本謙一、以下 セイスイ工業)は、土木工事における監督経験かつ泥水処理経験を持つ108名を対象に、「工事現場の泥水処理」に関する調査を行いましたので、結果を発表いたします。
調査概要
- 調査概要: 「工事現場の泥水処理」に関する調査
- 調査方法: インターネット調査
- 調査期間: 2021年8月31日〜同年9月2日
- 有効回答: 土木工事における監督経験かつ泥水処理経験を持つ108名
約8割の土木工事監督経験者が、「工事現場の泥水処理に苦労した」と回答
「Q1.あなたが工事監督をする中で、泥水処理に苦労した経験がありますか。」(n=108)と質問したところ、「ある」が78.7%、「ない」が21.3%という回答となりました。
- ある: 78.7%
- ない: 21.3%
泥水処理の苦労、「費用」や「処理の場所の確保」など
Q1で「ある」と回答した方に「Q2.苦労した内容を教えてください。(複数回答)」(n=85)と質問したところ、「想定以上に費用がかかった」が42.4%、「処理の場所確保に苦労した」が38.8%、「処理後の廃棄物が想定より多かった」が35.3%という回答となりました。
- 想定以上に費用がかかった: 42.4%
- 処理の場所確保に苦労した: 38.8%
- 処理後の廃棄物が想定より多かった: 35.3%
- 処理にあたり発注者や地域住民の理解を得ること: 30.6%
- 処理に時間がかかり、工期が長引いた: 29.4%
- 処理後の水が法律の基準を満たしているかわからなかった: 22.4%
- 処理をできる環境設計に苦労した: 9.4%
- 社内向け説明資料の作成: 4.7%
- その他: 0.0%
土木工事監督経験者の約7割が、「水処理や泥水処理を行う際には、「バキュームカーを利用」
「Q3.あなたは水処理や泥水処理を行う際に、通常バキュームカーを利用しますか。」(n=108)と質問したところ、「利用する」が68.5%という回答となりました。
- 利用する: 68.5%
- 利用しない: 31.5%
バキュームカーを利用する理由、「手間がかからずに楽」が約6割
Q3で「利用する」と回答した方に、「Q4.バキュームカーを選んだ理由を教えてください。(複数回答)」(n=74)と質問したところ、「手間がかからずに楽」が60.8%、「そもそもバキュームカー以外の選択肢が思いつかない」が29.7%、「通例だから」が16.2%という回答となりました。
- 手間がかからずに楽: 60.8%
- そもそもバキュームカー以外の選択肢が思いつかない: 29.7%
- 通例だから: 16.2%
- 社内説明がしやすい: 6.8%
- その他: 2.7%
バキュームカーを利用する際、ほとんどが「バキュームカーの相見積を実施」
Q3で「利用する」と回答した方に、「Q5.バキュームカーを利用する場合、相見積を行いますか。当てはまるものを教えて下さい。」(n=74)と質問したところ、バキュームカー同士での相見積は「44.6%の人がたまに行う」、バキュームカーとそれ以外の方法での相見積においては「44.6%の人がたまに行う」という回答となりました。
<バキュームカー同士での相見積>
- 毎回行う: 43.2%
- たまに行う: 44.6%
- 全く行わない: 12.2%
<バキュームカーとそれ以外の方法での相見積>
- 毎回行う: 27.0%
- たまに行う: 44.6%
- 全く行わない: 28.4%
バキュームカーを利用する際の課題、「全体的な費用が高い」や「車での往復があり時間がかかる」など
Q3で「利用する」と回答した方に「Q6.バキュームカーでの処理で課題を感じる点があれば、教えてください。(複数回答)」(n=74)と質問したところ、「全体的な費用が高い」が74.3%、「処理のために車での往復があり時間がかかる」が33.8%、「車の移動があるため環境によくない」が28.4%という回答となりました。
- 全体的な費用が高い: 74.3%
- 処理のために車での往復があり時間がかかる: 33.8%
- 車の移動があるため環境によくない: 28.4%
- 水が出てしまうため、再度水を補給するための給水費用がかかる: 13.5%
- 乗り入れる場所がない(車が入りづらい): 12.2%
- 特にない: 5.4%
- その他: 1.4%
他にも「費用が高い上、1回で処理できる量が少ない」や「水の状態で一日の処理量が変わる」などの課題の声も
Q6で「特にない」以外を回答した方に、「Q7.Q6で回答した以外に課題を感じる点があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=74)と質問したところ、「費用が高い上、1回で処理できる量が少ない」や「水の状態で一日の処理量が変わる」など45件の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
- 44歳: 費用が高い上,1回で処理できる量が少ない。
- 63歳: 少量の場合はいいが、多量の場合は不便。
- 44歳: 採算が取れない。
- 50歳: 処理場の近場で確保できない。
- 60歳: 夜間、バキュームカーを利用するに騒音問題が発生する。
- 55歳: 水の状態で一日の処理量が変わる。
- 63歳: 廃液処理にお金がかかる。
約7割が泥水処理をするにあたり「NETISに適合する技術を利用してみたい」と回答
「Q8.泥水処理をするにあたりNETIS(国土交通省によって運営されている新技術情報提供システム)に適合する技術を利用してみたいですか。」(n=108)と質問したところ、「とても利用したい」が27.8%、「やや利用したい」が38.0%という回答となりました。
- とても利用したい: 27.8%
- やや利用したい: 38.0%
- あまり利用したくない: 6.5%
- 全く利用したくない: 4.6%
- どちらともいえない: 16.7%
- わからない: 6.4%
約8割が「仮設水処理」に興味あり
「Q9.バキュームカーと比較し、価格を抑え、泥水を短時間で再利用可能な水の水質にする「仮設水処理」での処理方法があるとしたら、興味がありますか。」(n=108)と質問したところ、「とても興味がある」が35.2%、「やや興味がある」が40.7%という回答となりました。
- とても興味がある: 35.2%
- やや興味がある: 40.7%
- あまり興味がない: 12.0%
- 全く興味がない: 5.6%
- わからない: 6.5%
「価格を抑えられるから」や「環境に配慮されているから」などを理由に「仮説水処理」に興味の声
Q9で「とても興味がある」「やや興味がある」と回答した方に「Q10.その理由を教えてください(複数回答)」(n=82)と質問したところ、「価格を抑えられるから」が61.0%、「環境に配慮されている方法だと感じるから」が48.8%、「工数の削減ができるから」が41.5%という回答となりました。
- 価格を抑えられるから: 61.0%
- 環境に配慮されている方法だと感じるから: 48.8%
- 工数の削減ができるから: 41.5%
- 新しいものに取り組んでみたいから: 22.0%
- その他: 2.4%
まとめ
今回は、「土木工事における監督経験かつ泥水処理経験を持つ108名」を対象に、「工事現場の泥水処理」に関する調査を行いました。
結果として、土木工事監督経験者の約8割が、工事現場の水処理に「苦労した」と回答しており、その理由としては、「想定以上に費用がかかった」が42.4%、「処理の場所確保に苦労した」が38.8%、「処理後の廃棄物が想定より多かった」が35.3%という回答となりました。
また、約7割が水処理や泥水処理を行う際には「バキュームカーを利用」しており、約6割からは、「手間がかからずに楽」との声が挙げられています。バキュームカーを利用する際には、87.8%が「バキュームカー同士での相見積を実施」、71.6%が「バキュームカーとそれ以外の方法での相見積を実施」するようです。一方で、バキュームカーを利用する際の課題として、「全体的な費用が高い」や「処理のために車での往復があり時間がかかる」などの声も挙げられています。他にも、「1回で処理できる量が少ない」や「水の状態で一日の処理量が変わる」などの声も見受けられました。
そこで、「泥水処理をするにあたりNETIS(国土交通省によって運営されている新技術情報提供システム)に適合する技術を利用してみたい」かを聞いてみたところ、約7割が「利用してみたい」と回答。また、約8割が「仮設水処理」に興味を示しています。「価格を抑えられるから」や「環境に配慮されているから」など、仮説水処理へ期待を寄せる声が多数挙がっています。
土木工事経験者にとって、工事現場の水処理・泥水処理は大きな課題の一つです。価格を抑えられ、同時に環境に配慮されている「土木泥水再利用システム」に益々注目が高まりそうです。
泥水処理事例:鋼矢板打込み工事における泥水処理
鋼矢板打込み工事のウォータージェットカッターを使用する際に発生する大量の泥水の産廃費用や水道費用を削減したいという要望に対して行った事例です。
この現場では1時間当りの水使用量(打設30分・熔接25分・段取換え5分)ジェットカッター吐出量850ℓ/分と仮定すると30分×700ℓ/分=25,500ℓ/30分となります。
1時間当りの発生泥水量は打設時の30分しかありませんので、この30分間に発生した泥水を処理するようになります。発生泥水は釜場からポンプで泥水受け槽へ送水しますが、ポンプで送水する間に泥水が土中に染み込んでいくために推定泥水回収率0.7~0.8と仮定します。よって、処理対象となる泥水量は、25.5㎥/h×0.7~0.8=17.9~20.4㎥/h となります。
今回の事前調査の結果から土質と発生泥水濃度が18%前後だったことを考慮し、遠心分離機(HS-500MW)と水槽を組み合わせた土木泥水再生処理プラントでの処理をご提案いたしました。
処理能力は土質や発生泥水濃度により変わりますので過少設備や過剰設備にならないよう常に事前調査を綿密に行いお客様に最適な設備をご提案させて頂いております。