セイスイ工業株式会社

水処理コラム

COLUMN

レポート

自治体職員の約6割、汚染土壌処理に関して「課題あり」 具体的な課題、第2位は「汚染物の廃棄場所」第1位は「処理・運搬コスト」に

〜従来よりも「小さい分級点での分級」可能なシステムに51.5%が興味〜

 日本一の仮設水処理技術を持つ、セイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com)は、汚染土壌の処理業務に携わる自治体職員101名を対象に、汚染土壌処理の課題に関する調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。

自治体職員の約6割、汚染土壌処理に関して「課題あり」 具体的な課題、第2位は「汚染物の廃棄場所」第1位は「処理・運搬コスト」に

調査概要

  • 調査概要:汚染土壌処理の課題に関する調査
  • 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®️」の企画によるインターネット調査
  • 調査期間:2022年7月20日〜同年7月22日
  • 有効回答:汚染土壌の処理業務に携わる自治体職員101名

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

利用条件

1 情報の出典元として「セイスイ工業株式会社」の名前を明記してください。 2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。 URL:https://seisui-kk.com/

約6割が汚染土壌処理に課題を実感

 「Q1.汚染土壌処理業務を行うにあたり、課題はありますか。」(n=101)と質問したところ、「非常にある」が25.7%、「ややある」が29.7%という回答となりました。

 約6割が汚染土壌処理に課題を実感

  • 非常にある:25.7%
  • ややある:29.7%
  • あまりない:11.9%
  • 全くない:5.0%
  • わからない/答えられない:27.7%

具体的な課題、第2位は「汚染物の廃棄場所」、第1位は「処理・運搬コスト」に

 Q1で「非常にある」「ややある」と回答した方に、「Q2.具体的にどのような課題があるか教えてください。(複数回答)」(n=56)と質問したところ、「処理・運搬コストが高い」が87.5%、「汚染物の廃棄場所に困る」が60.7%、「処理に時間がかかる」が39.3%という回答となりました。

具体的な課題、第2位は「汚染物の廃棄場所」、第1位は「処理・運搬コスト」に

  • 処理・運搬コストが高い:87.5%
  • 汚染物の廃棄場所に困る:60.7%
  • 処理に時間がかかる:39.3%
  • 適切な処理方法がわからない:14.3%
  • その他:3.6%
     ー51歳:処理後物が土壌か廃棄物か定義がはっきりしていない
     ー51歳:土対法の基準と海防法の基準が合っていない
  • わからない/答えられない:1.8%

他にも「におい」や「土壌汚染が気になる」という悩みも

 Q1で「非常にある」「ややある」と回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に課題があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=56)と質問したところ、「におい」や「土壌汚染が気になる」など32の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>

  • 50歳:におい。
  • 38歳:土壌汚染が気になる。
  • 33歳:情報セキュリティ。
  • 52歳:搬出できる業者が少ない。
  • 51歳:災害時に至急対応が困難。
  • 22歳:除去に携わる方の被曝。
  • 51歳:日本固有の土質があるため、一部の外資系の感覚と合わない(ドイツなど)。
  • 58歳:特定の汚染物質が対象なのだが、その発生した場合の周辺への悪影響が危惧される。

汚染土壌に対しての処理、42.6%が「処理業者へ一任」と回答

 「Q4.現在、汚染土壌に対して主にどのような処理を行っていますか。(複数回答)」(n=101)と質問したところ、「処理業者へ一任している」が42.6%、「一時的な保管エリアに搬送し、その後処理を実施」が29.7%、「現場で処理を行い、廃棄場所へ搬送」が17.8%という回答となりました。

汚染土壌に対しての処理、42.6%が「処理業者へ一任」と回答

  • 処理業者へ一任している:42.6%
  • 一時的な保管エリアに搬送し、その後処理を実施:29.7%
  • 現場で処理を行い、廃棄場所へ搬送:17.8%
  • 処理方法がわからず手がつけられていない:3.0%
  • その他:3.0%
     ー52歳:汚泥は焼却している
  • わからない/答えられない:25.7%

「汚染土壌の無害化」や「土壌汚染された土は適切な処分場にて処理」などを行う自治体も

 「Q5.Q4で回答した以外に、汚染土壌に対して行っている処理があれば自由に教えてください。(自由回答)」(n=101)と質問したところ、「汚染土壌の無害化」や「土壌汚染された土は適切な処分場にて処理」など36の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>

  • 38歳:汚染土壌の無害化。
  • 59歳:土壌汚染された土は適切な処分場にて処理する。
  • 46歳:業者に撤去してもらうほかない。

65.3%が「分級」を知らないと回答

 「Q6.あなたは、汚染土壌処理を行う工程の一つである「分級」がどういうものかご存じですか。」(n=101)と質問したところ、「知っている」が34.7%、「知らない」が65.3%という回答となりました。

65.3%が「分級」を知らないと回答

  • 知っている:34.7%
  • 知らない:65.3%

「分級」を知る半数以上が、分級処理を行った経験あり

 Q6で「知っている」と回答した方に、「Q7.分級処理を行った経験がありますか。」(n=35)と質問したところ、「ある」が54.3%、「ない」が45.7%という回答となりました。

「分級」を知る半数以上が、分級処理を行った経験あり

  • ある:54.3%
  • ない:45.7%

知らないうちの約3人に1人が「分級」に意欲

 Q6で「知らない」と回答した方に、「Q8.分級を行ってみたいと思いますか。」(n=66)と質問したところ、「非常に思う」が9.2%、「やや思う」が25.8%という回答となりました。

知らないうちの約3人に1人が「分級」に意欲

  • 非常に思う:9.2%
  • やや思う:25.8%
  • あまり思わない:21.2%
  • 全く思わない:10.6%
  • どちらともいえない:33.3%

粗粒分(20μm以上)と細粒分(20μm未満)への分級が可能な汚染土壌分級システムに、51.5%が興味

 「Q9.あなたは、分級点を粒径20μmとして、粗粒分(20μm以上)と細粒分(20μm未満)への分級が可能な汚染土壌分級システムに興味がありますか。」(n=101)と質問したところ、「非常に興味がある」が19.8%、「やや興味がある」が31.7%という回答となりました。

粗粒分(20μm以上)と細粒分(20μm未満)への分級が可能な汚染土壌分級システムに、51.5%が興味

  • 非常に興味がある:19.8%
  • やや興味がある:31.7%
  • あまり興味がない:22.8%
  • 全く興味がない:25.7%

まとめ

 今回は、汚染土壌の処理業務に携わる自治体職員101名を対象に、汚染土壌処理の課題に関する調査を行いました。

 約6割が、汚染土壌処理に課題を感じており、具体的な課題として「処理・運搬コストの高さ」や「汚染物の廃棄場所」という声が多く挙がり、汚染土壌については、42.6%が「処理業者へ一任」している実態が明らかになりました。

 次に、汚染土壌処理を行う工程の一つである「分級」について、6割以上が知らないと回答した一方、そのうちの約3人に1人が「分級」に意欲を見せ、「分級」を知る半数以上が、分級処理を行った経験を持つことが分かりました。なお、粗粒分(20μm以上)と細粒分(20μm未満)への分級が可能な汚染土壌分級システムについて伺うと51.5%が興味を示す結果となりました。

 SDGsが問われる中、汚染土壌の処理についても再生利用の方法に注目する自治体が増えています。今回の調査において、再生利用を考える背景として、処分へのコストや、危険性のある汚染物の廃棄場所が課題になっていることが明らかになりました。そんな中、再生利用を実現する方法として、分級に対する関心が高まっており、すでに分級工程を取り入れている自治体も多いようです。汚染物の廃棄場所は、地元に住む住民にとって心配が絶えない事象であり、汚染土壌の再生利用を検討することで、地元住民と自治体の良好な関係を保ち、より住みやすい土地だと認識されるカギとなるのではないでしょうか。

セイスイ工業の実証事例紹介

セイスイ工業実証事例

    農地と山林から採取した2種類の土壌に対し、デカンタ式遠心分離機の分級点を粒径20μmに設定し、分級土に対して3回ほど繰り返し洗浄と分級を行います。それにより、分級した20μm未満の分画にセシウムが濃縮することで、新たに20μm~75μmの分画の再生利用が増えることが期待できることから、これらの基礎データを取得するために検証を行いました。

分級土の粒度分布

    結果として、分級を繰り返し行う事で、3回目の分級で回収した粗粒分(20µm以上の粒子)に混入した20μm未満の細粒分量は15.52%まで減少しています。分級2回目、3回目では、10μm未満の粒子は4%と概ね除去されており5μm未満の粒子は全て除去されています。試験に使用した土壌は、農地と山林から採取した土壌を同じ条件で2回づつ実施しましたが、全ての土壌で分級を繰り返すたびに20μm未満の粒子量が減少していました。また、分級前の20µm以上の粒子と20µm未満の粒子同士が固着していない状態であった場合は、20µm未満の粒子量合計が3~4%程度少なくなります。

非放射性セシウム濃度低減率

    今回の試験では、添加した非放射性セシウムの量が多かったため、予想以上に20µm以上の粒子にも非放射性セシウムが吸着してしまった結果、分級しても濃度低減率は40.2%となりました。重金属やセシウムの濃度低減率は20µm以上の粒子汚染濃度による影響が大きく、20µm以上の粒子汚染濃度が低いほど分級土の濃度低減率は高くなります。

粗粒分濃度比=粗粒分(20µm以上の粒子)の非放射性セシウム濃度 /細粒分(20µm未満の粒子)の非放射性セシウム濃度

(例)
20µm以上の粒子汚染濃度=20µm未満の粒子汚染濃度・・・分級しても汚染濃度は同じ
20µm以上の粒子汚染濃度<20µm未満の粒子汚染濃度・・・分級すると汚染濃度が低下

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