BODを60%・全窒素(T-N)を20%以上削減!省スペース・高効率を実現する『Habuki』の構造と特長
『Habuki』は、東芝とセイスイ工業が共同開発した革新的な水処理システムです。この装置は、回転生物接触法を採用し、コンパクトで省エネルギーながら高い処理能力を発揮する点が特長です。さらに、従来のオキシデーションディッチ法(OD法)と比較して、水処理時間を大幅に短縮し、施設全体の規模を効率的に縮小することを実現します。
ここでは、『Habuki』の構造や仕組み、さらには実用性について詳しくご紹介します。
『Habuki』の性能
『Habuki』は、約15分間の滞留時間で、下水中の生物化学的酸素要求量(BOD)を60%以上、全窒素(T-N)を20%以上削減することが可能です。この優れた処理能力により、従来技術よりも短い時間で効率的な処理を実現します。また、メンテナンスが容易で、繊維体ユニットの交換も短期間で対応可能です。
『Habuki』の構造と仕組み
『Habuki』の中心には直径2メートルの回転繊維体があり、1分間に3~8回転という低速で回転します。この繊維素材はリカちゃん人形の髪の毛と同じ素材をバチルの特許技術で加工しており、微生物が回転盤についても重くならないよう工夫されています。この技術により、効率的な微生物処理が可能となっています。
回転盤はピザのように扇形のパーツ6枚で構成され、これが1枚の回転盤を形成しています。全体として30枚の回転盤が連なり、大きな処理面積を実現します。また、扇形のピースごとに交換が可能で、支柱となる鉄パイプを外すことで簡単に交換作業が行うことができます。また、回転盤は非常に高い耐久性を持ち、長期間にわたり安定した性能を維持します。
下水処理フローとしては、下水が装置の下部から流入し、処理後の処理水が後方上部から排出される仕組みです。
エアー供給システムの特長
『Habuki』には4箇所のエアー供給システムが備わっています。
- 撹拌用エアー支柱
下部に設置された2本のエアー支柱は、汚水を撹拌する役割を果たします。これにより、汚水全体に均一に処理が行き渡ります。 - 微生物剥離用エアー支柱
中腹部に設置された2本のエアー支柱は、回転盤についた余分な微生物を剥がす役割を担います。これにより、回転盤が効率よく動作し続けることが可能です。