【災害時の下水処理停止、あなたの自治体は大丈夫?】自治体職員の84.5%がリスクを認識、一方で十分な備えがあるのはわずか19.4%。過去5年で約半数が機能停止を経験
〜復旧長期化への対応が急務に〜
水処理・汚泥処理のエキスパートである、セイスイ工業株式会社(本社:千葉市若葉区、代表取締役:井本謙一、以下 セイスイ工業、https://seisui-kk.com )は、現在下水処理業務に関わっている自治体職員103名を対象に、災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

- 01|84.5%の自治体職員が、災害による下水処理施設停止を「リスク」と認識
- 02|災害時の下水処理停止に備えたバックアップ体制が「十分に整備」されているのは19.4%にとどまる
- 03|87.4%の職員が、災害時の下水処理継続のための仮設水処理プラントを「有効な選択肢」と評価
調査概要
- 調査名称:災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年10月14日〜同年10月17日
- 有効回答:現在下水処理業務に関わっている自治体職員103名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
利用条件
1 情報の出典元として「セイスイ工業株式会社」の名前を明記してください。 2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。 URL:https://seisui-kk.com/
84.5%が、災害による下水処理停止を「リスク」と認識、危機意識は自治体職員に浸透
「Q1. あなたの自治体では、大規模災害(地震・台風・豪雨等)により下水処理施設が停止するリスクをどの程度想定していますか。」(n=103)と質問したところ、「非常に高いリスクとして想定している」が51.5%、「ある程度のリスクとして想定している」が33.0%という回答となりました。

- 非常に高いリスクとして想定している:51.5%
- ある程度のリスクとして想定している:33.0%
- あまりリスクとして想定していない:8.7%
- 全くリスクとして想定していない:1.0%
- わからない/答えられない:5.8%
過去5年で、約半数の自治体職員が機能停止を経験
「Q2. 過去5年間で、あなたの自治体の下水処理施設において、災害や事故による機能停止・処理能力低下が発生したことはありますか。」(n=103)と質問したところ、「複数回発生した」が28.2%、「1回発生した」が20.4%という回答となりました。

- 複数回発生した:28.2%
- 1回発生した:20.4%
- 発生していない:39.7%
- 把握していない:6.8%
- わからない/答えられない:4.9%
下水処理施設が停止した場合、復旧に「1週間以上」かかると想定する自治体職員が4割弱、長期化への備えが課題に
「Q3. 災害や事故で下水処理施設が停止した場合、復旧までにどの程度の時間がかかると想定していますか。」(n=103)と質問したところ、「1週間程度:が26.2%、「2週間以上」が 11.7%という回答となりました。

- 24時間以内:19.4%
- 2~3日程度:25.2%
- 1週間程度:26.2%
- 2週間以上:11.7%
- 想定していない:6.8%
- わからない/答えられない:10.7%
下水処理停止に「十分な備え」があるのは2割未満、危機意識の高さと対策の遅れが鮮明に
「Q4. あなたの自治体では、災害時の下水処理停止に備えた代替処理施設やバックアップ体制を整備していますか。」(n=103)と質問したところ、「十分に整備されている」が19.4%、「部分的に整備されている」が35.9%という回答となりました。

- 十分に整備されている:19.4%
- 部分的に整備されている:35.9%
- 整備を計画中である:24.3%
- 整備されていない:8.7%
- わからない/答えられない:11.7%
バックアップ整備の最大の壁は「維持管理コストの確保の困難さ」(46.8%)
「Q5. Q4で「整備を計画中である」「整備されていない」と回答した方にお聞きします。バックアップ体制の整備が進まない理由を教えてください。(複数回答)」(n=62)と質問したところ、「維持管理コストの確保が困難だから」が46.8%、「初期投資費用が高額だから」が33.9%、「設置場所の確保が困難だから」が29.0%という回答となりました。

- 維持管理コストの確保が困難だから:46.8%
- 初期投資費用が高額だから:33.9%
- 設置場所の確保が困難だから:29.0%
- 他の施策が優先されているから:25.8%
- 必要性が認識されていないから:24.2%
- 技術的な検討が不十分だから:22.6%
- 広域連携で対応する予定だから:11.3%
- その他:0.0%
- 特に理由はない:1.6%
- わからない/答えられない:4.8%
災害時に下水処理が停止した場合、3割弱の自治体職員が住民生活への影響評価を未実施、「想定外」のリスクが残る
「Q6. 災害時に下水処理が停止した場合の住民生活への影響について、シミュレーションや影響評価を実施していますか。」(n=103)と質問したところ、「実施を予定している」が12.6%、「実施していない」が15.5%という回答となりました。

- 定期的に実施している:25.2%
- 過去に実施したことがある:32.1%
- 実施を予定している:12.6%
- 実施していない:15.5%
- わからない/答えられない:14.6%
下水処理停止の懸念は「悪臭」と「トイレ使用不可」
「Q7. 災害時の下水処理停止により、懸念される住民への影響は何ですか。(上位3つまで回答可)」(n=103)と質問したところ、「悪臭の発生による生活環境の悪化」が48.5%、「トイレが使用できなくなること」が43.7%、「感染症リスクの増大」が34.0%という回答となりました。

- 悪臭の発生による生活環境の悪化:48.5%
- トイレが使用できなくなること:43.7%
- 感染症リスクの増大:34.0%
- 河川・海域への未処理水流出による環境汚染:26.2%
- 医療機関・福祉施設の機能停止:24.3%
- 避難所の衛生環境悪化:20.4%
- 商業施設・飲食店の営業停止:10.7%
- 学校・公共施設の閉鎖:2.9%
- その他:: 0.0%
- 特に懸念はない:1.0%
- わからない/答えられない:5.8%
87.4%が、災害時の下水処理継続における仮設水処理プラントを「有効」と評価
「Q8. 災害時の下水処理継続のために、仮設水処理プラントは有効な選択肢だと思いますか。」(n=103)と質問したところ、「非常にそう思う」が51.5%、「ややそう思う」が35.9%という回答となりました。

- 非常にそう思う:51.5%
- ややそう思う:35.9%
- あまりそう思わない:5.8%
- 全くそう思わない:1.0%
- わからない/答えられない:5.8%
仮設水処理プラントへの期待は「迅速な設置」と「省スペースでの設置」、即応型の災害対応力がカギ
「Q9. Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方にお聞きします。仮設水処理プラントに期待する点を教えてください。(複数回答)」(n=90)と質問したところ、「迅速な設置が可能であること」が55.6%、「省スペースで設置できること」が54.4%、「処理能力が柔軟に調整できること」が48.9%という回答となりました。

- 迅速な設置が可能であること:55.6%
- 省スペースで設置できること:54.4%
- 処理能力が柔軟に調整できること:48.9%
- 運転管理が容易であること:40.0%
- 他自治体との共同利用が可能であること:35.6%
- コストパフォーマンスが良いこと:25.6%
- 平時の訓練にも活用できること:20.0%
- その他:1.1%
- 特にない:0.0%
- わからない/答えられない:0.0%
そのほかにも「確実性」「長期間の処理継続」など、実効性を重視する声が多数
「Q10. Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方にお聞きします。Q9で回答した以外に、仮設水処理プラントに期待する点があれば自由に教えてください。(自由回答)」(n=40)と質問したところ、「確実性」や「できるだけ長期間、作業が終了するまでの期間、処理を補えること」など40件の回答を得ることができました。

<自由回答・一部抜粋>
- 確実性。
- できるだけ長期間、作業が終了するまでの期間、処理を補えること。
- 維持管理が容易であること。
- 安全性。
- 安くバックアップできること。
- 不自由さの解消。
- 衛生的な環境を整えること。
- 低コスト。
- 安価で使いやすいこと。
- 安価であること。
- 迅速な対応。
まとめ
今回は、現在下水処理業務に関わっている自治体職員103名を対象に、災害・事故時の下水道バックアップ体制に関する実態調査を実施しました。
まず、大規模災害(地震・台風・豪雨等)により下水処理施設が停止するリスクを想定している職員は84.5%に上ることがわかりました。また、過去5年間で実際に機能停止・処理能力低下を経験した自治体職員は48.6%で、約半数がトラブルに直面している実態が明らかになりました。復旧までの想定時間については、1週間以上かかると見込む回答が37.9%を占め、長期化への懸念が浮き彫りとなっています。
一方で、災害時の代替処理施設やバックアップ体制が「十分に整備されている」と回答したのはわずか19.4%にとどまりました。整備が進まない理由としては「維持管理コストの確保が困難」(46.8%)や「初期投資費用が高額」(33.9%)が上位に挙がり、コスト面の課題が大きな壁となっていることが判明しました。また、災害時に最も懸念される住民への影響は、「悪臭の発生による生活環境の悪化」(48.5%)、「トイレが使用できなくなること」(43.7%)、「感染症リスクの増大」(34.0%)が上位を占めています。最後に、災害時の下水処理継続のために、87.4%が「有効な選択肢」として仮設水処理プラントを評価しており、特に「迅速な設置が可能」(55.6%)や、「省スペースで設置できる」(54.4%)といった点に期待していることがわかりました。
今回の調査では、多くの自治体が災害時の下水処理停止リスクを認識しながらも、予算や場所の制約からバックアップ体制の整備が十分に進んでいない実態が浮き彫りになりました。近年の気候変動による災害の激化や、老朽化したインフラの増加により、下水道施設の機能停止は「もしも」ではなく「いつか」起こりうる現実的な脅威となっています。災害時に下水処理が停止すれば、トイレが使えず、悪臭や感染症のリスクが高まり、住民の生命と健康に直結する深刻な事態を招きます。こうした「下水道クライシス」を未然に防ぐためには、コストや省スペース性に優れ、迅速に設置可能な仮設水処理プラントの導入が、自治体の災害対策における重要な選択肢となるのではないでしょうか。
セイスイ工業なら、下水処理場や各種工場、土木現場や災害現場などの様々な難しい排水や汚泥を処理可能
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近年、地震や集中豪雨といった自然災害が激甚化・頻発化しており、社会インフラや企業の生産活動は常にリスクに晒されています。
万が一の事態で排水処理機能が停止した際、仮設水処理プラントによる迅速な機能代替は、地域の衛生環境の維持と早期復旧に不可欠です。
セイスイ工業は、2,650件を超える豊富な実績と技術力を基盤に、災害時という困難な状況下での排水・汚泥処理の課題解決を強力にサポートします。
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