消化槽(消化タンク)に堆積した汚泥処理のコスト圧縮と工期短縮を実現します。
処理能力の低下や故障やトラブルを防ぐために定期的な点検とメンテナンス、清掃を行っていますが、それでも汚泥が消化槽の底部に沈殿する場合があります。
沈殿した汚泥は通常、水などで薄めて(希釈)してバキュームカーで吸い出し産廃処理します。しかし、汚泥量が500㎥以上の場合、コスト高になり工期が長期化します。
仮設消化槽汚泥処理プラント
弊社の仮設消化汚泥処理プラントなら、現場で沈殿汚泥を泥土と処理水に分離。産廃汚泥を大幅に減少させ、処理水は既設設備に排水できます。
さらに、デカンタ型遠心分離機に加えて、し渣を分級するし渣除去機と砂を分級するサイクロン付振動ふるい機を設置します。し渣によるポンプの停止を防ぐことができるため、バキュームカーより効率的に処理が可能です。
本設とは違い仮設消化汚泥処理プラントなら清掃期間のみレンタル可能です。
消化槽について
消化槽の役割は、大きく分けて以下の2つです。
- 汚泥の減量
- 安全性の向上
消化槽とは、家庭や事業所、工場などから発生した汚水内の汚泥を消化処理によって減量し、汚泥内に含まれる病原菌や悪臭物質を処理します。
汚泥内に含まれる有機物を嫌気性細菌(酸素がない条件下で増殖する細菌)によって分解処理することで実現しています。
消化後の汚泥は消化汚泥といわれます。
消化処理
消化処理とは、汚泥内の有機物を嫌気性細菌によって分解する処理です。嫌気性細菌は、酸素がない状態で増殖する細菌です。汚泥内の有機物は、嫌気性細菌によって分解されると、メタンガスや炭酸ガスなどのガスとなります。このガスは、消化槽から排出され、ガス捕集設備によって捕集されます。捕集されたガスは、発電や加温などのエネルギー源として利用されます。
消化汚泥
消化汚泥の特徴は、以下のとおりです。
- 減量:汚泥内の有機物が分解されるため、汚泥の量が減少
- 安全性:汚泥内の病原菌や悪臭物質が減少するため安全性が高い
- 利用:肥料や土壌改良材として利用可能
消化槽は、汚泥処理の効率化と環境負荷の低減に重要な役割を果たしています。
消化槽の種類
消化槽は形状によって以下に分けられます。
- 卵形
- 扁平形
- 亀甲形
- 円筒形
消化槽の処理工程
消化槽での処理工程は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 汚泥投入
- 消化
- 消化汚泥の取り出し
1.汚泥投入
汚泥槽に汚泥を投入します。
汚泥は、下水処理場では下水処理の工程で発生した汚泥、浄化槽では家庭や事業所から排出された汚泥になります。
2.消化
投入された汚泥は、消化槽内で嫌気性細菌によって分解されます。
嫌気性細菌は、酸素がない状態で増殖する細菌です。汚泥内の有機物は、嫌気性細菌によって分解されると、メタンガスや炭酸ガスなどのガスとなります。このガスは、消化槽から排出され、ガス捕集設備によって捕集されます。
消化の工程は、以下の2つの段階に分けられます。
- 初期消化:汚泥内の有機物が分解され、消化ガスが発生
- 後熟消化:初期消化で分解できなかった有機物が分解され、消化ガスの生成量が減少
3.消化汚泥の取り出し
消化が終了した消化汚泥は、消化槽から取り出されます。
消化槽の工程は、汚泥の量や水分量、温度などの条件によって異なりますが、一般的には初期消化は2週間程度、後熟消化は1週間程度の期間で行われます。
消化の工程は、以下の通りです。
- 汚泥を消化槽に投入
- 嫌気性細菌が汚泥内の有機物を分解し、ガス(メタン、炭酸ガス、水素など)と消化汚泥を生成
- ガスはガス捕集設備によって捕集され、加温設備の燃料などに活用
- 消化汚泥は、脱水処理などの工程へ
消化槽は、汚泥処理の効率化と環境負荷の低減に重要な役割を果たしています。
消化槽清掃の重要性
消化槽の清掃は、消化槽の正常な機能維持と処理能力を維持するために重要です。
消化槽は、汚泥やスカムなどの固形物や、油や脂肪などの浮遊物が溜まることで、処理能力が低下したり、悪臭が発生したりすることがあります。また、消化槽の底部に溜まった汚泥やスカムは、消化槽の腐食を促進する原因にもなります。
消化槽の清掃方法
消化槽の清掃は、消化槽の種類や規模、汚れの状態などによって方法が異なりますが、一般的には次の2つの方法が用いられます。
吸引式
吸盤やホースを使用して、消化槽内の汚泥やスカムを吸引して取り除く方法です。大型の消化槽や、汚泥やスカムが大量に溜まっている場合に用いられます。
洗浄式
高圧の水や、薬剤を使用して、消化槽内の汚泥やスカムを洗い流す方法です。小型の消化槽や、汚泥やスカムが少量に溜まっている場合に用いられます。
消化槽の清掃頻度
一般的には、1年に1回程度の清掃が推奨されています。消化槽の清掃を怠ると、次のトラブルが発生する可能性があります。
- 処理能力が低下し汚水処理が不十分になる
- 悪臭が発生する
- 消化槽の腐食が進む
- 消化槽の故障や破損につながる