技法・工程
吸着法|きゅうちゃくほう
吸着法は、水処理技術の一環で、気体や液体中の溶質分子を主に活性炭、ゼオライト、樹脂などの固体表面に付着させ、それによって分離・除去する処理手法です。この技術は水に溶けにくい物質を吸着剤に吸着させる特性を活かしており、吸着剤は発達した比表面積と孔構造を持ち、特定の物質を選択的に表面に吸着させることができます。主な対象は、無機物でない有機化合物排水です。
吸着法は、生物化学的処理法と比較して処理水が安定している点、設置面積が小さい点、装置スケールが容易に拡張できる点、制御が容易な点、臭気に対して有効な点などの利点があります。水処理では、主に臭気成分や微量の有機汚染物質の除去に応用されており、有機物は生物化学的処理法では難しい場合がある中、吸着法は高い水準での除去が可能です。
ただし、吸着された物質は吸着剤に残存し、吸着量には許容量があります。許容量を超えたものは廃棄物として処分しなければならず、使用済み吸着剤の再生処理や廃棄が課題となっています。