球界のスターたちに岩手県出身者が多いワケとは!?

球界のスターたちに岩手県出身者が多いワケとは!?Vtuberハルナの「セイスイ日記」Vol.3

こんにちは、Vtuberのハルナです!

夏と言えば高校野球ですね。そして今年は、プロ野球でも開幕してすぐに大記録が出ました! 4月10日のロッテ対オリックス戦で、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が完全試合を達成したんですよね。『完全試合』=相手チームの打者を一人も塁に出さず勝利する。つまりヒットもフォアボールも許さずに、9回まで27個のアウトをキッチリ27人から奪うということですから、これはまさに神業。どれほど球場が盛り上がったことでしょう。

今日は、夏に爽快感を届けてくれる野球について取り上げたいと思います。

佐々木選手の完全試合達成までにあった悔しい過去

佐々木朗希投手がこの神業を成し遂げたのは、元巨人の槙原寛己投手以来28年ぶりで史上16人目なんだそう。スゴイのは、佐々木投手は、高校を卒業してわずか3年、20歳という若さで大記録を達成したことです。しかも13者連続三振で、なんとこれは日本新記録。もうひとつおまけに、1試合で19奪三振という派手なパフォーマンスでオバケ記録を作ってしまったのです。

実は佐々木投手の高校野球時代には逸話があります。高校3年生だった佐々木選手は岩手県立大船渡高校のチームの中心となるエースでした。ところが、甲子園への出場をかけた最後の岩手県大会決勝戦で、グラウンドに立たなかったのです。国保監督の判断で、決勝戦までの連投をいたわり「故障を防ぐため」と登板させませんでした。するとまさかの決勝戦大敗。2-12の大差で花巻東高校に負けてしまいました。佐々木投手の甲子園への夢は儚く散ってしまったのです。

敗戦後のインタビューを受ける国保監督に対して観客席からは大ブーイング。その翌日も大船渡高校に苦情が殺到して、脅迫めいたものもあり、ついにはパトカーが出動するという大騒動にまで発展してしまいました。テレビのワイドショーでも国保監督の佐々木投手を起用しなかったという判断が取り上げられ物議を醸し、監督指導への誹謗中傷も厳しいものがありました。

しかし、あれからわずか3年後に佐々木選手は完全試合を達成したのです。監督と関係者の皆さんはどれほど喜んだことでしょう。監督もあの時の重大な判断は、指導者として間違っていなかったとホッとされているのではないでしょうか。


大谷、菊池、佐々木、みんな岩手県生まれの謎

プロ野球といえば、佐々木朗希投手の話題のほかに、メジャーリーグを外せません。エンゼルス大谷翔平選手やブルージェイズの菊池雄星投手の活躍ぶりには、清々しくて誇らしい気持ちになりますよね。

そこで気づくことがありました。この世界のスーパースターである3人は、みんな岩手県出身の選手なのです。なぜ今、岩手県から野球のスター選手が誕生するのだろう?と思いませんか。岩手県といえば、冬は雪で寒さが厳しく練習はトレーニングするほかないのでは?と思ってしまいます。

岩手県の謎を解くべく、大谷翔平選手と菊池雄星選手の2人を育成し、世界に輩出した花巻東高校野球部の佐々木洋監督の話をご紹介します。

佐々木監督は岩手県出身で、黒沢尻北高校卒業後、国士舘大学現役時代はキャッチャーでした。2002年に花巻東広告の野球部監督に就任し、以来、甲子園に春3回、夏8回出場。多くの逸材を輩出しています。

今年、佐々木監督が大谷選手と菊池選手とともに、第12回スポーツ学会大賞に選ばれました。その講演のなかで、岩手県がスター選手を多く輩出している理由のひとつに指導者の意識が変化したと述べています。

野球部の監督になる前、中学校3年だった松坂大輔選手の140㎞の剛速球を見て衝撃を受け「なぜ岩手は弱くて神奈川や関東はレベルが高いのか」と感じて、岩手との違いは選手の能力の違いだと思い込んでいたそうです。

その後、花巻東高校の野球部の監督になって「能力の違いがあるわけじゃない。良い素材はあるのに鍛えられていない。つまり指導者に差がある」と気づきました。 そこから佐々木監督は「指導者として自分が変わる」ためにあらゆる角度からいろんなことを試みます。


指導者は選手と一緒に学び成長し変化する

ある時は「経営から学ぶ」との教えから、野球関係の雑誌を全部捨ててしまいます。そして岩手県にある自動車会社の工場を見学したときのこと。工場内は「無理と無駄がない。効率的で効果的」だと驚いてよく見ると、現場に「改善班」がいてグループで常に改善していることがわかったのです。そこで佐々木監督は、野球チームに改善グループを設置してみました。すると練習の改善点やベストな方法は生徒の方がよくわかっていたということなのですね。

いくら監督のノックが良くても、完璧な練習メニューをこなしても、生徒の思考が停止している状態では、本当の成長や根本的な改善にはつながりませんよね。この時監督は「指導のつもりが邪魔になっていた」と語っています。

佐々木監督の指導で大谷翔平選手が作った高校時代の「81マスの目標設定シート」が話題になりました。夢を夢のままでは終わらせないため具体的に目標を置くものです。また菊池雄星選手は、中学時代に佐々木洋監督の「人としても成長を目指す指導方針」に共鳴したとあります。

近年、野球に限らず、スポーツの現場、学校、会社などでもその人の才能を伸ばそうとする指導が増えて、練習内容や方法も変わってきていると聞きます。人材育成はどの時代もどの業界も容易なことではないでしょうが、指導者の冷静な視点と正確な判断が、やがて生徒たちの成長と偉業につながることは、佐々木朗希選手の完全試合が表しました。また指導者という立場は、近視眼的な目先だけの「勝利」「成績」だけに一喜一憂するものではないことも改めて感じました。球界の怪物たちが、岩手県に多いという理由がわかってきました。彼らがいつかどこかで指導者の立場になったときに、岩手母校のホームベースを思い出すことも多いかもしれないですね。

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